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2022.09.14

「確実にケガなく筋力UP」ジム活を続けるポイント|意外と多い退会の理由は「ケガ」と「頑張りすぎ」


入会したけど……。スポーツジムが続かない理由と、続けられるコツをご紹介(写真:ふじよ/PIXTA)

入会したけど……。スポーツジムが続かない理由と、続けられるコツをご紹介(写真:ふじよ/PIXTA)

テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体をつくるメソッドを伝授する本シリーズ。

ウィズコロナの過ごし方が注目され、少しずつ以前の日常を戻している今日この頃。「前より体が重い」「以前のように動けない」など、体力の衰えを実感している人も多いのではないでしょうか。

今回はジムを続ける秘訣についてお伝えします。

体を鍛えるさまざまな器具やプログラムが揃ったスポーツクラブ(以下ジム)は、健康や美容、体づくりのために大変便利な施設ですが、実は利用者の多くは施設を有効活用できておらず、効果を得られなかったりケガをしたりなどで、退会してしまいます。

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では、一般的なジムにおける退会率(1カ月の退会者数÷会員数)はどの程度だと思いますか?

 A 1%
 B 5%
 C 10%

退会者で多いのは入会後何年?

答えは「Bの5%」です。

5%というと、少ないように感じるかもしれませんが、会員数が3000人ならば150人、1年で1800人もの会員が退会してしまう計算です。もっとも、毎月ほぼ同数の入会者数がありますから、総会員数に大きな変動はありません。

退会者の中でも特に多いのが、入会してから1年以内の方です。入会後、90%の人が1年以内に退会してしまうというデータもあります。

もちろん転勤や妊娠など、やむを得ない事情を抱えて退会する方もいますが、大半はジムを正しく活用できず、努力の割に効果が得られなかったり、疲労が溜まったり、ケガをしてしまうなどした結果、施設に通うモチベーションが下がってしまうことが原因です。

今回はジムを早期に退会してしまう方の典型的な3つのパターンから、ジムを有効活用する方法を示したいと思います。

半年以内に退会してしまう早期退会者に多く見られるのは、「頑張りすぎてしまうこと」です。入会後に毎日のようにジムに通ったり、1日に3時間も4時間も利用したり、という方のほとんどは、翌月には利用頻度や時間が半分に、その翌月にはさらにその半分となってフェードアウトしてしまいます。

というのも、トレーニングは頑張った量に比例して効果が得られるわけではないからです。

やりすぎはかえって逆効果

例えば、筋肉量を増やして筋力を高める筋トレでは、筋肉に刺激を与えたあと、2~3日間の休息を与えることで筋肉が発達します。毎日刺激を与えるのは、筋肉の萎縮が生じて逆効果。 筋トレの頻度は週に2~3回で良いのです。

筋肉量を維持するためであれば、週1回の頻度で効果は得られます。 

筋トレに要する時間も30分で十分です。ジムには全身のさまざまな筋肉を鍛えるマシンが20~30種類ほどありますが、実は5~10種類も行えば十分な効果が得られます。

早期退会者のなかには、月会費の元を取ろうとしているかのように全種類を行ってしまう方もいますが、それは不要な努力。頑張っている割に効果が出ないどころか、筋肉や関節を痛めてしまうことにもつながります。

高頻度、長時間の利用に仮に体が耐えられたとしても、部活動なみに運動を行ったのでは心理的な飽和、つまり飽きも起こります。

学生時代に激しい部活を頑張ることができるのは、若く体力があることも一因ですが、何より「卒業・引退」というゴールがあるからです。しかし健康や美容のためのフィットネスは一時的なものではなく、一生を通じて行うものですから、卒業も引退もありません。

「つらい、無理」と感じられるような運動をやっていては、数カ月で肉体的あるいは精神的に耐えられなくなるのも当然です。

ジムに5年、10年と長期間通い続けている人の平均的な利用頻度は週2回、トレーニング時間は準備運動など込みで90分程度です。それが仕事や家庭を持つ一般の人にとって無理のない頻度だといえるでしょう。

ただし、長期間体を動かす機会がなく、体力が低下している方にとっては週に2回、90分の運動でもつらいものです。最初の1カ月は週1回、1時間以内の利用で心身を慣らし、2カ月目からトレーニング頻度を週2回に増やし、3カ月目からは時間を少しずつ延ばすことをお勧めします。

早期退会者のもう1つの特徴は、間違った方法でトレーニングに取り組んでしまうことです。

現在のジムは基本的には「運動する場と器具」を提供する施設で、月会費イコール施設利用料であり、そこに指導料は含まれておりません。ジムにはスタッフがいない施設も少なくありません。スタッフがいても、タイミングが合えば基本的な使い方を教えてくれはするものの、詳しくフォームをチェックしたり、最適な重量や回数を提示したりしてくれることはありません。

