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2022.10.19

寒い日に最適!おかずになる「豚汁」簡単に作る技|具が大きめのコトコトと煮込むシチュー風


寒い日に体が温まる、おいしい「豚汁」の作り方を伝授します

寒い日に体が温まる、おいしい「豚汁」の作り方を伝授します

在宅勤務などによって、家で料理をする人が増えたのではないでしょうか。料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する連載『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。

今回は寒い日に体が温まる、おいしい「豚汁」です。

『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』 ※外部サイトに遷移します

「豚バラ肉」を使えば、煮込んでも味が抜けない

豚汁は家庭料理の定番。発祥は定かではありませんが、軍隊食に採用されたことで全国に普及した料理の1つでしょう。豚肉とみその相性は抜群で、どう作ってもおいしい料理です。

基本的な豚汁の作り方は

(1)野菜(大根やにんじんなど)を薄切りにし、豚バラ薄切り肉は3〜4cmに切る

(2)鍋に水と豚肉を入れ、火にかける。煮立ったらあくをすくい、火を弱めて、野菜を加え、じっくり煮る。仕上げにみそを溶き入れ、少し煮てなじませる

といったところ。ほかに豚肉と野菜を炒めてから煮込む方法や、水の代わりに煮干しなどのだし汁を使うパターンもあるでしょう。ちょっと凝った作り方では具材に豆腐やこんにゃくが加わり、豚肉入りのけんちん汁風に仕立てるアプローチもあります。

ただ、薄切り肉を長時間煮出すと味が抜けてしまいます。せっかく長い時間煮るのであれば、豚肉は出し殻にするのではなく、おいしく食べたいので、今回ご紹介するレシピでは豚バラ肉の塊を切り出して使います。それに合わせて野菜も大きめにカット。にんにく風味をビシッと効かせ、コトコトと煮込むシチュー風の豚汁です。煮る時間は必要ですが、ほとんど手間はかからない料理です。

今回の豚汁の材料です

今回の豚汁の材料です

にんにく風味の豚汁の材料(2人分)

豚バラ肉   200g
大根     150g(5cm程度)
にんじん   80g(1/2本)
水      800ml
みそ     40g (今回は仙台みそを使用)
にんにく   1片(すりおろし)
砂糖     小さじ1(麦みそを使う場合は省く)
万能ねぎ   4〜5本

だし汁ではなく水を使うのがおいしい豚汁にするポイント。食材から味を引き出すのに最適なのは出汁ではなく水です。豚肉にはうま味成分であるイノシン酸が豊富ですし、みそにはグルタミン酸が多く含まれています。ここにだし汁を加えてしまうとうま味が過剰になりすぎるのです。

うま味が多すぎると何が問題なのでしょうか。塩味や甘味と同じようにうま味も基本味の一つです。塩を入れすぎてしょっぱくなったり、砂糖を入れすぎて甘くなりすぎたりするように、うま味も多すぎると、ほかの味を覆ってしまい食べ物の味を損ねます。

豚バラ肉は2.5cmくらいの厚みに切ります。5cm×2.5cm×2.5cmくらいの大きさになるはずです。鮮度の悪い豚バラ肉を使う場合は下ゆでして、臭みを抜く必要がありますが、スーパーで買ってきたばかりであればその手間は不要です。

やや大きめに感じられるかもしれませんが煮ることで小さくなります

やや大きめに感じられるかもしれませんが煮ることで小さくなります

大根は厚めに皮を剥き2cm角くらいに、にんじんは乱切りにします。

大根の繊維は皮の下にあるので、煮物に使う場合は厚めに皮をむきます

大根の繊維は皮の下にあるので、煮物に使う場合は厚めに皮をむきます

2cm角に切ります

2cm角に切ります

にんじんは斜めに切り、90度回転させて斜めに切る。これを乱切りといい、大きさがそろいます

にんじんは斜めに切り、90度回転させて斜めに切る。これを乱切りといい、大きさがそろいます

鍋に豚バラ肉、大根、にんじん、水、にんにくのすりおろしと隠し味の砂糖を入れ、みそ30gを溶き入れます。中火にかけましょう。

最初に加えるみそで豚肉と野菜に下味をつけます。沸いてきたら弱火に落とし、そのまま90分間煮込みます。気になるようであればアクを取り除きますが、今回はそのまま煮込み、味を出します。

沸いてきたら弱火に落としてください

沸いてきたら弱火に落としてください

ここで小さなコツが1つ。鍋の煮汁が煮詰まるにつれ、縁に煮汁の一部がこびりつきます。時々、この部分を煮汁で溶くようにして、戻しましょう。味が深くなります。

なぜでしょうか。

鍋肌の温度は煮汁よりも高いので、メイラード反応が起きます。メイラード反応はアミノ酸と糖による褐変反応ですが、油脂が触媒となって効率的に進みます。この場合は煮汁の表面に浮かぶラードがメイラード反応の触媒となっていると考えられます。鍋肌のこびりつきは焦げる前に煮汁に落としておけば洗い物も楽です。

ゴムベラが使いやすいですが、刷毛やスプーンでも大丈夫

ゴムベラが使いやすいですが、刷毛やスプーンでも大丈夫

90分経った状態がこちら。豚肉はやわらかくなり、野菜もすっかり煮えています。

火加減によっては煮汁の量に差がでます。限界まで弱火を心がけ、写真くらいの煮汁の量を目安にしてください

火加減によっては煮汁の量に差がでます。限界まで弱火を心がけ、写真くらいの煮汁の量を目安にしてください

味見をしながら残りのみそ10gを加えます。みそはメーカーによって塩分量が異なるので味見が必要です。とくにだし入りみそは塩気が強くなりがちなので、慎重に調整してください。みそは長い時間煮込むと香りが弱くなるので、2度めに加えるみそは香り付けの意味もあります。

みそを入れたら加熱しすぎないようにしましょう

みそを入れたら加熱しすぎないようにしましょう

最後に3cmに切った万能ねぎを加え、1分ほど煮たら出来上がりです。大根とネギ(それとにんにく)には硫黄化合物が含まれており、豚肉の風味を引き立てますし、表面に浮いている豚の脂が豚汁らしい香りを出すはずです。好みで七味唐辛子を振るとさらにおいしくなります。

ネギの代わりにニラなどもよくあいます

ネギの代わりにニラなどもよくあいます

豚肉は長く煮込むとやわらかくなり、おいしく食べられますが、万能ねぎは加熱しすぎないようにします。料理を組み立てるときは音楽におけるコードのように3つの和音を意識するといいでしょう。

この料理の味を分解するとまず豚肉とみそのうま味が低音に相当します。中音に相当するのが野菜で、これが味の広がりを生みます。最後の高音が万能ねぎや七味唐辛子。フレッシュな風味や香りが加わることで、華やかさが出ます。レシピがない場合でもこのような味の層を意識すると料理への理解が深まるはずです。

出来上がり

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(写真はすべて筆者撮影)

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提供元:寒い日に最適!おかずになる「豚汁」簡単に作る技|東洋経済オンライン

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