2022.07.01
肉を先に食べるといいのは血糖が抑制されるから|やせホルモン「インクレチン」が肉の脂質に反応
最先端の医療にもとづいた正しい食べ順は「ミートファースト」だった(写真:takeuchi msato/PIXTA)
ダイエットのために野菜を先に食べている方も多いかもしれない。しかしダイエット外来医師の工藤孝文氏は「肉こそ先に食べるべき!」と断言。その理由を『午後3時に食べるだけダイエット やせるスイーツ』よりご紹介する。
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肉好きさんはこれまで、大好きなお肉を後回しにして、健康のため&ダイエットのためにと、ベジファーストでがんばってこられたのではないでしょうか。
でも、ベジファーストはもう古い!
最新の研究をベースにした食べる順ダイエットの新常識では、肉→野菜→ご飯です。この順番で食べると、次のような素晴らしい5つのやせ効果があります。
・代謝がアップ
・血管が広がり血流アップ
・消化がゆっくりになり、お腹が空きにくい
・食欲がダウン
・脂肪分解がアップ
食欲抑制効果と高い満腹感
ミートファースト理論をわかりやすくお伝えすると、肥満の原因は食後の血糖値の上昇ですが、食事をミートファーストにすると、血糖値の上昇がおさえられて太りにくくなるのです。食欲抑制効果と高い満腹感が得られるのも特徴です。
このしくみは、次の5ステップになります。
(1)肉を食べる
(2)血糖抑制作用がある消化管ホルモン「インクレチン」がすい臓に働きかける
(3)血糖値を調整するホルモン「インスリン」を必要に応じて増やす
(4)血糖値を上昇させるホルモン「グルカゴン」の分泌をおさえる
(5)やせる!
この効果に着目し、アメリカではインクレチンと同様の働きを持つダイエット薬(GLP-1)が2型糖尿病治療や重度のダイエット治療に活用されています。
「えっ、お肉から食べていいんですか 」と驚かれる患者さんに、私はいつも自信を持ってお答えしています。「はい! むしろ、お肉から食べたほうがやせるんですよ」
奇跡のやせホルモン「インクレチン」
もう少しミートファーストについて詳しくお話しします。消化管ホルモン「インクレチン」には、食後状態をつくるという作用があることがわかっています。肉の脂質によるインクレチンの分泌反応は、非常に速く、脂質自体にも脳の満腹中枢を遮断して、食欲を抑制する作用があります。そのしくみは、次のとおりです。
(1)肉を食べると腸にインクレチンが分泌され「食後サイン」が全身に発動
(2)胃が小さくなる
(3)胃は「もうこれ以上、食べ物は入りません」と休息モードに入る
(4)速やかに胃腸のぜんどう運動がストップ!
(5)消化に時間がかかるお肉が胃に長くとどまり血糖値上昇を緩和
(6)やせる!
ダイエットのときこそ、しっかりお肉を食べることが大切です。タンパク質をとらないと、筋肉が減り、基礎代謝が落ちて太りやすくなるからです。筋肉量が多い人ほど、1日の消費エネルギーは大きく、普通に生活しているだけでカロリーを消費できる「やせ体質」になります。
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お肉は牛肉なら赤身がおすすめです。赤身には、体内の脂肪燃焼を促進させるL-カルニチンが豊富です。コレステロールを気にして、タンパク質は肉より魚や大豆から摂取されている方もいると思いますが、魚に含まれる多価不飽和脂肪酸はエネルギーに変換されにくい脂質なのです。
しっかり筋肉量を増やすなら、エネルギー効率の高い脂質とタンパク質を豊富に含む肉が最適です。
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提供元:肉を先に食べるといいのは血糖が抑制されるから|東洋経済オンライン