それを求める場合は、別途パーソナルトレーニングを依頼・契約しなければなりません。月会費とは別に1時間に少なくとも3000円程度の指導料が発生しますから、週1回受けたとして、月会費を含めて最低2万4000円。今の時代、決して安くはありません。

その結果、自分独自の方法でトレーニングをしている方が大半、というのが実情です。

5年、10年と続けている方は、トライ&エラーの経験のなかから、あるいは少しずつ情報を蓄積していくなかで、正しいフォームや、自分に合った適切な負荷や回数などを習得していくものですが、初心者はそういうわけにはいきません。

何となく周囲の人の動きを真似たり、動画サイトで見た特殊な方法でトレーニングを行ったりしています。

比較的簡易に使用できるマシントレーニング1つとっても、一見同じような動きであっても、手の幅やいすの高さが数センチ違うだけで、正しく筋肉を鍛えられなかったり、関節に余分な負担がかかったりするものです。

最初に間違ったフォームを覚えてしまうと、なかなか修正が利きにくくなります。ジム初心者の方はジムトレを指南する書籍を片手にジムを利用するか、可能であれば最初の数回はパーソナルトレーニングを契約し行うことをお勧めします。

トレーニングだけでは不十分

「やせたい」「体力をつけたい」「健康診断の数値を改善したい」など、入会の目的はさまざまですが、共通するのは「体を鍛えよう」という意識です。

もちろん、これはとても大事なことですが、それだけでは不十分で、いずれ挫折を招きます。体を鍛えるときには、並行して体をケアすることにも配慮しなければならないからです。

どのスポーツでもトップアスリート、とりわけ選手寿命が長い人に共通しているのは、体を鍛えることと同じくらい、ケガを防いだり疲労を蓄積させたりしないようにするケアにも重きを置いていることです。

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ジャマイカの元陸上競技選手のウサイン・ボルト選手がトレーニング前に必ずマッサージやウォームアップに1時間程度を費やしていたのは、有名な話です。

ケアといっても特別なことではありません。まず注力していただきたいのはストレッチです。ジムに入会すると、多くの方は張り切って重いものを持ち上げたり、走ったりするのですが、ストレッチはおろそかになりがちです。

ストレッチは筋肉の柔軟性を高めて関節の動きを大きくしてくれる運動です。一日中オフィスでデスクワークをしている人が、筋肉に負荷をかけた状態で腕を高く上げたり、脚を大きく動かしたりしたら、当然、体に大きな負担がかかります。

運動前にはストレッチで少しずつ筋肉と関節の動きを滑らかにすることで、トレーニングの動きがスムーズになり、突発的な筋肉や腱の損傷を防ぐことができます。

「複合静的ストレッチ」2つを紹介

ただし、ストレッチといっても、座ったり寝たりした状態で1つひとつの筋肉をじっくりと伸ばすと、かえって体全体が脱力し、体を動かしにくくなってしまいます。ですので、以下で紹介する立ったまま複数の筋肉を同時に伸ばす「複合静的ストレッチ」がおすすめです。

■複合静的ストレッチ1 ツイストストレッチ

●伸ばす部位:肩(三角筋)、お腹(外腹斜筋、内腹斜筋)、腰(横突棘筋)、股関節(深層外旋六筋)
(1)足を肩幅よりも大きく開いて、つま先は斜め45度外側に向け、ひざを伸ばして立つ。左腕を胸の前で伸ばし、右ひじを曲げて交差させる
(2)右腕で左腕を引き寄せながら左のつま先で床を押して体を右にひねり、ラクに呼吸をしながら静止する
※この動作を左右各10秒×1セット行います。

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■複合静的ストレッチ2 前屈ストレッチ

●伸ばす部位:上腕(上腕二頭筋)、腰(脊柱起立筋)、お尻(大殿筋)、太もも裏(ハムストリングス)
(1)足を軽く開いて立ち、つま先を正面に向ける。両手をお尻のうしろで組んでひじを伸ばし視線を前に向ける
(2)腕を引き上げながら背中を丸めて股関節を軸にして前屈し、ラクに呼吸をしながら静止する。バランスを取るためにひざは軽く曲げる
※この動作を10秒×1セット行います

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運動後は、筋肉の緊張をほぐし、全身をリラックスさせて疲労回復をうながすために、座るか寝た状態で全身の筋肉を1つずつじっくりと伸ばしていきましょう。

イラスト:竹口睦郁

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提供元:「確実にケガなく筋力UP」ジム活を続けるポイント|東洋経済オンライン

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