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2024.05.24

大人の「勉強が続かない」やる気が原因じゃない訳|40〜50代が「脳の機能」を圧倒的に引き出すコツ


(イラスト・うのき)

(イラスト・うのき)

この記事の画像を見る(2枚) ※外部サイトに遷移します

大人になってから資格取得や昇格・昇給試験のための勉強や学び直しを始めている人も多いだろう。そのうちのどれくらいの人が最初のモチベーションを維持し、目標を達成しているだろうか。三日坊主になってしまったり、自分なりに頑張ったつもりなのに結果が結びつかなかった人も少なくないはずだ。

シリーズ累計15万部のベストセラー『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』の第2弾『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』を上梓した脳内科医の加藤俊徳氏は、脳にも基礎体力があるという。大人こそ身につけたい記憶力・理解力・集中力を底上げさせる脳の基礎体力のつけ方について5回連載で解説する。

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続かない原因はやる気の問題ではなく、脳にあった

「大人の学び直しが流行っているな。よし、僕も今年は資格を取得するぞ」

「ずっと放置していた英語の勉強を再開してみよう!」

新年や新年度、誕生日を節目に目標やゴールを立てる人も多いのではないでしょうか。

しかし、半年後、1年後、掲げたゴールに近づいている人や目標を達成した人がどれくらいいるでしょうか。

最初の燃え上がるようなやる気がいつの間にかくすぶってしまい、買った参考書は積読状態、勉強のためにとダウンロードしたアプリはしばらく開いていない、大金を出したオンラインレッスンも回数がだいぶ残っていてこのままだと消化できずに期限切れ……。

「こんなはずじゃなかった!」「本当の本当に、頑張ろうと思っていたんだ」「自分なりに頑張ったはずなのに、不合格だった」

三日坊主で終わったり、勉強したはずが思うような結果を得られなかったりした経験を持つ人も少なくないはず。

実際に、40代、50代と年齢を重ねてくると、自分がやりたいと望むことなのに行動に移せない、実行力の弱った大人が増えていきます。

以前の自分なら心と体が直結しているかのように、フットワーク軽くさっと始められたり、動けたのに、最近は気持ちに体がついていかない。そう感じることはありませんか?

実行力の衰えを体力や気力のせいだと言い訳する人は多いですが、行動するように指令を出しているのは脳です。

脳は40代後半から50代にかけて中年期に最盛期を迎えることは紛れもない事実です。

しかも中年期にしっかり脳を働かせることで、70代になっても、80代になっても脳はずっと右肩上がりに成長し続けます。

大人の学び直しは、脳科学的にも理にかなっているわけです。

前著『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』の読者がSNSや読者ハガキで「まだまだ自分はやれるんだと生きる希望が湧いた」「勉強方法を変えて、難関国家試験に合格できた」というような感想を届けてくれることをとても嬉しく思っています。

一方で先ほどのように、前著を読んで始めようとしたものの実行力が弱っていたために、計画倒れになったり、思ったほどの効果を実感できなかったりという人もいるかもしれません。

脳科学の観点からは、実行力の衰えは、左脳の思考系脳番地の働きが落ちていると言い換えることができます。

私が提案する「もっとすごい脳」になるためには、思っているだけではダメ。左脳の思考系を刺激して実行できる自分を取り戻すことが必要です。

勉強を始める前にまず「脳の基礎体力」の向上を

しかし脳は、最初の一歩を踏み出すときに多くのエネルギーを消費するため、そもそもの脳の基礎体力がないと実行力はついてきません。

脳のコンディションが整っていないと、最初の一歩を踏み出すことが困難なのです。

(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(イラスト:うのき)

(イラスト:うのき)

体調でも同じですよね。どこかに痛みがある、なんだか調子がすぐれないときは、「さあ、やろう」と立ち上がるまでに時間がかかったり、いざ取り掛かってもなかなか集中できなかったりするものです。

