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2022.12.15

「ステーキ」や「からあげ」で老化が進む納得の理由|調理方法で「体内のコゲ」の増え方が変わる


人気のからあげですが、食べすぎには注意です(写真:taa/PIXTA)

人気のからあげですが、食べすぎには注意です(写真:taa/PIXTA)

「何の肉が健康によいか?」には多くの人が関心を寄せますが、「どう調理するのが健康によいか?」にはあまり注目が集まりません。愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也氏は、「肉を調理するとき、老化や病気の原因になるAGEsという物質が作られます。焼いたり、揚げたりすると、多くのAGEsが生成されるので、蒸したり、ゆでる/煮るのがオススメです」と言います。『100歳まで生きるための習慣100選』を上梓した伊賀瀬氏が解説します。

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老化を加速させる「終末糖化産物」

近年、アンチエイジング医学の世界では、終末糖化産物(Advanced Glycation End Products=AGEs=エージーイー)が、老化を加速させる大きな原因の1つだと注目されています。AGEsは、体の中のタンパク質が糖類と結びつき、そこに体温の熱が加わって「コゲる」ことで生まれます。この現象を「糖化」といいます。

体のほとんどはタンパク質でできているので、「糖化」は全身のさまざまな組織で起き、AGEsが蓄積されていきます。AGEsは一度蓄積すると、何十年も分解されずに体の中にとどまり、老化や病気の原因になるのです。

AGEsが血管に蓄積すると心筋梗塞や脳梗塞、骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障や網膜症、腎臓に蓄積すると腎障害を引き起こすことがわかっています。また、私たちの研究では、AGEsの蓄積が多い人は、軽度認知障害(認知症の前段階)と評価されることも判明しています。皮膚にたまればシミになり、肌の弾力が失われるのでシワの原因にもなります。

AGEsはあらゆる組織や血管に入り込んで、その弾力性を失わせてボロボロにしてしまう、非常に恐ろしい物質なのです。AGEsは、加齢によって誰でも体内で作られていきますが、実は食べ物から取り込んでいるケースがとても多いです。

糖化を進める成分として真っ先に挙げられるのが、ジュースやお菓子などに使われている「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」など人工の甘味料です。これら人工の甘味料は、自然由来のブドウ糖の10倍の速さで体内のタンパク質と結びつき、AGEsを増やしていきます。

このような特定の食品だけがAGEsを増やすわけではありません。AGEsの量は、同じ食材でも、調理法によってその含有量が変化します。

あらゆる食品にいえますが、高温で調理された食品、つまり、「コゲ」がついている食品ほどAGEsが多くなります。食品のコゲが体内のコゲを増やすのです。

下の表を見てください。調理法によってAGEsに大きな差が生まれていることがわかるでしょう。怖いのは、加熱温度に比例してAGEsが増えるのではなく、揚げ物や炒め物など、高温で短時間調理すると、一気に増えることです。

(出所)『100歳まで生きるための習慣100選』より

(出所)『100歳まで生きるための習慣100選』より

一般的に、AGEsの量は、「生」→「蒸す」→「ゆでる/煮る」→「炒める/焼く」→「揚げる」の順番に高くなります。

たとえば魚だと、刺身→蒸し魚→煮魚→焼き魚→フライの順で糖化リスクが高くなるわけです。肉料理なら、ステーキよりしゃぶしゃぶ、焼き餃子より水餃子、からあげより水炊きのほうがAGEsが少なくなります。

水は加熱しても100度までしか上がらないのに対し、油は200度以上になるため、油での調理が最も糖化を加速させてしまうのです。なので揚げ物の二度揚げは最悪です。

AGEsの蓄積を防ぐために、調理法のバリエーションを増やして、油料理を少なくしていく、二度揚げをしない、コゲた部分は取り除くことを実践していきましょう。最近流行している「低温長時間調理」を試してみるのもいいでしょう。

また、酢にはAGEsの蓄積を抑制する効果があるので、揚げ物を食べるときは、酢の物を副菜にするのもオススメです。

コゲは体の「糖化」を加速させる

終末糖化産物(AGEs)が、動脈硬化などの老化を加速させる大きな原因です。食べ物から生まれるAGEsの量は、「生」→「蒸す」→「ゆでる/煮る」→「炒める/焼く」→「揚げる」の順番に高くなります。

つまり、食べ物の「コゲ」がAGEsのもとなのです。といっても、料理するときだけ気をつければよいわけではありません。AGEsは、さまざまな食べ物の中に潜んでいます。

たとえば、香ばしいにおいが食欲をそそる焼き鳥のコゲや、炊き込みごはんのおこげ。こんがり焼けた食パンや焼きおにぎり、カステラの焼き面さえもAGEsを含んでいます。

でも、これらの食品を厳密に控えていくと、食の楽しみが失われてしまいます。毎日の食生活では、「揚げ物や炒め物ばかり食べない」「二度揚げはしない」「コゲを食べすぎない」ことを意識しておけばよいでしょう。

AGEsは、体の中のタンパク質が糖類と結びつき、そこに体温の熱が加わって「コゲる」ことで、体内でも生まれます。

糖質の摂りすぎで血糖値が高いまま放っておくと、体の中では、血糖と体を構成するさまざまなタンパク質が結びつき、AGEsが生み出されます。AGEsは血管内に沈着して動脈硬化を促進します。そうして血流が悪くなれば、AGEsは排出されず、体のあちこちに蓄積してしまいます。

この悪循環に陥らないためにも、「糖質を食べすぎない」ことが大事なのです。

AGEsの多いソーセージ、ハムも食べすぎ注意

医学的に「絶対に体に悪い」と、エビデンス的に決着がついている食べ物があります。ソーセージ、ハム、ベーコン、フランクフルト、スパムなどの加工肉です。

WHO(世界保健機関)の付属研究機関であるIARC(国際がん研究機関)は、発がん性について食品のランクをつけています。

2015年、加工肉はグループ1(人に対して発がん性がある)に分類されました。グループ1には、がんの原因になる「ピロリ菌」や「喫煙」など、明らかに有害である因子が含まれています。加工肉は、これらと同レベルに発がん性があるというのです。

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また、加工肉は突出してAGEsが高いのも特徴です。特に焼くとAGEsは急激に増えます。加工肉は生肉よりも保存される期間が長いため、調理する前からすでにAGEsが多い食品です。それをさらに焼いて調理すると、大幅にAGEsの量が増加してしまうのです。

加工肉ほどでないにしろ、牛や豚の「赤身肉」にも発がん性がある可能性が示唆されています。さまざまな研究結果により、「摂取量が1日65g増えるにつれ、子宮がん、肺がん、食道がん、大腸がん、糖尿病といった病気のリスクが高まる」と報告されています。

私も加工肉は好きですし、過剰に敏感になる必要はありません。しかしこれらの研究結果を考慮すると、やはり主食の中心は「魚」に移行していくことが、健康長寿のヒケツといえるでしょう。

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提供元:「ステーキ」や「からあげ」で老化が進む納得の理由|東洋経済オンライン

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