2022.07.25
アンケート企画：あなたの悩みに専門家が答えます（19）：糖質とカロリー、どちらを減らすと良い？
私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができますが、それって確かな情報でしょうか？専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか？
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。今回は10歳代後半の女性よりダイエットを成功に導く食事について、管理栄養士・小野くみさんに回答していただきました。
Q. 糖質とカロリーのどちらを減らすとより良いダイエットになりますか？
回答
夏の季節は薄着で快適に過ごしたいため、今まで気にならなかったぽっちゃり部分が気になることもありますよね。仕事も、遊びも、おしゃれも全部楽しみたい夏こそ、理想のボディーを手に入れましょう。糖質とカロリーどちらを減らせばより健康的なダイエットが叶うのかを解説していきます。
そもそも糖質とカロリーの違いは？
はじめに「今さら聞けない」という方のために、カロリーと糖質の違いを簡単にお伝えします。カロリーとは、人間が生きていくために必要な活動の源であり、なくてはならない“エネルギー”のことを意味します（※正しくは、エネルギーの単位のことをカロリーと言います）。食品に含まれる栄養素のなかで主にエネルギー源として利用できるのは、たんぱく質、脂質、炭水化物の3大栄養素です。一方糖質とは、炭水化物のうち人間がエネルギー源として利用できるもののことを指します。つまりカロリー制限とは、“たんぱく質、脂質、糖質”からとるエネルギー全体を減らすことであり、糖質制限とは、糖質のみを制限することをいうのです［1, 2］。
糖質とカロリーのどちらを減らした方がやせるの？
体重を減らためには、食事から摂るカロリーを消費カロリーよりも減らす必要があります。つまり食べるものの種類や量を調整し、摂取カロリーを抑えることがダイエット中の食事の基本になるのです。
よって、糖質だけでなくカロリーを抑えることがやせるためには必要です。糖質制限とカロリー制限は、摂取カロリーをどのように抑えるかの違いですので、ご自身の生活スタイルや食生活にあったやせ方が、結果的に効率の良いダイエットとなるのではないでしょうか［3］。
糖質制限ダイエットの落とし穴
たとえば、低糖質の食品を選んで食べているはずなのに、気がつけば体重が増えていた！なんて経験はありませんか。“低糖質・糖質オフ”などと謳う商品のなかには、油脂類を多く使用しておいしさや満足感を出している、高カロリーの食品もあります。悲しい後悔をしないよう、購入する際には栄養成分表示を確認し、高カロリーの商品は避けるか少量を楽しむなど調整しましょう。
また、近年“糖質制限ダイエット”が流行っていることから、糖質ばかりを気にしている方が多いように見受けられます。“糖質◯g”“糖質オフ”と謳う商品の広告を目にするうちに“糖質＝太る、避けたほうがいいもの”という解釈をしてしまうのも無理はありません。しかし、糖質は人間を動かすエネルギー源となる、本来は生きるために必要な栄養素です。極端に制限してしまうと疲労感や集中力低下などのトラブルも起こる可能性があるため、注意が必要です。
効果的に健康的にやせるには、どのようにカロリー制限をすれば良いの？
（１）食事を単純に減らすのはNG
どのダイエット方法にも共通して言えることですが、極端な制限や、特定の食品を抜くような偏った食生活は、一時的にはやせる効果が見られたとしても、必要な栄養素が不足し便秘や貧血など別のトラブルを生む可能性もあります。健康的にやせるためにも主食、主菜、副菜の揃ったバランスの整った食事をとりましょう。
（２）今すぐできる！摂取カロリーを減らす食事のポイント
エネルギー源となる栄養素のうち、糖質とたんぱく質は1gあたり４kcalのエネルギーをもっていますが、脂質には１gあたり9kcalのエネルギーがあり、その差は2倍以上です。そのため、脂質の多い脂っこいメニューや食品を控えることが効率の良いカロリー制限につながります。
たとえば、バター、マーガリンなどの乳脂肪分をたっぷり使用しているスイーツやリッチ系パンを控える、お肉を選ぶ際には、脂身が少ない部位を選ぶ、揚げ物を控えるなど調理法を工夫することで摂取カロリーをぐっと抑えることができます［4］。
無理のしすぎは禁物。美味しく食べて綺麗にやせましょう！
食べたい欲求を我慢しすぎてしまうと、ストレスが溜まってしまいリバウンドの原因になることも。食べないダイエットではなく、食べる物の種類や量を調整してカロリーを抑えながら、食事を楽しむことも忘れずにいてください。
この夏、理想的な体でおしゃれを楽しみながら自信を持って過ごせたら嬉しいですね。
【参考文献】（すべて2022年5月20日閲覧）※外部サイトに遷移します
［4］厚生労働省:e-ヘルスネット｜調理方法によるエネルギーの違い
【プロフィール】管理栄養士 小野くみ
管理栄養士の資格を取得後、精神科病院、老人保健施設、保健センター等に勤務し、給食業務や栄養管理業務で赤ちゃんからお年寄りまでの栄養指導を経験。
現在は「スポーツキッズを伸ばす管理栄養士」として小中学生アスリート向けの“手間暇かけない栄養満点スポーツ食で、子供のベストパフォーマンスを引き出す”をコンセプトにした、パーソナル栄養講座を開催し、チームや個人の方の栄養サポートを行っている。
【ホームページ】 ※外部サイトに遷移します
記事提供：リンクアンドコミュニケーション
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