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2023.08.18

体の動きを30年研究してわかった「究極の姿勢」|ストレッチの常識を覆す「シン柔軟法」の中身


慢性的なカラダの痛みに悩まされている人、必読です(写真:polkadot/PIXTA)

慢性的なカラダの痛みに悩まされている人、必読です(写真:polkadot/PIXTA)

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かつてないほどの暑さに見舞われているこの夏。外でストレッチやトレーニングするのは、この暑さを考えると命の危険と隣り合わせと言ってもいいのではないでしょうか。

でもご自宅で、もし外と変わらない効果が得られる方法があったら? 今回は、動作解析の専門家として30年間、トップアスリートを指導してきた夏嶋隆氏の著書『10秒でほぐす』より、これまでの柔軟やストレッチの常識を覆す「シン柔軟法」を解説します。

『10秒でほぐす』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

たどりついた、重力の影響を最小限にする姿勢

あなたの体は硬いですか? それとも柔らかいでしょうか?

そもそも、体の硬さを意識したことがない人もいるでしょう。

では、試しに前屈をしてみてください。

自分が思っていたよりも、手がスッと伸びていかなかったのではないでしょうか。

人の体は本来、とても柔軟性に富んでいます。

あなたも赤ちゃんの頃は、いまよりずっと柔らかい体だったはずです。

ではいったい、いつの間に硬くなってしまったのでしょうか。

その問いに対する答えは、「重力」です。

人は「二足歩行で直立する」という進化を遂げ、自由に手を使えるようになり、現在に至る進歩と発展を手に入れました。

しかしその代償に、重力の影響に耐えながら、頭を中心とする上半身の重みを、背骨や腰、二本の足で支えなければならなくなりました。

結果として、年齢を重ねるごとにその重さに耐えきれず、その場その場でラクに感じてしまう動き、重力の影響を受ける面積が広い姿勢をとり続け、体がゆがみ、縮んで、最終的に硬さとなってあなたの体に現れます。

5年、10年、20年……。長年、体に染みついてしまった、その間違った姿勢や動きを、簡単に直すことは容易ではありません。

ですが、たったひとつだけ方法があります。

ゆがみ、縮んだ体をもとの状態に10秒で戻し、重力の影響を最小限にする。

それがナチュラルポジションです。

人の体の構造を考えると、足の真上に骨盤があり、骨盤の真上に頭がある状態が、重力の負荷をもっとも受けにくい姿勢です。

ナチュラルポジションとは、ゆがみ、縮んだ体を、下の写真のように立つことによって、骨や筋肉をあるべき位置に瞬時に戻す姿勢のことです。

(出所:『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』)

(出所:『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』)

試しにやってみましょう。

【STEP1】

力を入れずにまっすぐ立ってください。

【STEP2】

次に、上から糸で吊られていく意識で、グーッと体を10秒かけて、自分が感じる限界のちょっと先をイメージしながら伸ばしていってください。このときにつられて肩やかかとを上げないように注意してください。

【STEP3】

最後に力を抜いて終わりです。

これであなたの体はほぐれました。

前屈をしてみると、先ほどより手がスッと下へ、下へと伸びていくはずです。

ストレッチは体が硬い人ほど負担になる

一般的に、体を柔らかくしたい、疲れやだるさをとりたい、コリや痛みをほぐしたいと思ったら、まずはストレッチや柔軟をする方が多いと思います。

ですが、これまでやってきた方法で成果はあったでしょうか?

なぜ成果がなかったのか。それは体の仕組みをよく理解しないまま、ただ「伸ばす」ということが正解であるかのように、ストレッチや柔軟を行っていたからです。

とくに体が硬くなっている人が行うと、逆に大きな負担となって、さらに体を痛める原因にもなります。

私は長年、「動作解析」という分野の研究をしてきました。

動作解析とは、人の体の使い方を観察・記録して、運動学や解剖学、物理学などの科学の面から「人体構造に合った正しい動作」を検証し、それをスポーツなどの分野に還元していく研究です。

このような研究を30年続けてきて、さまざまなトップアスリートたちの指導や、古の武術、職人と呼ばれる人たちの体裁きの研究などを通じて、たどりついたのがナチュラルポジションです。

