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2024.01.27

冷凍ブロッコリー「水っぽくならない」超ラク解凍|おいしさ半減「エッジランナウェイ現象」防ぐ技


栄養もおいしさも満点の冷凍ブロッコリー。おいしく食べるコツを冷凍王子が紹介します(写真:筆者撮影)

栄養もおいしさも満点の冷凍ブロッコリー。おいしく食べるコツを冷凍王子が紹介します(写真:筆者撮影)

冷凍食品の野菜コーナーで必ず見かけるブロッコリー。水っぽい? まずい? いえいえ、それは解凍方法が正しくないだけかもしれません。

「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが「冷凍ブロッコリー」のおいしい解凍法や調理法、そして生鮮ブロッコリーの冷凍法をご紹介します。

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栄養面で間違いないのがブロッコリー

野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維など体に大切な栄養素が豊富ですが、近年は全世代で野菜不足が目立っています。健康のために積極的に摂りたい野菜ですが、しかし「どんな野菜」を選ぶかで、栄養価がかなり変わってきます。

そんななかで筆者が「まずこれを選べば間違いない!」とお勧めしている冷凍野菜がブロッコリー。ビタミンCやB2、βカロテン、食物繊維が豊富な緑黄色野菜で、抗酸化作用の高いスルフォラファンという成分も含み、栄養価がとても高いのです。

冷凍野菜をまだあまり活用されていない人には、調理が簡単で栄養価も高く、野菜そのものがおいしい冷凍ブロッコリーをまずはお勧めします。

野菜不足解消に一役買ってくれる冷凍野菜。一般的に市販の冷凍野菜は旬の時期に収穫したものを急速凍結しているので、旬と同じおいしさ、栄養価のものが、値段の上下なく1年中食べられます。

冷凍野菜の輸入量「実質1位」

農畜産業振興機構「野菜の輸入動向(2022年12月)」によると、2022年の冷凍野菜の日本での輸入品目の中では、ばれいしょ(ポテト)を除くとブロッコリーがトップ。

冷凍ポテトは、いわゆるフライドポテトとしての商品が多く、さらには炭水化物がメインの食材のため、野菜に含めるかどうかは微妙なところ。そう考えると、ブロッコリーは実質1位といってもいいでしょう。

同年の輸入量もブロッコリーは前年比115.7%(日本冷凍食品協会調べ)と増加しており、日本では非常に人気の高い冷凍野菜です。

記事画像

日本で販売されている冷凍ブロッコリーの多くは輸入品で、2022年の輸入量1位はエクアドルです(日本冷凍食品協会調べ)。

エクアドルは標高が非常に高いので病害虫の発生が少なく、日照量も抜群。ブロッコリー栽培に非常に適した気候です。収穫後は現地ですぐに急速凍結するため、ブロッコリーそのものの甘さとうまみがしっかりあり、品質も安定しているため、世界的にも高い評価を得ています。

冷凍ブロッコリーの人気の理由に、解凍するだけで食べられ、調理に手間がかからないこと、さらには野菜そのものの甘みやうまみがあり、複雑な調味が不要な点が挙げられます。

ほかの冷凍野菜、例えばごぼうやさといもなどは調理が必要ですが、ブロッコリーは解凍したらマヨネーズをつけるだけ、ドレッシングをかけるだけでおいしく食べられます。

また、お弁当需要が大きい野菜でもあります。最近は冷凍庫から出したら放ったらかしの自然解凍できる冷凍ブロッコリーが増えていて、凍ったままお弁当に入れられるので、さらに手軽になりました(自然解凍と書かれていない商品は必ず一度加熱してください)。

冷凍ブロッコリーに別の素材を足した商品も出てきました。2023年9月発売の「ささみブロッコリー」(ニチレイフーズ)は、食べやすい大きさにカットしたささみとブロッコリーをミックス。1袋でタンパク質が20g以上摂れ、健康感も高い商品として注目されています。

ニチレイフーズのささみブロッコリー(写真:筆者撮影)

ニチレイフーズのささみブロッコリー(写真:筆者撮影)

基本の解凍法〜電子レンジ〜

冷凍ブロッコリーは栄養価が高く使い勝手もいい食品ですが、解凍すると「水っぽい」「食感がない」などの声がよく聞かれます。

その原因は、ずばり加熱時間が長すぎることにあります。

冷凍ブロッコリーはすでに加熱してあるので、調理時に加熱しすぎると柔らかくなりすぎたり、ベチャッとしたりと、おいしさも逃げてしまうのです。余熱で解凍するくらいの気持ちで、軽い加熱がポイントです。

そうした問題をクリアできるのが、「水+電子レンジ」解凍です。

ブロッコリーは分厚い部分と細い部分が混在した食材で、電子レンジで加熱すると細い部分が集中して過剰に加熱されたり(いわゆる加熱ムラ)、場合によっては焦げたりすることがあります。これは「エッジランナウェイ現象」と呼ばれ、電子レンジのマイクロ波が細い部分へ集中する特性があるために発生する現象です。

「エッジランナウェイ現象」を起こしたブロッコリー(写真:筆者撮影)

「エッジランナウェイ現象」を起こしたブロッコリー(写真:筆者撮影)

