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2024.05.27

多く摂る方がいいの?たんぱく質について管理栄養士が解説


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近年、たんぱく質が摂れる食品のラインナップ、例えば、ヨーグルトやプロテインドリンク、プロテインバーなどが増えてきています。
「なんとなく体に良さそうだから」というイメージで、多く摂った方がいいと思っている人が多いのではないでしょうか。
実際のところ本当にそうなのか、健康のためにはたんぱく質は多く摂ったほうがいいのか、解説していきます。

健康のためにたんぱく質は多く摂ったほうがいいの?

この質問に対する答えはNOです。「多く摂れば摂るほど健康にいい」と思っている人も多いようですが、それは誤解。必要量が摂れていれば、多く摂る必要はありません。もちろん不足は避けたいですが、多すぎても少なすぎても健康に良くないようです[1]。

■摂り過ぎたらどうなる?

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慢性的に摂り過ぎると、腎機能に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。しかし現時点では、どのくらい摂ると良くないのか根拠が十分ではないため厚生労働省は上限量を定めていません[1]。
ただし、定められていないからといって、たくさん摂っても影響がないわけではないので要注意です。

■不足したらどうなる?

たんぱく質は、私たちの体にとって欠かせない栄養素で、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体を構成する成分となります。また、ホルモン・酵素・抗体などの材料となり、体調を整える役割にも関わっています。
たんぱく質が欠乏すると、むくみやお腹に水がたまるなどの症状が起こる原因にもなります。また、高齢者の場合は、認知機能の低下や筋肉量が減少することによる身体機能の低下が問題となっています[1]。

たんぱく質はどのくらい摂ったらいいの?

食事からどのくらい栄養素をとったらいいかを示した基準「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%が理想とされています。成人男性は一日65g、成人女性は一日50gのたんぱく質を摂ると、不足しないだろうと考えられています[1]。
50gのたんぱく質を摂るには、例えば、鮭なら、3切れ分、牛肉なら、250g分、豆腐なら2丁超分、納豆なら6パック分などが目安となります。[3]

私たちは、十分なたんぱく質が摂れているの?

実際、私たちはどのくらいのたんぱく質を摂っているのでしょうか?「国民健康・栄養調査(令和元年)」の報告によると、成人男性は70~80g、成人女性は60~70gのたんぱく質を摂取しているようです[2]。この結果から、日本人は平均的に十分なたんぱく質を摂っているといえそうです。
しかし、「国民健康・栄養調査(令和元年)」の報告は、あくまでも平均であり全員が十分ではないことには注意が必要です。

たんぱく質の摂り方のコツ

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たんぱく質を摂る時には次のようなことに気をつけるようにしましょう。

■必要以上に摂り過ぎない!

前述した通り、摂り過ぎは腎機能へ負担をかける可能性があるので避けたほうが良いでしょう。加えて、たんぱく質を多く摂ることばかりにフォーカスした食事をしていると、栄養バランスが崩れる可能性もあるので要注意です。

■お肉ばかり食べない

たんぱく質源として、多くの方がイメージするのはお肉ではないでしょうか。お肉中心の食生活は、飽和脂肪酸を摂り過ぎるリスクがあります。飽和脂肪酸の過剰摂取は、心筋梗塞をはじめとする循環器疾患のリスクを高めてしまうため、注意が必要です[1]。肉を食べるときは、牛や豚のモモ肉やヒレ肉、鶏ささみや鶏ムネ肉(皮なし)などの低脂肪の部位を選ぶのが良いでしょう。たんぱく質源となる食品の代表例には、お肉の他に魚、大豆製品、卵、乳製品があります。おすすめは、植物性たんぱく質である大豆製品や不飽和脂肪酸を含む魚です。乳製品を摂る際には、低脂肪、無脂肪のものを選ぶと良いでしょう[3]。

■食べ合わせを意識する

たんぱく質の代謝を助ける栄養素であるビタミンB6は、たんぱく質と一緒に摂りたい栄養素です。ビタミンB6を含んでいる食材は、まぐろ・かつお・さば・鮭などの魚類、豚ヒレ肉・鶏ささみ・鶏むね肉などの肉類、赤ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、かぼちゃ、バナナ、アボカド、玄米、納豆、などがあげられます[1,3]。

たんぱく質の適切な摂取で、健康をサポートしよう!

今回は、健康な成人を対象にしたたんぱく質の摂り方についてお伝えしました。たんぱく質は個人の状況によって、摂り方の注意点が異なります。例えば、妊娠中や授乳中の女性は、通常よりもたんぱく質が必要となり、慢性腎臓病の方はたんぱく質の摂取制限が必要です。また、食の細い高齢者やたんぱく質の摂取が少ない可能性のある方は、意識してたんぱく質を多く摂る必要があります[1]。
心配な方は、かかりつけ医などの専門家に相談してくださいね。
日頃の食事から適切なたんぱく質の摂取を心がけ、健康をサポートしていきましょう。

【参考文献】(すべて2024年3月24日閲覧)※外部サイトに遷移します

[1]厚生労働省, 日本人の食事摂取基準 (2020年版)

[2]厚生労働省, 令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

[3]文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

【プロフィール】管理栄養士 中川麻奈美

病院、福祉施設に勤務した後、学校給食の調理業務に携わる。より人々の健康作りに貢献したいとの思いから、特定保健指導やヘルスケアコラムの執筆活動にも注力している。主に生活習慣病の予防を中心に、健康的な食生活を支えられる科学的根拠のある情報を発信することを大切にしている。

記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

株式会社Wellmira ※外部サイトに遷移します

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