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2022.09.26

血圧の正常値はどのくらい?~今、血圧が高い人にできる改善策~


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「軽い気持ちで血圧を測ったら、思いのほか高かった」

「健康診断で高血圧と言われた」

高血圧は自覚症状があまりないため、実際に血圧を測るまで気付かないことも多い病気です。しかし、高血圧は放っておくと心筋梗塞や脳卒中を引き起こしたり、腎臓の機能が低下し透析を必要とすることも。

そこで今回は血圧の正常値や、血圧を正常値に近づけるためにできることについて解説いたします。

わかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

血圧の正常値

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病院で測る血圧の正常値は、上の血圧が120mmHg未満かつ下の血圧が80mmHg未満である状態を指します。また、家庭で測った場合は、上の血圧が115mmHg未満かつ下の血圧が75mmHg未満で正常値です。

もう少し細かくお話ししますと、病院において上の血圧が120~129mmHgかつ下の血圧が80mmHg未満の方は「正常高値血圧」になります。さらに、上の血圧が130~139mmHgまたは下の血圧が80~89mmHgの方は「高値血圧」と呼ばれ、将来高血圧になるリスクが高いです(家庭血圧はそれぞれ5mmHg低い値が基準値となります)。

正常高値血圧と高値血圧の方は、高血圧とは診断されないものの正常値とも言い難いので注意が必要です。

なお、血圧が低すぎると疲れやすさや立ちくらみ、目まいを感じる場合もあります。一般的に低血圧の基準は上の血圧が100mmHg以下、下の血圧は60mmHg以下です。

参考記事:血圧とは〜高い&低いとどう体に影響するかカンタン解説〜 ※外部サイトに遷移します

上の血圧と下の血圧について

血圧は収縮期血圧いわゆる上の血圧と、拡張期血圧いわゆる下の血圧で判定されます。

収縮期血圧は心臓が収縮して血液を全身に送り出しているときに、ふくらんだ血管(大動脈)にかかる圧力です。一方で、拡張期血圧は心臓が拡張して血管が元に戻り、自然と血液が流れているときに血管(大動脈)にかかる圧力をさします。

なぜ高血圧は体によくないのか

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高血圧になると、脳卒中や心筋梗塞を発症する可能性があるからです。

高血圧状態が続くと心臓や血管に負担がかかります。血管に負担をかけ続けていると全身に血液を送りにくくなり、心不全を起こすことも。そのため、高血圧状態を改善する治療が必要なのです。

診察室血圧と家庭血圧とは

診察室血圧とは病院で測る血圧、家庭血圧は家でリラックスした状態(診察室外)で測る血圧です。人によっては、測定場所によって血圧が異なる場合があります。ただしどちらも、その時の正しい血圧値です。なお、一般的には家でリラックスした状態で測るときのほうが血圧は低い値を示します。

そして最近の研究では、脳卒中や心筋梗塞の発症を予測する方法として、診察室血圧よりも家庭内血圧の方が有用であると分かってきました。

しかし高血圧の診断において、診察室血圧が家庭内血圧に比べて劣っているわけではありません。そこで高血圧の診断には、診察室血圧と家庭内血圧のどちらも用いられるのです。

血圧の「上は正常値だけど下が高い」これって正常値なの?

結論から申し上げますと、下が高いと正常値ではありません。

血圧を正常値と判断するためには、上と下両方とも正常値となる必要があります。つまり、下が高い状態は高血圧です。

下の血圧が高い原因は、末梢血管(※)が硬くなっている状態が考えられます。心臓の近くにある大動脈は硬くないので上の血圧は正常値ですが、自然と流れている血液は流れが悪いため下の血圧が高くなるのです。

(※)指先など、私たちの体の末端にある血管

参考記事:下の血圧が高いのはどうして?〜原因や対策を分かりやすく解説〜 ※外部サイトに遷移します

下は正常値で上が高い場合はどうか

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下の血圧は正常値内で、上の血圧が高い場合も正常値ではありません。繰り返しになりますが、血圧は上下共に正常値でないと、高血圧と診断されます。

