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2024.01.11

「スマホ入浴」増加、無意識の長風呂に潜むリスク|お風呂で動画や映画に夢中になる人は多いが…


お風呂で動画や映画を見る人が増えています(写真:polkadot /PIXTA)

お風呂で動画や映画を見る人が増えています(写真:polkadot /PIXTA)

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住宅設備メーカーのLIXILが「長風呂に関する意識調査」を実施した。LIXILのリリースによれば、「20分以上の全身浴」は長風呂にあたるという。

調査結果を見ると「長風呂」という認識なしにスマホを持ち込み、長時間の入浴になっている人も多いようだ。長風呂の実態や注意点ついて、考えてみたい。

約半数が入浴中にスマホなどを使用

防水性の高いデバイスが普及したこともあるのだろうが、入浴の際にスマートフォンやタブレットなどを持ち込む人が増えている。

LIXILが10代~50代男女3163人に「お風呂に入る際、スマートフォンやタブレット、浴室テレビを使用することがあるか」聞いたところ、過去1回以上あると回答したのは49.8%とほぼ半数。そのうち「過去に数回」レベルの割合は12.5%なので、「必ず」「ほぼ毎日」「ときどき」持ち込んでいる人が相当いることが分かる。

(出所:LIXIL「長風呂に関する意識調査」リリース)

(出所:LIXIL「長風呂に関する意識調査」リリース)

実は筆者もポータブルの浴室テレビを持ち込むことがある。活字中毒なので、本を読むことの方が多いのだが、気になるテレビ番組が入浴時間と一部重なるときなどは浴室テレビの出番となる。

本を読む場合もテレビを見る場合も、何もしないときよりは長時間浴槽に浸かっていると感じている。

LIXILでは、入浴時にスマートフォンなどを使うことを「スマホ入浴」と名づけており、スマホ入浴経験者の500人に対して「長風呂に関する意識調査」を行った。

まず、「長風呂した」と感じる時間について結果を見てみよう。「普段の入浴時間」では、「10分以上20分未満」が最多の30.8%、次いで「20分以上30分未満」の24.6%。

一方、「長風呂と感じる入浴時間」は、「30分以上1時間未満」が最多の33.2%となり、「普段の入浴時間」より長めの時間を「長風呂」と認識する傾向が見られた。

(出所:LIXIL「長風呂に関する意識調査」リリース)

(出所:LIXIL「長風呂に関する意識調査」リリース)

LIXILのリリースには、東京都市大学人間科学部・早坂信哉教授のアドバイスが紹介されている。

早坂教授によると、「入浴による温浴効果は、40℃の湯船で10分間、全身浴することで十分に得ることができるので、全身浴で20分以上浸かれば『長風呂』」になるという。つまり、「普段の入浴時間」でも49.2%の人が長風呂をしているのだ。

長風呂の原因はスマホで動画や映画視聴?

「長風呂」のイメージを聞いた結果を見ると「身体の芯から温まることができる」(89.8%)、「心身がすっきりする」(84.2%)など、大多数の人が身体に良い効果があると感じている。

だが早坂教授はリスクとして「1回の入浴で800mLの水分が身体から奪われるため、長時間の入浴になるほど水分量が減り、脱水につながる」こと、「長風呂は肌の保湿成分が流失することによる肌の乾燥や、体温が高くなりすぎる"浴室熱中症"などのリスクも高まる」ことなどを挙げている。

さきほどの「長風呂」のイメージを聞いた結果でも、「熱中症になることがあると思う」(64.6%)や「入浴中にも水分補給が必要だと思う」(63.2%)など、リスクを認識している人が多かった。

ではなぜ長風呂をするのだろうか?理由を複数回答で聞いた設問では、最多の45.0%が「スマートフォンやタブレットを使用していて、気が付いたら長時間入浴していた」だった。特に10代と20代では、過半数がそれを理由に挙げている。

