メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2023.07.15

マスク解禁で「口臭テロ」気づかない人の悪習慣|「唾液たっぷりの口」になるためにやるべきこと


マスク生活で、口臭が悪化したと感じる人が少なくないようです(写真:sakura/PIXTA)

マスク生活で、口臭が悪化したと感じる人が少なくないようです(写真:sakura/PIXTA)

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、さらに夏もそろそろ本格化。マスクをとって生活している人も少なくないのではないでしょうか。しかし、マスクをとって不安なのが「口臭」。コロナ禍でマスクを着用することで、自分の口の臭いが気になりだしたという人が増えているといいます。そこで歯科医師亀井孝一朗氏の著書『歯周病になったらどうする?』のなかから、一部抜粋・再編集して、気になる口臭の防ぎ方を紹介します。

『歯周病になったらどうする?』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

マスク生活で口臭が悪化?

マスクをし続けてきたことによって、口臭が強くなったという人も少なくないように感じています。

L8020協議会というところが行った「マスク着用による口腔内環境に関する意識調査」によると、4割以上の方が「マスクを着用してから口臭が悪化した」と答えています。

いろいろと原因はあると思いますが、マスクをし続けることの息苦しさから、口呼吸になっている人が増えたことが、原因と考えられます。

口呼吸は鼻呼吸よりも口内が乾燥しやすく、口の中の細菌が増殖し、衛生状態が悪化するため、口臭が増すのです。

においによって不快な思いをさせる「スメハラ(スメル・ハラスメント)」という言葉も、最近では聞かれるようになりました。

口臭は生まれ持った体質による場合もありますから、その言葉自体がいいかどうかはわかりませんが、「におい」はハラスメントと認識されるほど耐え難いものであり、人の印象や人間関係に大きく影響することを表しています。

ここでみなさん、一度、自分の口臭をチェックしてみましょう。

手を洗い、舌の上や歯と歯ぐきの溝部分などを指で触り、唾液のにおいをかいでみてください。口のなかに手を入れるのに抵抗がある人は、ビニール袋に息を吹きかけ、それをかいでみるというのもいいでしょう。いかがでしたか? それが、いまのあなたの口のなかのにおいなのです。

口臭の原因は、ニンニクなどの食べ物やお酒、タバコなどもありますが、これはあくまでも一時的なものです。

また、病気に由来する口臭は呼吸器系、消化器系、糖尿病、肝臓疾患など多様ですが、体の異変による口臭はほとんどの場合、「口のなか」に原因があります。歯磨き不足の歯や、舌の表面に口腔内細菌が増殖することで口臭を発するほか、ストレスなどで唾液の量が減った場合も前述したように口が乾くことによって、細菌が増殖してにおいます。

ただし、これらは、セルフケアで解決できる可能性があります。

歯科クリニックでのケアを必要とし、しかも圧倒的な臭気を発する口臭の原因は歯周病です。

口臭のもとは、プロが取り除く

歯周病による口臭は、歯周ポケット内のプラークという細菌のかたまりに原因があるため、セルフケアでは落としきれません。

歯科クリニックでのプロフェッショナルケアを必要とします。

歯周病菌が放つ悪臭は「メチルメルカプタン」という物質に由来します。メチルメルカプタンの特徴は「野菜の腐ったようなにおい」ですが、もう少しリアルな言い方をすれば、「排せつ臭」「生ゴミ臭」です。とにかく、悪臭が強いことが特徴です。

これに加えて、舌の表面にたまった舌苔(ぜったい)が発する硫化水素のにおいや、肝臓疾患などに由来する「ジメチルサルファイド」などさまざまな悪臭が混ざり合えば、「ドブ臭い」とでもいいたくなる悪臭を発することになります。

基礎疾患に由来する口臭は、すぐにはどうにもならないので致し方ありません。

しかし、治療を受ければ解決できる可能性のある歯周病由来のにおいは、近くの歯科クリニックを受信してすぐに解決するべきでしょう。

また、この歯周病を防ぐには、歯科クリニックでのプロフェッショナルケアとともに、セルフケアがとても大事です。

歯周病を進行しにくくしたり予防したりするための体質づくりに必要なのが、つねに唾液たっぷりで潤った口になることです。

口が乾くことで、唾液で口の中の細菌を洗い流す作業が少なくなり、口の中の細菌が増えて、歯周病や虫歯が進行するからです。

また、歯周病にかかわらず、唾液を出すことは、口臭予防にも非常に効果があります。口が乾くと、口臭を引き起こす嫌気性菌が活発に活動しますので、唾液で口を潤すことは「口臭テロ」を引き起こさないためにも、とても大切になります。