でも、いつでも体調は万全!と胸を張って言える人が少ないように、脳のコンディションがいつも最高!という人も少ないのです。

反対に考えれば、脳をいい状態に保つことができれば、すぐに始められる自分になれるし、中高年になって衰えていると感じていた記憶力・理解力・思考力・創造力・集中力を高めていくことができます。

もちろん、勉強した分だけ身になっていくという効率のいい大人脳も手に入ります。

これからは生成AIやチャットGPTなどとも脳はうまく付き合っていかなければならない時代です。

時代によってどんどん登場する新しいものに対して好奇心を持ち、受け入れ、理解して上手に利用する一方で、自分の脳もしっかり働かせて、脳をサボらせないようにしなければなりません。

やろうと決めたことを最後までやり抜く脳。学習したことをどんどん吸収し、それを応用していける脳。新しい技術にも興味を持ち、理解する力がある脳。誰だって、こんな脳を持ちたいものです。

しかし、なりたい脳にいきなりなれるわけではありません。なりたい脳になるための練習をしなくてはいけません。

脳の準備運動をすることで大人の勉強を効率的にする

もっと言えば、やりたかったことを始める前には、脳の準備運動が必要です。そして、脳の基礎体力を上げておかなければなりません。

私自身も学生時代、医師を志し、大学は医学部を受験しました。がむしゃらに這いつくばって、友人とも遊ばず勉強に明け暮れていましたが、結果は不合格。現役時代、一浪時代と必死に勉強したのにダメでした。

そこで二浪目。思い切って勉強方法を変えました。毎日のように高尾山に登り、滝行までしました。

机の前に座っているだけの勉強を大幅に削り、体を動かしたり、自然を五感で感じる日々を過ごした結果、それが脳の準備運動となり、脳の基礎体力が上がることに繋がったようで、勉強時間は減ったにもかかわらず偏差値が上がり、合格することができました。

もし、あなたが頑張っているのに思ったような結果が出ないのであれば、脳の基礎体力が足りないのかもしれません。社会人になると多くの人が同じような日々を繰り返すことになります。

仕事をしている人なら、仕事でよく使う脳番地ばかりを使う「仕事脳」になってしまうのは、やむを得ないこと。だからこそ、あまり動かしていない脳番地を意識的に動かすことが大切なのです。

どんなに運動能力が高い人でも、全く走ったことのないフルマラソンを一度も練習しないで走ろうとする人はいないでしょう。準備運動をして、基礎体力をしっかりつけた人だけが最後まで走り切る体力と気力を持っているはずです。脳も同じで、何かを始める前には、最初に脳科学的な準備運動が必要なのです。

何歳からでも思い描いた脳を自分自身で作っていける

脳の成長を私は「枝ぶり」(脳のMRI画像内の黒くなっている枝のような箇所を指します)と呼んでいます。

記事画像

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脳画像を見ると、しっかり働いている箇所の枝ぶりはいいのに対し、基礎体力がない箇所は白い部分が目立って枝ぶりがはっきりしません。

私のクリニックでは、脳画像から診察して、基礎体力がない箇所のトレーニングを提案します。

具体的には、「利き手と反対の手で体を洗う」「頭が働かなくなったらひたすら歩く」「お腹のマッサージをする」「1日1回、人を笑わせる」「出かける前の10分間でカバンの整理をする」「頭皮マッサージをする」など、診断によって自分の生活に取り入れやすいものを実行してもらいます。

トレーニングをすることで、脳全体が活性化し、まんべんなく脳全体の枝ぶりがよくなっていきます。そうすることで記憶力・理解力・思考力・実行力・決断力・交渉力・コミュニケーション力・創造力、すべてが向上して、生活にも仕事にもいい影響を多数もたらすことでしょう。

誰でも、何歳からでも思い描いた脳を自分自身で作っていくことは可能です。脳の枝ぶりを成長させることができれば、脳番地の働きも活発になり、脳の処理スピードも速くなります。

番地内の連携も深まるため、仕事に、勉強に、プライベートに、人生すべてにおいて意欲的に励むことができるでしょう。

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提供元:大人の「勉強が続かない」やる気が原因じゃない訳|東洋経済オンライン

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