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2022.06.06

「相手の心に響く」メールの書き方・送り方の基本|宛先に多くのアドレスを入れていないか?


日常の連絡をメールで行うことが多い昨今。送るとき・返信するときのコツをお伝えします(写真:duiwoy/PIXTA)

日常の連絡をメールで行うことが多い昨今。送るとき・返信するときのコツをお伝えします(写真:duiwoy/PIXTA)

4月から新社会人になった人、あるいは転職して職場を変えた人、そろそろ「何をどう頑張れば、評価されるのだろう」「周りが優秀に見えて、ツラくなってきた……」と、不安になってくる頃かもしれません。

でも、大丈夫! バリバリ活躍しているように見える先輩社員だって、新人の頃はあなたと同じように知らないことだらけで、失敗を繰り返して成長してきたのですから。

本稿では、ビジネススキルに関する研修やセミナーを実施する木部智之氏の新刊『入社1年目のビジネススキル大全』から一部を抜粋、若手社員が最速で一人前になれるビジネス思考法やコミュニケーションメソッドを、3回にわたってお伝えします。今回は3回目です(1回目はこちら、2回目はこちら)。

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1回目はこちら ※外部サイトに遷移します

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あなたもこれまでに、「読みにくいな」「わかりにくいな」というメールを受け取ったことがあるでしょう。メールは相手に内容を正しく理解してもらえないと、対応の優先度が下がってしまい、なかなか返事も戻ってきません。

仕事がデキる人は「いいメール」を書く

仕事がデキる人たちはみな、一様に「いいメール」を書きます。いいメールとは、とにかくわかりやすいこと。ポイントを整理しましょう。

メールは「宛先」(To、CC、BCC)と「タイトル」と「本文」で構成されています。この3つの要素のそれぞれに、いいメールとなるポイントがあります。

メールの宛先にはTo、CC、BCCがあります。CCはCarbon Copy、BCCはBlind Carbon Copyの略です。ToでもCCでも起こりがちなのが、宛先に設定する人が多すぎる、という問題です。

Toは本当にその内容に関係があって、何らかのアクションをお願いしたい人、CCは具体的なアクションはなくとも、情報を共有しておきたい人に送ります。しかし、「念のため」と思って不用意に多くの宛先を入れる人がいます。そこに2つの問題が生じます。

「念のため」の扱いでメールを受け取った人は、そのメールを読みます。本来必要でもないメールを読まされる、という時間のムダを強いることになっています。そして、CCメールについてはもっと注意が必要で、送ったほうはCCに入れたから読んでくれているだろうと思いがちですが、受け取ったほうは、かなり優先度を下げて読んでいます。CCだからいいや、と。ここに、お互いの温度差が生じてしまうのです。

宛先を入力するときは、「本当にこの人に読んでほしいのか」と自問しましょう。

なお、BCCはToやCCで送っている人に知られずにメールを送る設定方法です。不特定多数に一斉送信をするときなどは便利ですが、日常業務ではほとんど使わないでしょう。

内容が一目でわかるメールの書き方

メールのタイトルは、ひと目で内容がわかるタイトルにします。そのほうが、忙しい相手にも読んでもらいやすくなります。また、後からメールを探すときにも便利です。例えば、下記のようなケースで、左側のようなタイトルでは内容がよくわかりませんが、右のように変えると一気にわかりやすくなります。

×わかりにくい     ○わかりやすい
 ・打ち合わせの件 ⇒ ・A社提案の打ち合わせ依頼
 ・資料の送付   ⇒ ・マーケット調査資料の送付

また、以下のように件名の冒頭に【 】(スミ付き括弧)を使って、依頼事項を端的に表示するのも有効なテクニックです。

 【要返信】顧客問い合わせの対応要否について
 【至急】顧客機能の不具合の調査依頼
 【本文なし】17時の打ち合わせはキャンセルになりました

 このようなタイトルにしておくと、読み手は自分のとるべきアクションがわかりやすいので反応も速くなります。

簡潔でわかりやすいメール本文の要素は、以下の5つです。
・結論ファースト
・箇条書き
・依頼事項を明確に
・スクロールなし
・宛名は実務担当者を筆頭に

順に説明していきましょう。

・結論から書く

ビジネスメールは、結論から書くようにしましょう。例えば、次のようになります。

OK例:
先月の売上が下がった原因は、△△△△△です。
その原因の詳細は、□□□□□です。

このように結論ファーストで書きます。ビジネスメールを小説のようにプロローグ(背景)から書いて、クライマックスの結論が最後にあると、読み手はストレスを感じてしまいます。