口臭を防ぐための4つの習慣

では、唾液たっぷりの口になるためにはどうすればいいのか。そのための習慣を紹介しましょう。

●水分補給

体の水分が不足すると、唾液の分泌量も減少します。いたって単純なことに思えますが、口内が乾燥する意外と多い原因といえます。成人は汗、呼吸、尿、便によって1日に平均で約2.4リットルの水分を失うとされます。
体内の水分の平衡を保つには、活動レベルが低い人で1日に2.3〜2.5リットル、活動レベルが高い人で3.3〜3.5リットルを飲料や食事から摂取する必要があるといわれています。

また、水分のみの補給の目安では、平均で1日1.5リットルが最低限として必要です。

●キシリトールガムを噛む

噛むという行為によって唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促すことができます。お手軽な行為としては、ガムを嚙むことが効果的。

ただし、市販のガムばかりを嚙むと糖質が虫歯のもととなるため、歯科医としては歯科クリニックで販売されているようなキシリトール100%配合のガムで虫歯予防を併せて行ってほしいところです。

●食事の咀嚼回数を増やす

咀嚼は唾液の分泌を促しますから、食事の際の噛む回数も意識的に増やしましょう。

唾液には酸を中和する効果があり、食べ物の酸を中和して虫歯を予防してくれます。また、咀嚼回数を増やせば、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを予防することもできます。

●唾液腺マッサージ

唾液腺を手で直接刺激することで、唾液の分泌を促すマッサージです。

唾液腺は舌の下、顎の下、耳の下がそれぞれ左右で対になって6カ所存在します。舌下腺と顎下腺は親指で、耳下腺は手のひらでマッサージしてみましょう。唾液が絞り出される感じがわかるはずです。

次から紹介する3つのマッサージで、唾液をたっぷり出すことが、歯周病、口臭、虫歯予防に大きくつながっていきます。

●耳下腺マッサージ

手のひらで上の奥歯の周辺を後ろから前に向かって10回ほどぐるぐるマッサージしてみてください。

●顎下腺マッサージ

顎の骨の内側の左右のやわらかい部分を耳の下から顎の先までの5カ所を、親指の腹で1カ所5回ほどぐっと押してください。

●舌下線マッサージ

顎の先のとがった部分の内側を真下から舌を押し上げる感覚で10回ほどゆっくり押し当てましょう。

ストレスが口臭の原因に?

また、ストレスも、口臭に大きく影響します。なぜなら、緊張やイライラを感じると喉が渇くと思いますが、ストレス過多になると、唾液の分泌量が減ってしまうのです。

記事画像

『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』(アスコム) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

プラークも乾燥によって硬化し、歯磨きでは落としにくい悪玉菌の巣窟が生まれてしまいかねないので、ひどい口臭の原因ともなる歯周病の原因にもなりかねません。

これだけのストレス社会ですから、ストレスそのものを感じることは仕方がないことです。そこで大切なのは、「ストレスを引きずらない」ことではないでしょうか。

日中は可能な限りひと息つく時間を持つように心がけて、夕方以降は、軽い運動やストレッチを行ったり、マッサージにかかったりするのもいいでしょう。また、お風呂やサウナで心と体をリフレッシュするのもいいと思います。

ある意味、口臭の悪化は、ストレス過多な生活の現れともいえます。口臭が最近きつくなったなという方は、ストレスフルな生活を送っていないか、自分の生活を一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

獣医も実践「猫にかまれたら」急いですべきこと

よく響くいい声が出せる「のど・口・鼻」の使い方

性感染症「梅毒」がコロナ禍の日本で広がるなぜ

提供元:マスク解禁で「口臭テロ」気づかない人の悪習慣|マスク解禁で「口臭テロ」気づかない人の悪習慣

おすすめコンテンツ

関連記事

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

【新連載】国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖|新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

「歳をとれば脳の働きは弱まる」と思う人の大誤解|新しい情報を入れれば一生に渡り変化し続ける

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

カロリー削れば太らないと頑張る人を裏切る真実|エネルギーが過剰だから体脂肪が蓄積するのではない

戻る