2023.01.16
ネガティブ思考のループから抜け出す納得の方法|自動的な思考の流れを意図的に断ち切る
過ぎたことをいつまでも悔やんでしまう。まだ先の未来を不安に思う……。そんなネガティブな性格を変えたいと願う人も多いことでしょう。理学療法士の大橋しん氏は「ネガティブをポジティブに変えるのは難しい。しかし、ネガティブな思考の流れを断ち切ることはできる。これを繰り返していけば、性格を変えていくことも可能だ」と言います。『すごい自然体に読むだけでなれる4コママンガ』を上梓した大橋氏が解説します。
『すごい自然体に読むだけでなれる4コママンガ』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
ネガティブ思考は、即中断しよう
人の思考パターンは、過去の「反応」や「緊張」の蓄積によって、ほぼ決まっています。そのパターンからみられる傾向が、その人の「性格」といわれたりします。
同じ不安や後悔を、何度も何度もリピートしてしまいがちなのは、このためです。ネガティブな思考をやめようと思っても、簡単にやめられるものではありません。
では、どうすればいいのでしょうか。ネガティブ思考が始まったら、五感や呼吸に注意を向けてみましょう。そこに風は吹いていますか? 光が差し込んでいますか? どんな匂いや音がしていますか? 足やお尻で地面を感じられていますか?
もちろん野外のほうが、風の強弱も、光の加減も、匂いも音も感じやすいのは当然です。でも、室内であっても、それらは必ずあります。なければ「感じられないなぁ」と感じるだけで大丈夫です。
そのようにして、五感や呼吸に注意を向けると、その瞬間、不安や後悔をリピートする思考の流れは断ち切られます。そこまでではなくとも、思考の流れが遅くなっていくのは感じられるはずです。
もしあなたが、「自分の性格を変えたい」と思っているなら、それを可能にする方法はただ一つ。自動的な思考の流れを、意図的に断ち切っていくことです。
たとえば仕事で何か失敗をしてしまったとしましょう。「また失敗してしまった……」「そういえば昨日も失敗したな……」「私はダメな人間だ……」「もう会社辞めたい……」と展開していきます。本来は会社を辞める必要はないはずですが、その人がネガティブな思考パターンを持っていた場合、思考の自動展開を止められず、こうした極端な結論に達してしまいかねません。
自分を苦しめる思考が始まったら、五感や感覚に注意を向けましょう。思考の自動展開を止めるチャンスが生まれます。失敗してガッカリしても、そこからネガティブな方向に思考を展開させず、「また次頑張ろう」と思いなおすことだってできるのです。
ネガティブな考えをポジティブに変換していくのが難しいのは、みなさんもご承知の通りです。でも、ネガティブな考えを今ここで断ち切ることは、できます。思考の自動展開を断ち切っていくこと。これを繰り返すことで、長年の思考パターンの積み重ねである性格を、変えていくことができるのです。
思考から一歩出れば、この世界は美しい
心が落ち込んでいるとき、何もかも嫌だと感じているとき……。ほぼ間違いなく、思考の中に閉じこもってしまっています。ぐるぐると回る不安や後悔が、心身の緊張を招き、そこから抜け出せなくなってしまっているのです。
実はこのとき、見る、聞く、感じるなどの感覚をシャットアウトしてしまっています。心も体もかたく閉ざしてしまっているので、人の話もうわのそら、文章を読んでいても頭に入ってこない、味も匂いもよくわからない……あなたも身に覚えがあるのではないでしょうか。
そこから抜け出すには、やはり五感をひらいていくことです。
目、耳、鼻、口(舌)、皮膚……五感をひらいていくほど、思考は静かになっていきます。息が入っていき、息が出ていく様子に注意を向けるのもよいでしょう。
『すごい自然体に読むだけでなれる4コママンガ』(飛鳥新社) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
すると、心も体もひらいていき、軽やかで楽しい気分になってきます。くすんでいた世界が、色鮮やかで生き生きとしたものに、見えてくるかもしれません。
「気分が落ち込んでいるな……」と気づいたら、それは思考の中に閉じこもっているサインです。五感を意識的に開いていくと、そこから抜け出すことができます。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
提供元:ネガティブ思考のループから抜け出す納得の方法|東洋経済オンライン