2023.09.10
人間ドックの検査内容とは?~健康診断との違いや検査結果の見方を解説~
年齢を重ね身体のあちこちが気になるという方、人間ドックを受けたことはありますか?
ほとんどの方は健康診断を毎年受けますが、人間ドックでは健康診断よりも細かく検査が可能です。
しかし実際にどのような検査を行って、何がわかるのかを知っている方はごくわずか。
そこで今回は、人間ドックの検査内容と検査結果から何がわかるのかをわかりやすく解説します。
気になる時間や費用、さらにいままでなんとなく受けていた健康診断との違いについてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
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人間ドックではどんな検査をするの?
病院によって異なりますが、人間ドックの基本検査はおおよそ以下の9つです。
これに、身長、体重をはかる身体測定と問診が加わります。
健康診断やメタボ健診との違い
健康診断やメタボ健診と人間ドックの違いは、検査項目の免除や受診の義務にあります。
人間ドックでは上記のようにさまざまな検査を行いますが、健康診断の場合は年齢や医師の判断により検査を免除できる項目があるのです。
たとえば健康診断の場合、胸部レントゲンは40歳以上の方を除き5年に1回でよいとされています。
また、人間ドックの受診に義務はありません。本人が必要だと判断して検査を申し込むため、任意の検査となります。
一方健康診断は、会社などの事業主が労働者に対して1年に1回必ず受けさせなくてはいけないのです。そして腹囲の測定をするメタボ健診(特定健診)も、生活習慣病予防の観点から40~75歳を対象に行うものになっています。
受けたほうがよい検査項目はあるのか
基本の検査内容でも十分ですが、必要に応じてオプション検査を受けると良いでしょう。
人間ドックには、基本の検査項目に加えてオプションとして脳のMRI検査や骨密度、腫瘍マーカー(※)を調べられます。
(※)腫瘍マーカーとは、正常な細胞よりがん細胞から多く分泌される物質で、がんの種類や進行状況の目印になるもの。
オプションについては、検査機器の有無で施設ごとにできる項目が変わる可能性もあるので、受診する病院で自分が受けたいと思う検査が実施されているか、事前に確認するとよいです。
何歳から人間ドックを受けられるの?
人間ドックは任意なので、受けられる年齢が決まっているわけではありません。20歳以上の成人であれば、だれでも受けられます。
ただし、人間ドックの検査費用は健康診断に比べて高額です。そのため、加入している健康保険組合によっては、人間ドックの費用補助を行っています。健康保険組合によって異なりますが、その対象は35~40歳以上とするケースが多く見られます。
男性・女性で検査内容に違いがある
人間ドックのオプション検査では、女性の場合は乳がんや子宮がん検査も追加できます。この点が、男性の検査とは大きく異なります。
さらに、腫瘍マーカーについては男性であれば前立腺がん、女性であれば卵巣がんを調べられるのです。
検査結果から何がわかるのか
検査結果の数値からは、身体のどの部分に異常があるのかがわかります。
たとえば血液検査をみると、さまざまな項目が並んでいます。
血液といえば血糖値やコレステロールなどを思い浮かべる方も多いですが、じつは血液検査の項目には肝臓や腎臓の機能についてわかる項目があるのです。
その項目を以下の表にまとめました。
この基準値よりも上回るもしくは下回る場合は、肝臓や腎臓になんらかの異常が起きていると考えられるのです。
病気の発見に役立つの?
もちろん、人間ドックの結果は病気の早期発見に役立ちます。
ただし、人間ドックの数値そのものが病気であるかどうかの判断材料にはなりません。
人間ドックの結果を受けて、要精密検査などのチェックが入った場合はさらに詳しい検査を受ける必要があります。
人間ドックの結果は、あなたの身体で起こっている不具合を発見するきっかけとして捉えるとよいでしょう。
【Q&A】人間ドックの気になるコト
ここからは、人間ドックの費用や検査する施設の選び方など、気になる点についてQ&Aでお答えします。
Q1.費用と時間はどれくらいかかるの?
A1.検査を受ける医療機関にもよりますが、費用は基本検査だけであれば3~7万円、時間は半日~1日です。
人間ドックは、基本的に医療保険が使えず全額自己負担です。
ただし先ほども触れましたが、加入している健康保険組合によっては補助が出るので、自己負担額は一律ではありません。詳しくは、ご自身が加入している健康保険組合にお問い合わせください。
また、検査にかかる時間も「日帰り」と「宿泊」によって異なります。
どちらも検査内容はほぼ同じですが、宿泊は時間にゆとりをもって検査を受けられるというメリットがあります。これについては、受診する時期のご自身のスケジュールによって選ぶとよいでしょう。
Q2.総合病院とクリニックはどちらで受けるとよいのか
A2.検査項目は基本的に大きく変わらないため、総合病院とクリニックどちらでもよいです。
自宅から近い、交通の便がよいなどご自身のお好きなところを選べます。
なお、日本人間ドック健診協会が運営するe人間ドックでは、人間ドックを受けられるお近くの医療機関が簡単に検索できます。ぜひご活用ください。
日本人間ドック健診協会 ※外部サイトに遷移します
e人間ドック ※外部サイトに遷移します
Q3.どのコースがオススメなの?
A3.初めて受ける場合は、まず基本的な検査項目のコースがオススメです。
女性は子宮がんや乳がんの定期検査が推奨されているため、これらのオプション検査をつけてもよいでしょう。
まとめ
人間ドックでは、健康診断よりも細やかな検査を受けられることから、健康への不安が募る35~40歳以上の方にオススメです。
また、女性の場合はオプションで乳がんや卵巣がん検査も行えます。
費用としては3~7万と高額ですが、加入する健康保険組合によっては補助がでる可能性もあるので、確認するとよいでしょう。
繰り返しになりますが、人間ドックは身体の不調を見つけるきっかけであり、病気と判断する場ではありません。定期的な受診が、病気の早期発見・早期治療へとつながるのです。
自分の健康を見つめ直して、年を重ねても健康な毎日を送りたい方は、人間ドックの受診を検討するとよいですね。
それでは、当記事がこれからも健康で元気な毎日を過ごすきっかけになれば幸いです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
厚生労働省
公益財団法人日本人間ドック学会
執筆者:副編集長 白石香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、シンクヘルス株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:シンクヘルス株式会社
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提供元:人間ドックの検査内容とは?~健康診断との違いや検査結果の見方を解説~|【シンクヘルスブログ|シンクヘルス株式会社】