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2023.02.06

話してすぐバレる「伝えるのが下手な人」の3大特徴|熱意、正論はプレゼンでは何の役にも立たない


伝え下手な人に共通する、3つの特徴を紹介します(写真:jessie/PIXTA)

伝え下手な人に共通する、3つの特徴を紹介します(写真:jessie/PIXTA)

「商談や会議の場で、どんなに真剣に訴えても相手の気持ちを動かすことができない。プライベートでも、人付き合いが得意じゃない……そんな悩みを抱える“伝え下手”な人にとって、既存のハウツー本やセミナーは『実践するにはハードルが高すぎる』ものがほとんどでした」

そう語るのは、PR戦略コンサルタントの下矢一良さん。テレビ東京で、『ワールドビジネスサテライト』『ガイアの夜明け』の制作に経済部キャップとして関わり、スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、前澤友作、孫正義など500を超す超一流のビジネスパーソンと直接対話した経験を持つ人物です。彼らとの対話を通じて、下矢さんは「伝え下手な人が、うまく伝える法則」を体系化。「ストーリー」「資料」「体当たり」という、たった3つの要素から成るシンプルなプレゼン術です。

本記事では下矢さんの新著『巻込み力 国内外の超一流500人以上から学んだ必ず人を動かす伝え方』より一部抜粋・再構成。「伝え下手な人に共通する、3つの特徴」というテーマでお届けします。

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伝え下手の特徴(1)「頑張っていれば、いつか伝わる!」と信じている

「熱意や誠意を込めて頑張っていれば、いつか伝わる!」という言葉の裏には、ある種の「期待」が潜んでいます。それは、「上司や取引先など自分を評価する人は、自分のことをしっかり正しく見てくれている」という「期待」。ですが、こうした期待はたいていの場合、はかなく裏切られます。

部下にとっては、直属の上司はたいがい1人。上司は気になる存在ですから、日々の業務の中でその動きを逐一観察することもあるでしょう。

ですが上司からすると、部下が6人いたら、1人は全体の6分の1の存在にすぎません。注意力はどうしても分散してしまいます。お互いにとっての「重さ」が、上司と部下ではそもそも同じではないのです。

しかも上司は「部下のことをだけを見ていればよい」というわけではありません。上司にもまた、上司が存在します。上司自身も部下と同じく、自分の上司のほうに関心が行きがちです。つまり、部下1人に割ける注意力は、それほど多くはないのです。

身近にいるはずの会社の上司ですらそうなのですから、社外の取引先などはもっと気にかけてはくれないでしょう。

「頑張っていれば、いつか伝わるはず」。確かに「頑張っていれば、いつかわかってくれる」ことも世の中にはあるかもしれません。ですが、それはとてつもない幸運に期待するか、かなりの長い時間待ち続けるしかありません。また、これは評価する立場の人間が部下の行動をきめ細かく見てくれていることが前提となりますが、1人ひとりのことまで気にしてはいられないのが現実です。

あなた自身のことが伝わりにくい、もう1つの理由があります。それは人は自分の記憶を美化しがちだということ。「評価する人」もまたその例外ではありません。「自分は若い頃、すごく頑張っていた」と、過去の努力を実際よりも過大に評価してしまいがちです。

評価する際には、どうしても「評価される人」を「過去の自分」と比べてしまいます。しかも評価基準が「美化された過去の自分」。その結果、「評価される人」は「自分の全盛期よりも成果を出していない」という理由で、実際よりも過小評価されてしまうものなのです。

伝え下手の特徴(2) 「正論が勝つ」と信じている

「正しいことを言っているのに、なんでちゃんと伝わらないのか」

これも「伝え下手」の人が犯しがちな思い込みの1つです。この言葉にも、前項同様にある「期待」が潜んでいます。それは「評価する立場にあるほどの人は正しい判断ができる」という「期待」。

しかし、上司や取引先などの「評価する人」も当然ですが、人間です。つねに正しい判断ができるわけではありません。

私が初めて課長になったときのことです。その当時、私には部下が6人いました。6人の部下がどのような仕事をしているか。当然、担当業務は知っています。ですが、日々の細かい活動までは、とても把握できるものではありません。メールの宛て先に入れられていることも多いのですが、メールは1日に100通以上来ます。とても、1通ずつ丁寧に読んでいられません。部下の行動を知る機会といえば、定例の会議や1対1の個別面談の場となります。そういった機会に「まとめて」活動報告を受けるのです。

私が「ヒラ社員」だった頃は、仕事終わりに同僚たちと連れ立って、居酒屋へと向かいます。酒も入って盛り上がるのは、たいてい上司の話題です。

「なぜ、あそこで正しい判断ができないのか」

「なんで、あんなに人を見る目がないのか」

正直なところ、こうした「悪口」の類も少なくはありませんでした。上司には、なぜか自分自身のことは棚にあげ、一方的に「絶対的な正しさ」や「圧倒的に高い能力」を求めてしまっていたのです。

ですが自分が初めて管理職になって、当たり前のことに気がつきました。「上司も1人の悩める人間」なのだ、と。すべてを見通す眼を期待するほうが無理なのです。

ギネスブックに「世界で最も売れた男性グループ」として認定されている、かのビートルズですら、大手音楽会社のオーディションで「不合格」の烙印を押されたことがあるのです。ビートルズほどの才能があっても、最初はプロから認められず価値に気づかれなかったのです。

