2024.06.18
ジャーナリングのやり方と効果を知りたい!~頭スッキリ!生産性アップ~
当記事の執筆は、臨床心理士・公認心理師 石倉美希が担当しました。 ※外部サイトに遷移します
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ジャーナリングという言葉を聞いたことはありますか?
ジャーナリングは書く瞑想ともいわれ、頭の中をスッキリさせたり、感情のコントロール感が得られたり、生産性のアップにも役立ちます。
「頭の中を整理したい」「考え事が多くて疲れる」という方にオススメの方法です。
ジャーナリングを初めて行う方にもわかりやすい、具体的なやり方や効果をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ジャーナリングのやり方
ジャーナリングとは、頭に浮かんでいる考えをそのまま書き出していくことです。日記のように保存する必要はないため、読み返しやすさや文章の正誤は気にせず、ひたすら書き続けていくのが基本のやり方です。
準備もやり方も非常にシンプルですが、丁寧に解説していきます。
STEP1:準備するもの
考えていることを書き出すためのツールを用意しましょう。紙とペンだけあれば十分です。また、外出中のちょっとした時間にジャーナリングを取り入れたいときは、スマートフォンのアプリやメモ機能でもよいでしょう。
「ジャーナリングをしてみようかな」と思ったときにすぐ始められるような、自分にとって身近なツールを選択すると、実践のハードルも下がりますよ。
参考記事:糖尿病の自己管理を楽にするセルフモニタリング~ストレスを観察しよう~ ※外部サイトに遷移します
STEP2:落ち着ける環境を整える
自分自身の考えにじっくり注意を向けるため、ある程度静かで、人の出入りが少ない場所がオススメです。
音楽もリラックスするには役立ちますが、ジャーナリングをしている間は、気が散りやすくなるので、止めておきましょう。
STEP3:頭に浮かんだことをそのまま書く
基本的には何を書いても OKです。頭に思い浮かんだことをそのまま書き起こしてみましょう。頭の中のモヤモヤをすべて文字に起こすようなイメージで取り組めるとよいですね。
丁寧な文字や正しい文章である必要はありません。心の中の言葉をそのまま文字にしてみましょう。
STEP4:振り返りをする
書いたものは一度読み返してみると、どんなことを考えていたか、どう感じていたかが振り返れます。後日、また読み返したいと感じるときは、そのまま書いたものを保存してもよいでしょう。
悩みや不安などのネガティブな考えを書き出したときには、紙をビリビリと破いて捨てたり、メモを消去したりして、考えを手放す感覚を実際に味わってみるのもオススメです。
より効果的に行うためのポイント
難しく考えず、気軽にジャーナリングを始めるのが一番ですが、せっかくやるからにはより効果的なやり方で取り組んでみましょう。
手を止めずに書き続ける
手を止めずに書くように意識すると、「〇〇を書いたら変かな」「漢字は合っているかな」と形式にとらわれた考えが出にくくなります。また、心のおもむくままに書き続けていると、自分では意識していなかった感情が言葉になって出てくるかもしれません。
書き出す時間を決めておく
書き出す時間を決め、タイマーをかけておくと、より集中して取り組めます。
書き出す時間にとくに決まりはありませんが、最初は1~2分から始めて、そのときの集中力や確保できる時間にあわせて柔軟に変えてみるとよいでしょう。
何を書いたらいいのか分からないときは?
何も思いつかない場合は、「何も思いつかない」と書いてもOKです。ジャーナリング初心者の方はある程度テーマを決めておくと書き出しやすいでしょう。
オススメのテーマは以下の通りです。
ジャーナリングテーマの例
テーマの選択は自由ですが、初めてジャーナリングに取り組む場合はポジティブなテーマから始めると、書き終わったあとの気持ちも明るくなるため、取り組みやすいでしょう。
悩みや不安などのネガティブなテーマについて書き出すと、どうしても悪いことばかり考えてしまうこともあるでしょう。そのときは、ストレッチで体をほぐしたり、気分転換に音楽をかけてみるなど、意識的に気分を切り替えていきましょう。
参考記事:コーピングリストでストレスに備える!~具体例100個もご紹介~ ※外部サイトに遷移します
ジャーナリングの効果
ジャーナリングの効果を裏付けるいくつかの心理学の研究があります。
expressive writing(筆記開示法)の提唱
1986年にテキサス大学のジェームズ・ペネベイカー博士が学生を対象に、感情を大きく揺さぶられる出来事について書く群と日常的で些細な出来事について書く群に分け、4日間連続で書いた際の心理的影響を研究しています。
その結果、感情を大きく揺さぶられる出来事について書いた場合の6か月後の健康度が高いと明らかになりました。
博士はexpressive writing(筆記開示法)を、身体的・精神的な問題への有効なアプローチ方法として提唱しています。
効果の具体例
ペネベイカー博士の研究以降も、expressive writing(筆記開示法)に関するさまざまな研究が行われ
などの効果が示されています。
また、書くことに没頭することで、「今ここ」に意識を向けるマインドフルネス瞑想と同じ効果を得られるともいわれています。
参考記事:マインドフルネスの効果とは?~初心者でも始めやすいやり方をご紹介~ ※外部サイトに遷移します
こんな人にオススメ!
多くの効果を持つジャーナリングは、上記のような研究結果をふまえると
という方に、とくにオススメです。
ジャーナリングで自分の考えを洗い出し、頭の中をスッキリ整理してみませんか?
まとめ
ジャーナリングのやり方はとてもシンプルで、誰でも手軽に始められます。
ジャーナリングの効果は
など、心身にとってよい効果がたくさんあります。
まずは数分だけでも、ジャーナリングに没頭してみませんか?
本記事を頭の中の整理や、気持ちのコントロール、生産性アップにご活用いただけたら幸いです。
執筆者:臨床心理士・公認心理師 石倉 美希
早稲田大学人間科学部卒業、東京家政大学大学院人間生活学総合研究科臨床心理学専攻修了。 在学中に認知行動療法や健康心理学を学び、糖尿病患者が抱える不安や食行動変容について研究。 卒業後は医療機関にて臨床心理業務に従事し、主に働く人のメンタルヘルスのサポートを担う。 「心身の健康を通じてその人らしい生き方をサポートしたい」という思いからシンクヘルス株式会社に入社。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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