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2023.06.21

糖尿病の自己管理を楽にするセルフモニタリング~ストレスを観察しよう~


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当記事を監修した専門家:臨床心理師・公認心理士 石倉美希、編集長 森下りの(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します

糖尿病の治療をしていく上で欠かせない自己管理。食事や血糖値など、管理すべき項目がたくさんあるため「管理すること自体がストレスだ」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

実はそうしたストレスによって、さらに糖尿病のコントロールがうまくいかなくなる悪循環にはまってしまう危険があります。

そこで今回はストレスを観察する方法「セルフモニタリング」によって、糖尿病治療の自己管理を少しでも楽にしていくヒントをお伝えいたします。ぜひ最後までご覧ください。

糖尿病の自己管理ってなに?

糖尿病の自己管理とは、食事や運動、服薬などをコントロールし、血糖値を安定させていくことです。糖尿病治療ガイド2022-2023では、糖尿病治療の目標として「糖尿病のない人と変わらない寿命とQOL」が掲げられています。

糖尿病は適切に自己管理をしていくと、合併症の予防や進行を緩やかにできるといわれています。

糖尿病の合併症について詳しくはこちら ※外部サイトに遷移します

管理すべき項目

糖尿病の方が管理すべき主な項目は以下の通りです。どれも重要な項目ではありますが、どの点を重視していくかは主治医とよく相談して決めましょう。

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よく使われているツール

管理する項目が多くなると、その一つひとつを覚えておくのは大変なため、記録を付けている方も多いでしょう。記録するためのツールにも色々あり、それぞれに長所・短所があります。

・ノートなどアナログなツール

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・アプリなどのデジタルなツール

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各ツールの長所を活かし、場面に応じて使い分けるのもオススメです。自分にあった記録方法を見つけると、管理も楽になりますよ。

自己管理を楽にする鍵はストレスに向き合うこと

糖尿病のコントロールで重視するべきは血糖値を始めとした身体的指標ですが、自己管理を少しでも楽にしたいという場合にはストレスにも着目してみましょう。

身体的指標の記録と同様にストレスについても記録を付けて観察すると、自分の心の動きやそれに伴う行動のクセを見つけられます。

そうした自分の心や体の変化について観察することを心理学では「セルフモニタリング」といいます。

ストレスをセルフモニタリングする方法

セルフモニタリングをするには、以下の4項目に分けて整理するのがオススメです。

書き出すことで、自分のストレスや心身の変化が視覚的にわかりやすくなります。

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・イライラをセルフモニタリングしてみましょう

例として、仕事場面でのストレスを整理していきます。

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書き出した内容をチェックするポイントはイライラやがっかりなどの気分に伴って「考えたこと」や「行動」です。

「自分がもっと準備をしていたら…」という考えは責任感の強さでもありますが、やむを得ない事情もあったかもしれません。「うまくいかなかったのは自分の責任」と考え過ぎる思考パターンとなっていないかセルフモニタリングで見つけられるとよいですね。

また、ストレスから「ランチでやけ食い」という行動パターンにも注目してみましょう。いつもは食事に気を使っているにもかかわらず、食べることをストレス解消の手段にしてしまっている可能性があります。

このように、ストレスをセルフモニタリングしていくと、どんな時にどんなことを考え、行動しているかを認識できるようになります。

そしてそのパターンが分かると「いつもの悪い流れだな」と気づき、違うストレス対処行動をしてみるきっかけになるでしょう。

ストレスのセルフモニタリングを通して、糖尿病のコントロールに関する悪循環も発見できたら、自己管理しやすくなりますね。

自己管理がうまくいかない原因は「やる気」だけではない

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糖尿病の自己管理がうまくいかない背景には本人のやる気だけではなく、環境が整っていないことや周りのサポート不足も関係しています。

糖尿病は生活習慣の影響を受けやすい疾患です。そのため、周りから自己管理の必要性を強く求められてうんざりとしてしまったり、「自分の努力不足だ」と自己嫌悪に陥ってしまったりするかもしれません。

しかし、自己管理がうまくいく要因には大きく2つの要因があるといわれています。

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「がんばろう!」という気持ちだけでなく、周囲の理解を得て自己管理がしやすくなるように環境を整え、自己管理の方法を具体的にサポートしてくれる人やツールを活用するのが重要です。

まとめ

糖尿病の自己管理を楽にするには、自分にあった記録方法を見つけることと、ストレスのセルフモニタリングを行うことが重要です。

セルフモニタリングで自己管理がうまくいかない原因や自分の考え、行動のパターンを見つけると、ストレスを減らすだけでなく糖尿病のコントロールも楽になります。

また、自己管理は「やる気」の問題だけではありません。続けやすくするために環境を整え、身の回りのサポートを活用していきましょう。

糖尿病の自己管理は大変ですが、当記事を参考にストレスをセルフモニタリングしていただけるとうれしいです。

【参考文献】

・一般社団法人日本糖尿病学会(2022):糖尿病治療ガイド2022-2023,文光堂
・伊藤絵美(2020):セルフケアの道具箱,晶文社
・西尾育子(2017):成人期2型糖尿病患者のセルフケア促進因子に関する研究
・日本糖尿病教育・看護学会誌,21(1),19-27

監修:編集長 森下りの

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名古屋大学医学部保健学科看護学専攻卒業。在学中はヘルスケア領域の知識や経験ををグローバルな視点で深めるために、リーズ大学(イギリス)への長期留学や、エリザベス病院(タンザニア )でのインターンシップなどを経験。卒業後は、看護師として疾患知識やコニュニケーション力を培う。医療業界のIT化遅れへの危機感や、疾病予防には個人の主体的な行動が不可欠と感じ、H2株式会社に入社し、マーケティングと広報を担当。 看護師、保健師、メンタル心理カウンセラーの資格を保有。

執筆者:臨床心理士・公認心理師 石倉美希

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早稲田大学人間科学部卒業、東京家政大学大学院人間生活学総合研究科臨床心理学専攻修了。在学中に認知行動療法や健康心理学を学び、糖尿病患者が抱える不安や食行動変容について研究。卒業後は医療機関にて臨床心理業務に従事し、主に働く人のメンタルヘルスのサポートを担う。「心身の健康を通じてその人らしい生き方をサポートしたい」という思いからH2株式会社に入社。臨床心理士、公認心理師の資格を保有。

記事提供:シンクヘルス株式会社

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提供元:糖尿病の自己管理を楽にするセルフモニタリング~ストレスを観察しよう~|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】

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