人は誰しも自分の考えを「正論」だと思っている

さらに厄介な問題があります。それは「評価される人」も「評価する人」も、両方が自分の考えを「正論」だと思っているということです。

「正論」と「正論」が戦うと、どうなるか。これは圧倒的に「評価される人」のほうが不利な戦いです。

なぜ、「圧倒的に不利」といえるのでしょうか。それは自分の考えが正しいことを証明しなければならないのは、いつも「評価される人」のほうだからです。

「どうしてそう思うのか」

「根拠は何か」

「データはあるのか」

立場が圧倒的に強いのは「評価する人」。立場の強さを生かして、相手の「正論」を打ち砕くため、ひたすら質問を投げ掛けることができます。

「評価される人」はその果てしない質問を受け続け、延々と答え続けなくてはなりません。1つでも言いよどんだら、そこに付け込まれてしまいます。そもそも最初から勝てる勝負ではないのです。

それでも「完璧な理論武装」によって、「評価する人」を「論破」できたとします。「論破」された相手は「自分にはなかった視点だ。部下ながら、いいことを教えてくれた」などと、感心してくれるでしょうか。

もちろん、そう感謝してくれる「立派な上司」もいるでしょう。ですが、圧倒的多数の「評価する人」は異なる感情を抱くはずです。それは「自分は言い負かされた」という、敗北感です。

幕末の志士・坂本龍馬は「俺は議論はしない。議論に勝っても人の生き方は変えられぬ」と語っていたそうです。もし議論に勝ったとしても、相手の名誉を奪うだけ。人間は議論に負けても自分の所論や生き方は変えないものだし、負けたあとに抱く感情は恨みだけだからだそうです。

「正論」で相手を言い負かすことは、その場はすっきりとして気分がいいかもしれません。ですが、得になることは何もないのです。

伝え下手の特徴(3) 判断を下すのに時間がかかる

就職・転職の際の面接、社内プレゼン、大きな商談など、人生には数々の勝負どころがあります。こうした勝負どころの「本番」に弱いことも、「伝え下手」な人に共通する特徴です。「本番」では、思っていることの半分も表現できないのです。

私自身も実は、極端に「本番」に弱い人間です。

入試のときも「本命」の受験時は緊張のあまり、何を書いたのかもよく覚えていません。試験の終了間際に慌ててしまい、消しゴムで答案用紙を破ってしまったこともあります。ところがプレッシャーのかからない「第2志望」の学校になると、驚くほど冷静になれるのです。

就職活動でも同じでした。第1志望の会社に、最初は「素の自分」で勝負しようとしました。ところが、いざ面接となると、少し難しい質問をされるだけで頭が真っ白に。何も言えなくなってしまうのです。無理して饒舌(じょうぜつ)に語ると、つい調子に乗って「余計な一言」を口にしてしまうこともありました。

私が「本番に弱い」のは入試や面接といった、人生の重要事に限りません。スマートフォンのゲームですら「記録更新」がかかった場面となると、浮き足立ってしまい普段はしないようなミスをしてしまうほどです。

そんな私ですが、テレビ東京で番組をつくるようになって職場の先輩や同僚たちを見て、ふと気がついたことがあります。それは、人には「瞬発力型」と「熟考型」の2つのタイプがあるということ。

「瞬発力型」の典型はスポーツ中継です。「スポーツはシナリオのないドラマ」といわれます。中継を担当する番組制作者はあらゆる事態に備え、しかも瞬時に対応しなくてはなりません。選手の動きに合わせて、一瞬でカメラを切り替えるなどの判断を下さなくてはなりません。じっくり考えている時間など、まったくありません。まさに「瞬発力」が勝負の世界です。

「熟考型」のほうは、ドキュメンタリー番組の製作です。撮影した映像をどのような構成で編集し、どのようなナレーションをつけるか。長い時間をかけて考え抜きます。

周りの番組製作者を見ていると、たいていは得意分野がどちらか一方だけだったように見えました。もちろん「どちらも得意」という「スーパーマン」のようなタイプもいました。ですが、それはごく一部。私はまさに「熟考型」でした。逆に瞬発力が求められる生中継の対応などは、本当に苦手です。

たいてい、本番で必要となるのは「瞬発力」のほう。その場でじっくり考える余裕など、与えられないからです。

私には「本番に弱い人」の多くが、「瞬発力型」ではなく「熟考型」に見えます。反射的な対応が苦手で、つい本番で失敗してしまうのです。伝え下手な人にとって本番で勝負するということは、「自分の苦手な特性を頼りに勝負する」ことにほかならないのです。

「伝え下手」が「伝え上手」に変わるための3つの技術

なぜ、あなたの能力や努力、想いがうまく伝わらないのか、その原因を見てきました。「伝え下手で損をしている状態」を脱するためには、この3つの原因をすべて潰していかなくてはなりません。

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まずは「頑張っていれば、いつか伝わる」という「待ちの姿勢」では、決して伝わらないことを述べてきました。つまり、自分から積極的に「攻めの姿勢」で伝えなくてはいけないということです。

しかも伝えるべきは、自分が「正論」と信じている内容ではありません。「正論」を唱えても、誰も味方になってはくれないからです。「正論」とは「異なる内容」を伝えなくてはなりません。

さらに「熟考型」は、その人の根本的な性質に起因しています。ちょっとした工夫で改善するようなものではありません。ですから「瞬発力型」に無理に近づこうとするのではなく、「熟考型」はそもそも「本番」で勝負してはならないのです。

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提供元:話してすぐバレる「伝えるのが下手な人」の3大特徴|東洋経済オンライン

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