ナチュラルポジションは、すべての基本動作の始まりであり、私たち人間にとってもっとも自然な姿勢です。

硬くなった全身をときほぐし、柔軟性のある体を取り戻すためにいちばん大切なことは、ナチュラルポジションを覚え、その形を崩さないように動くことです。

ナチュラルポジションが崩れないようにストレッチや柔軟を行おうとすると、伸ばしたり、大きく腕や足を上げたり下げたりすることができなくなります。

たとえば側屈。体を大きく横に曲げる柔軟ですが、ナチュラルポジションを意識して行うと、次の写真のように伸ばさない柔軟になります。

(出所:『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』)

(出所:『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』)

このように、ナチュラルポジションを身につければ、痛い思いやキツイ思いをしながらやっていた柔軟やストレッチをする必要がなくなります。

また、これは多くの人が勘違いしていることですが、「よい姿勢」=「胸を張ること」だと思い込んでいる場合があります。

でも、そうではありません。

胸部を前に突き出すようにして立つと、上半身に無理に力を込め腰を反らせてしまい、その姿勢を保つのに疲れを感じるだけで、体のバランスを崩してしまいます。なおかつ、この姿勢からスムーズな動き出しはできません。

ナチュラルポジションは、体のどこかに力を入れる必要はありません。

肩の力を抜いた状態で、フワッと浮き上がるイメージでまっすぐに立つ。それだけでよいのです。

原因は痛みを感じる箇所とは別にある

動作解析の研究をしていて改めて思うのは、人間の体はすべて連動しているということです。

たとえば、ボールを投げるという動作ひとつをとってみても、うまく投げられなかったときは手やその振り方に原因を求めるケースが多いですが、じつは腰の使い方だったり、足の着き方に理由があることも多々あります。

不調や痛みも同じです。

発症した場所や気になる部位とはまったく別の場所に、根本的な理由があることが多いです。

たとえば交通事故のむちうち治療に用いられる牽引治療。痛みを感じた首周りをラクにするために、首を器具で引っ張る治療ですが、一時的にはよくなるものの、またすぐに戻ってしまいます。

それは、根本原因が首ではなく背骨のズレにあるからです。事故の衝撃で背骨が蛇のように蛇行してしまうため、その蛇行した背骨をひとつずつ丁寧に、しかもいちばん痛みから遠い部位からもとに戻さないと、いつまでたっても痛みを抱えたままになるのです。

「ほぐす」も同じです。足のだるさを感じたら、ふくらはぎをマッサージやストレッチする方も多くいると思いますが、そこで得られる「ラクになった感覚」はあくまで一時のことです。

本来の「ほぐす」という行為は、「硬くなった体を一体にほぐす」ことです。

それが叶うのがナチュラルポジションなのです。

限られた時間を柔軟のために使うのか

人生100年時代と言われますが、厚生労働省の資料によると、男性の平均寿命は現在81歳、女性が87歳です。

私は65歳ですが、年換算で残り16年、月では192カ月。週では834週です。こう考えると、生きてきた時間よりも残された時間は日を追うごとに貴重になっていきます。

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『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』(アスコム) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

巷ではさまざまな柔軟法やストレッチ法が紹介されています。ですが、私から見ると、とにかくやることが多すぎる気がします。

あっちを伸ばして、今度はこっちを伸ばし、そっちを広げて、今度は曲げて……。元気な体になって快適な毎日を送ることが目標のはずなのに、元気になるための道のりがあまりにも長くて、これでは本末転倒ではないかという気がしてなりません。

私が考える柔軟とは、立つだけで体がほぐれ、歩くたびに体がほぐれ、といった、人がとる一つひとつの動作を工夫さえすれば、充分に柔軟に相当する効果が得られるというものです。

そもそも普段から理にかなった姿勢、動作で生活をすれば、体の負担は最小限になり、痛みも生まれず、怪我もしにくくなります。

一方で、可動域は広がるため脂肪の燃焼効率が上がり、太りにくくなっていくはずです。

わざわざ柔軟やストレッチのために貴重な時間を割くのではなく、普段の生活のなかでナチュラルポジションを意識して全身をリセットし、大切な時間をご自身のやりたいことのために使ってください。

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提供元:体の動きを30年研究してわかった「究極の姿勢」|東洋経済オンライン

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