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2023.02.24

話し始めた途端「イライラされる人」共通の話し方|無意識のうちに相手の時間を奪っていませんか


(写真:takeuchi masato/PIXTA)

(写真:takeuchi masato/PIXTA)

もしかして自分って「コミュ障」なの? と不安になるほどコミュニケーションが苦手な人でも、大丈夫。7つのポイントをマスターすれば、みるみる伝わる話し方を身につけることができます。本稿は『「コミュ障」でもしっかり伝わる話し方』より、話し方のプロ中のプロ、桐生稔氏による「しっかり伝わる話し方」を伝授します。

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相手の時間を「大切」にできていますか

有名な話をします。あなたの銀行口座に毎日8万6400円が振り込まれるとします。これは貯金ができません。1日経つとなくなってしまいます。ほとんどの人は、その日のうちに全力で使い切ろうとしますよね。

これ、何の話だと思いますか? そう「時間」です。1日は8万6400秒です。「カチ、カチ、カチ」と8万6400回鳴ったら1日が終了します。家なら建て替えることができます。車だって古くなれば新しいものを購入できます。でも、時間はそうはいきません。同じ時は二度と戻ってこないのです。そして、いつ尽きるかもわかりません。まさに、「Time is Life」。時間は命なのです。

さて、あなたの目の前に、あなたの時間を大切にしない人が現れたとしましょう。例えば、

・あなたが全く興味ない話を延々と話し続ける人
・「今朝、お客様から電話がありまして、〇X△……」。いったい何の話? と突っ込みたくなるような話をする人
・「このデザインどう思う?」と聞いたのに、デザインとはまったく関係ない感想を述べてくる人
・会議で中身のない話を演説する人

そのときも、あなたの時間は「カチ、カチ、カチ……」と減っています。
あなたは、あなたの時間を大切に扱わない人とは、人間関係を築きたいと思わないはずです。

そして、それは相手も一緒です。だからこそこれを一番にお伝えします。「相手の時間を大切にする」。これは伝わる話し方を体得する上での前提です。相手の時間を大切にすると言うのは簡単ですが、実際はそう簡単ではありません。なぜなら、その時間が有意義だったか、無駄だったか、決めるのは相手だからです。

でも、安心してください。確かに相手が決めることですが、相手の時間を念頭に置くことはできます。つまり、「あなたの時間を大切に扱っていますよ」と相手に示すことです。

例えば、
「5分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「17時終了を予定しておりますが、お時間は大丈夫でしょうか?」
と、相手の時間の都合を確認すること。
「この後もスケジュールがつまっていますよね。3分くらいで手短にお伝えしますね」
と、相手の時間を気づかうこと。このようなことはできている人が多いかもしれません。

「相手の時間を大切にしない人」は嫌われる

では、こんなケースはどうでしょう。ミーティングで、「残り15分となりましたが、今日はこれだけは決めておきましょう」と、途中、時間を確認する人はどのくらいいるでしょうか? あまりいないかもしれません。ミーティングの時間が延びれば、相手の予定を崩すことになります。これは相手の時間を念頭に置いていない行為です。

念頭に置いていれば、何かを発表する際も、「今日は10分、お時間をいただきました。貴重なお時間をいただきましたので、早速本題から入ります」と、冒頭で相手の時間を大切にしていることを示すこともできます。

これが相手の時間を踏まえるということです。予定変更をしょっちゅうする人、遅刻する人、納期を守らない人は、本当に嫌われます。相手の時間を念頭に置いていないからです。相手からすれば、ぞんざいに扱われたと感じ、その人の信頼は失墜します。

「Time is Life」。時間は命だとすれば、この世でもっとも喜ばれるのは相手の時間を大切にする人です。それは思うだけでは相手に伝わりません。大事なことは示すこと。具体策は、
「〇分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「この後のご予定はいかがでしょうか?」
「残り〇分となりましたので……」
と、相手の時間を口にすることです。

この前提を踏まえた上で、ここから「簡潔に伝える」技術をお伝えします。

「何が言いたいの?」「結論は?」と、相手をイライラさせてしまった経験はありませんか? 私はたくさんありました。まさに20代の頃です。

私:「すみません。ちゃんとメールを送付したつもりだったのですが、メールに添付資料がついていなかったみたいで、再度送ろうと思ったのですが……」
上司:「桐生、結論から」
私「ああ、はい……。えーと、資料をお送りしたいのですが、データが古いようでして……」
上司:「桐生、結論から」
私「はい……。すみません……。最新の資料をいただいてもよろしいでしょうか?」
上司:「了解」

こんなやりとりがしょっちゅうでした。整骨院に行ったときも、「重いものを持ったときに左手の小指が痺れまして、そちらをかばっていたら今度は首の右側が痛くなりまして、シップを貼っても……」結局何? みたいな顔をされたことが何度もあります。そんな私が、ビジネススクールを立ち上げ、全国で伝わる話し方セミナーを開催し、話し方の専門書を10冊も書いているので、人生はどう転ぶかわかりません。

なぜ結論から話せないのか?