一方で、50代では「入浴前から長時間入浴をしようと思っていた(リラックスするため)」という回答が最多となるなど、年代による違いも見られた。若い世代を中心に、「スマホ入浴」自体が長風呂につながっていることが分かる。

では、スマホ入浴中に何をしているのだろうか? 全世代で共通してTOPに挙がったのが「動画・映画視聴」(55.8%)だった。動画や映画は流したまま見ていればいいので、入浴中に向いているのかもしない。

長風呂・スマホ入浴には注意点も

このリリースでは、早坂教授からのアドバイスも掲載されているので、長風呂で注意したいことを抜粋して紹介しよう。健康リスクを解消するために、気を付けてほしい。

・入浴後の保湿を欠かさない

・長風呂する際は入浴前と入浴中にも水分補給をする

・湯船から出るときは冷水や浴室の冷たい部分に触れてから出る

・入浴温度は40℃〜41℃に。冬でも42℃以上にはしない

・長風呂をする場合は、ときどき湯船から洗い場に出たり、足湯にしたり、窓を開けて外の空気を入れたり、お湯の量を減らしたりなど、体温を上げ過ぎないようにする

スマホを浴室に持ち込む「スマホ入浴」にも注意が必要だ。スマホの防水機能は、IPX5、IPX8などといった等級で表記され、等級によって保護されるレベルが異なる。そのため、自分のスマホの防水レベルがどの程度かを確認する必要がある。

また、SIMカード挿入口のカバーなどをきちんと閉じていなかったり、浴槽に沈めてしまったりすると、水が浸入して故障するリスクもある。さらには、スマホ本体に防水機能があっても、充電器やケーブルまで防水というわけではない。水に濡れた状態で充電をすると感電や発火に至る危険性がある。

では、「スマホ入浴」について注意喚起はなされているのか、国民生活センターに聞いてみた。スマホ入浴について、商品テストや注意喚起はしていないが、「防塵・防水性能を示す“IP○○”は、規格に基づいた条件で試験を行った結果、問題がないことを示しています」という。

たしかに携帯電話会社のサイトやスマホの取扱説明書には、防水機能があっても海水や温泉、入浴剤の入った風呂などでの使用は注意が必要といった記載がある。

「風呂場で使用する際には、その端末にどういった使用方法が認められているのかや、注意点(使用時の注意事項や使用後の乾燥・水抜き方法など)のほか、万一の故障時の保証の取り扱いなどについて、あらかじめ取扱説明書などで確認しておく必要があるでしょう」(国民生活センター)

イマドキの浴室は快適空間に進化

実は最新の浴室は、快適性に大きな進化を遂げている。そもそも今のユニットバスは断熱性が高いので、浴室が寒くなって湯温が下がり、長くいられないということがない。

加えて、浴槽は魔法瓶のように温かさを保つものがスタンダードになっているので、湯温が下がりづらく、家族が入るたびに何度も追い焚きをしなくてもよい。また、リラックスした姿勢がとりやすい形状の浴槽や、噴出された水流で肩や腰を刺激する“肩湯”の仕組みを採り入れたものもある。

ほかに、浴室のダウンライトに調光・調色機能を付けたものもあって、さわやかな灯りからあたたかい灯りまで気分に合わせて照明をコントロールできるようになっている。

もちろん、水はけのよい床材や簡単にごみが捨てられる排水口などが普及し、毎日の掃除のしやすさも向上している。さらには、掃除機能の付いた浴槽まで登場し、風呂自身で掃除をしてくれるものまである。このように浴室がどんどん進化していることが、長風呂をしやすくしている背景にあるのかもしれない。

とはいえ、長風呂は身体が温まり、リラックス効果がある一方で、脱水や乾燥などのリスクもある。動画や映画に夢中になって、熱いお湯に長時間浸かりすぎないようにしてほしい。

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提供元:「スマホ入浴」増加、無意識の長風呂に潜むリスク|東洋経済オンライン

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