この現象を防ぐポイントは

・少量で電子レンジにかけない

・水を加える

・ラップをかけて蒸すように加熱

です。

耐熱ボウルや深さのあるお皿に冷凍ブロッコリーを入れ(100g以上)、水を少量ふりかけてからラップをかけ、電子レンジにかけて蒸すように加熱します(目安は、冷凍ブロッコリー200gに対し、水大さじ2)。加熱後は水はしっかりと切ります。

加熱は少し冷たさが残る程度でとどめ、予熱で解凍するくらいのほうが食感やおいしさを残すことができますよ。加熱ムラができる場合は、加熱途中に一度、電子レンジから出してかき混ぜましょう。

電子レンジ解凍したブロッコリー+塩昆布という意外な組み合わせがやみつきになる、簡単な副菜レシピをご紹介しましょう。

ブロッコリーの塩昆布和え(写真:筆者撮影)

ブロッコリーの塩昆布和え(写真:筆者撮影)

ブロッコリーの塩昆布和え

【材料(2人分)】

冷凍ブロッコリー 200g
水 大さじ2
塩昆布 5g
ごま油 大さじ1

【作り方】

(1) 冷凍ブロッコリーを耐熱ボウルに入れ、水をふりかける。ラップをかけて電子レンジで加熱する。600Wで3分10秒が目安。
(2) 電子レンジから取り出したら、ボウルの中の水を捨てる。
(3) 塩昆布とごま油を入れて混ぜる。

アレンジ解凍法〜フライパン&だし〜

電子レンジ以外では、フライパン解凍とだし解凍がお勧めです。

だし解凍(写真:筆者撮影)

だし解凍(写真:筆者撮影)

フライパン解凍は、フライパンに冷凍ブロッコリーと少量の水を入れ、フタをして蒸すように解凍する方法。中火にかけた後、フタをとって水気を飛ばすことで、水っぽさがなくなり、歯ごたえも残ります。

だし解凍は、冷凍ブロッコリーを液体だし(めんつゆや白だしなど)に浸して解凍する方法です。だし解凍の利点は、解凍中にだしを吸わせることで味が染み込むこと、解凍が早くできること、加熱しないため食感を保ったまま解凍できることなどが挙げられます。

フライパン&だし解凍で手軽にできる、絶品レシピをご紹介しましょう。付け合わせだけではなく、満足感のあるおかずにも大活躍します。

フライパン&だし解凍レシピ2つ

冷凍ブロッコリーのフライパンソテー(写真:筆者撮影)

冷凍ブロッコリーのフライパンソテー(写真:筆者撮影)

冷凍ブロッコリーのフライパンソテー

【材料(2人分)】

冷凍ブロッコリー 200g

水 大さじ1

オリーブオイル 大さじ1

【作り方】

(1) 火をつける前に、フライパンに冷凍ブロッコリーと水を入れる。
(2) フタをして4分ほど中火にかける。
(3) フタをとって、中火のまま水分を飛ばす。
(4) 水分が飛んだらオリーブオイルをかけて、しっかりと焼き目がつくまでソテーする(3〜4分程度)。

だし解凍で作るブロッコリーから揚げ(写真:筆者撮影)

だし解凍で作るブロッコリーから揚げ(写真:筆者撮影)

だし解凍で作るブロッコリーから揚げ

【材料(1人分)】

冷凍ブロッコリー 100g
麺つゆ(ストレート) 200ml 
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量

【作り方】

(1) ボウルに入れた冷凍ブロッコリーに麺つゆをかけ、10〜15分置いてだし解凍する。
(2) ブロッコリーの水気を切り、表面全体に片栗粉をまぶす(片栗粉をつけたら、すぐに油で揚げる)。
(3) 揚げ油を180℃に熱し、(2)を入れ表面がきつね色になるまで揚げる。

シチューやカレー、スープなど煮込みや汁物に使う場合は、凍ったまま入れればOK。入れるタイミングは最後の仕上げ段階に。最後に入れて火を止め、余熱でとかすイメージでいいでしょう。

ほかのおすすめの使い方としては、味噌汁や鍋の具材です。ブロッコリーは和風の味付けにも意外と合うので、ぜひ1度試してみてください!

余った生鮮ブロッコリーの冷凍法

生鮮品のブロッコリーが余ったときは、ご自身でも冷凍できます。

ブロッコリーの茎も冷凍に(写真:筆者撮影)

ブロッコリーの茎も冷凍に(写真:筆者撮影)

鮮度が落ちやすいので、買ってきたらできるだけ早く冷凍を。冬はブロッコリーの旬で価格も安くなるので、買い過ぎてしまったら、使わない分はその日のうちに冷凍しましょう。

小房に分けて塩を加えた湯で硬めにゆで、粗熱を取り、水気を切ってから保存袋に入れて冷凍します。解凍時も、市販の冷凍ブロッコリー同様、加熱しすぎないように。

茎も食感もありおいしいので、捨てずに利用してください。茎の皮を厚めに削いで、中だけカットします。これも自分で冷凍するよさであり、食品ロス削減にもつながります。

生のままでも冷凍できますが、保存期限が短くなります。野菜が持つ酵素により、味や食感などが劣化しやすいからです。保存期間は、生なら1〜2週間以内、加熱したものなら1カ月以内を目安に消費しましょう。

(構成/田中絢子)

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「週末にまとめて作って冷凍庫へ」がNGな納得の訳

コストコで「得」できるという大いなる勘違い

「サバ缶」大ブームでも水産会社が喜べない事情

提供元:冷凍ブロッコリー「水っぽくならない」超ラク解凍|東洋経済オンライン

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