すべてにおいて、結論から話すことが正解だとは思っていません。しかし、ビジネスシーンでは、相手が結論から求めていることが多いのも事実です。では、なぜ結論から話せないのか?その理由は単純明快です。訓練していないからです。

人間の脳は、時系列で話すことに慣れています。小学校の日記を思い出してください。朝〇〇して、昼〇〇して、夜〇〇しました、と、時系列で書いたほうが簡単に書けます。物語の「起承転結」も、起→結の順番で、時系列で語られます。そのほうが楽だし、深く考えなくても済みます。だから何にも訓練していない人が、いきなり結論から話そうとすること自体、無理があるのです。

さて、ここからが具体策です。もしあなたが、「1つのことに特化すると異常な強さを発揮する」タイプでしたら、1つだけ特化してほしいことがあります。結論から話すために、特化すること。それは、「冒頭3秒で切る」です。

何かを話すとき、冒頭は3秒で切ると決める。例えば、「商談の結果、どうだった?」と聞かれた場合。「先方は当社の製品を非常に喜んでくれておりまして、本日は契約をいただけなかったのですが、ぜひ前向きに検討したいということで……」。

これ、もし冒頭3秒で切るなら、「先方は当社の製品を非常に喜んでくれておりまして。」ここで話を終える人はいませんよね。「『おりまして。』で、なんなの?」となるからです。冒頭3秒で切るなら、「契約はいただけませんでした。」ですね。「商談の結果、どうだった?」と聞かれていますから。3秒しかなければこれが結論になります。詳細を語るのはその後です。

「いまの発表を聞いて、〇〇さんはどう思いましたか?」と突然コメントを求められたら?「そうですねー。とっても明るくて、声もハキハキされていて、すごく聞き取りやすくて、聞いていて元気をいただきまして……」。ハイ、ストップ。これも冒頭3秒で切りましょう。「とっても元気をいただきました」。となります。

具合が悪い報告をするときも3秒で

具合の悪い報告をするときも、「すみません。企画書の内容は確認したつもりなのですが、資料に間違いがあったようで、お客様に送付した後に気づきまして、一応お客様には連絡を入れたのですが……」。ハイ、冒頭3秒で切りましょう。「すみません。ミスをしました」。これが結論です。

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人間の能力は凄いもので、「冒頭は3秒で切る」と決めると、そこに結論を入れようとします。当スクールの受講生に、「本日セミナーにお申込みいただいたきっかけはなんですか?」と尋ねると、「銀行に勤めておりまして、融資担当をしているのですが、地域を回るときに商品説明がうまくいかなくて、どうしても話が長くなってしまうので……」と話してくれます。これを「冒頭3秒で切ってみましょう」と言うと、「5分で商品が説明できるようになりたいです」と結論が最初に出てくるようになります。

当スクールのセミナーでは、
・消費税は上げるべきか下げるべきか
・日本は移民を受け入れるべきか否か
・小学校における英語教育は必要か否か
・中学校にスマートフォンを持ち込んでもよいか

ーーなど、答えるのが難しいテーマについて、あえて3秒で答えてもらいます。4、5回チャレンジすると、「私は〇〇だと思います。」と、冒頭からピシッと結論が出てくるようになります。結論を言った後に、根拠を説明してもらっています。むしろ、結論を言った後に根拠を考えるくらいでちょうどいいです。

「こんなこと言ってもいいのかな……」「否定されたらどうしよう……」と躊躇する人は、発言の数が減るので腕が上がりません。大事なのは場数です。大丈夫です。スパスパ結論から話せる人なんて、極稀です。10人のうち1人いるかいないかです。

結論から話そうと努力しているだけでも、あなたの希少価値はグンと高まります。なぜなら「冒頭は3秒で切る」なんて意識して、話している人はほとんどいないからです。結論の精度を求めてはいけません。まずは場数を踏むことに拘り、何度も「冒頭3秒」にチャレンジしてみること。何度かチャレンジしているうちに

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提供元:話し始めた途端「イライラされる人」共通の話し方|東洋経済オンライン

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