また高齢になると下の血圧が低下し、上の血圧だけ上がる「孤立性収縮期高血圧」になりやすい傾向にあります。なぜなら、血圧には血管のしなやかさも関係しているからです。

私たちの体は年をとると血管が硬くなりがちです。血管が硬くなるとしなやかさがなくなり、膨らみにくくなります。その結果、膨らみにくい血管に血液を送り込む力(上の血圧)は上がり、あまり膨らまない血管は流れる血液量が減るため送り出す力(下の血圧)が下がるのです。

孤立性収縮期高血圧は治療が必要な状態です。下の血圧が低いからと安心せずに医療機関にかかりましょう。

白衣高血圧は正常値なの?

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白衣高血圧は現時点では正常値といえます。 

血圧は環境やストレスによって変動するものです。その中で、家庭血圧は上の血圧135mmHg未満かつ下の血圧85mmHg未満なのに、診察室血圧は高血圧だった場合を白衣高血圧と呼びます。

白衣高血圧は、家庭血圧が本当に正常値であれば治療の必要はないとされています。ただし、将来高血圧になる可能性は高いので、定期的に血圧を測って早期発見につなげましょう。

高血圧になると正常値に戻すのは難しいのか

高血圧になっても、正常値に戻せる可能性はあります。

そして方法は、

・生活習慣を見直す
・薬を服用する

この2つが挙げられます。

生活習慣を見直そう

生活習慣に関しては、

・食塩は1日6g未満
・食事は果物や野菜、魚を積極的に食べて、脂肪の多い肉や乳製品、コレステロールの多い食品は控えめに
・肥満であれば、減量する
・1日30分の運動習慣をつける(ややきつい程度に抑える)
・飲酒は控えめにする
・喫煙習慣があれば、禁煙する

この6点を修正していきます。

さらに、寒さや精神的ストレスも血圧を上げる原因となるので、防寒対策やストレスを解消することも大切ですよ。

参考記事:血圧を下げる方法〜食べ物や生活でのポイントを分かりやすく解説〜 ※外部サイトに遷移します

薬を服用することも

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生活習慣を見直しても血圧が目標値まで下がらない場合は、医師の指導のもと降圧薬を服用して血圧を正常値に戻す方法もあります。

しかし薬の服用をはじめた後も、生活習慣の見直しは大切です。なぜなら生活習慣を改善することで、薬の効き目をよくしたり、薬の量を減らせる可能性もあるからです。

参考記事:高血圧の薬「降圧剤」とは〜効果・種類・副作用を分かりやすく解説〜 ※外部サイトに遷移します

まとめ

以上、血圧の正常値や高血圧になった場合の改善策についてお話しいたしました。

血圧の正常値は

・病院で測る場合:上の血圧が120mmHg未満かつ下の血圧が80mmHg未満

・家庭で測る場合:上の血圧が115mmHg未満かつ下の血圧が75mmHg未満

だと分かりましたね。

なお、血圧には個人差があります。もちろん正常値は参考になりますが、普段から自分の血圧を把握することも大切です。

血圧を測定した際に、普段の血圧と比べて高すぎたり低すぎた場合は、正常値の範囲内で合ったとしても異常値になることもあります。正常値内に入っているからといって、必ずしも安心だとはいえないので注意が必要です。

また、現在血圧が高い場合も生活習慣を見直せば、改善される可能性があります。かかりつけ医と相談しながら食事や運動、ストレスの解消など無理のない範囲で変えていきましょう。

それでは、当記事があなたの血圧を正常値に近づける手助けになると幸いです。

【参考文献】※外部サイトに遷移します

日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019

日本高血圧学会 高血圧の話

執筆者:副編集長 白石香代子

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山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。

記事提供:H2株式会社

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