・箇条書きで書く

次のような文章形式のメールも、簡潔さという点ではいまひとつです。OK例のように書き換えると、わかりやすくなります。

NG例:
次回の会議は、7月10日の15-16時で開催します。場所は、会議室101を予約していますのでご参集ください。なお議題は、「売上向上施策」です。

OK例:
次回の会議は以下となります。ご参集ください。
  ・7月10日 15-16時
  ・会議室101
  ・議題:売上向上施策

ほかにも「課題は次の3点です」などと冒頭で示し、箇条書きを入れて説明すると、読みやすく、テンポもよくなります。

ていねいな文面はメールでは不要

・依頼内容を明確に書く

依頼内容がわかりにくいメールもNGです。本人はていねいな文面になるように配慮しているつもりでも、結果、伝わらなければ意味がありません。また、どんなに心苦しくとも「いつまでに」対応してほしいのかは、依頼内容とセットで記載しましょう。

NG例:
岡田さん、月末のプロジェクト報告に向けて資料をつくっているのですが、品質状況についての分析パートをお願いできないかな、と思います。
大変お忙しい状況と存じますが、月末に向けて時間がないなか、サポートをしていただけると幸甚です。よろしくお願いします。

OK例:
岡田さん、月末のプロジェクト報告の品質パートについて、お忙しいところすみませんが、資料作成をお願いいたします。
 ・品質分析結果を3ページ程度
 ・期限:5/25
対応できない場合は、5/15までにご連絡ください。よろしくお願いします。

・スクロールなしで読める分量に抑える

何よりも避けたいのが「長文」メールです。開いたメールが長文だった瞬間に、ほとんどの人は「時間かかりそうだから後で読もう」と、メールを閉じてしまいます。その瞬間から情報の鮮度が落ちていきます。

つまり、長文メールは読み手に負荷をかけてしまうのです。そして結局、最後まで読まれない、という可能性まであります。これでは、せっかく書いても意味のないメールとなってしまいます。

それを避けるための私の基準は、1画面にメール本文が収まり、スクロールバーが出ないことです。書いている途中でスクロールバーが出てきたら、文章をスリムにして、スクロールバーが出ない分量に減らします。

これはチャットでも同じです。チャットは手軽さがメリットなのに、1回のポストで10行も20行も書く人がいます。これも、タイムリーに読まれない可能性が高いチャットとなります。

同書より

同書より

・実務担当者を筆頭にする

最後は、メール本文の冒頭の宛名の書き方です。特に気をつけなければいけないのが連名のときです。例えば、3人にメールを送って、

田中さん、青木さん、岡田さん
○○○○の件、状況を確認して報告してください。

と書くとき、多くの場合は、名前を役職順、年次順で書くのではないでしょうか。しかし、これはやめたほうがいいでしょう。なぜなら、読み手は最初に名前が挙がっている人が主たる対応者と理解するからです。

つまり、本来は青木さんが実務担当として対応すべき内容なのに、青木さんは田中さんから指示があるまで動かないでいい、と解釈してアクションを起こさないことがあるのです。

一方、田中さんは自分ではなく実務担当の青木さんが対応するべきメールだと判断して、やはりアクションを起こしません。結果、誰もアクションをしないメールとなってしまうのです。

アクションを起こして欲しい人が先

連名で宛名を書くときは、役職は関係なく、そのメールで具体的にアクションを起こしてほしい人の名前を筆頭に書くか、もしくは、ToとCCに分けて、依頼先を明確にしましょう。

同書より

同書より

次に、相手から届いたメールに対するリアクション(返信)についても注意点があります。

メールの返信期限は、24時間をひと区切りと考えましょう。メールを送った相手は、あなたからの返信を待っています。その待ち時間が長くなればなるほどストレスとなり、そのデッドラインが24時間なのです。日本ビジネスメール協会の調査(2021年)によると、45%の人が「24時間以内に返信がないと遅い」と感じています。

同書より

同書より

24時間以内に返信しようといわれても、「依頼された資料が完成しないと返信できない」と思うかもしれません。

まずは簡単な返信だけでもOK

完璧な返信を24時間以内にする必要はありません。「了解しました。今週中に調査して返信します」「今週は対応できませんが、来週末までに資料をつくっておきます」といった返信でOKなのです。

重要なことは、
・メールを読んだということを伝える
・そして、対応するかしないかなどの意思表示をする

ことです。

このような返信もないと、メールを出したほうは、「読んでくれたのかなぁ?」などと、あなたに送ったメールが未処理事項として頭に残り続けます。こうなると、単に返信できていないだけでなく、相手の時間(思考)を奪ってしまっていることになるのです。

返信が遅いことが続くと、あなたは「メールの返信が遅い人」というイメージを持たれてしまいます。これは、あなたの今後のキャリア形成において致命的です。

記事画像

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ビジネスにおけるコミュニケーションツールは、現状ではメールやチャットがほとんどなので、メールが遅い人は仕事も遅い人、と判断されます。たまたま立て込んで仕事が遅れただけでも、メールが遅いから仕事も遅い、と決めつけられてしまうのです。

仕事がデキる人たち、優秀な人たちはみな、メール返信の24時間ルールを徹底しています。あなたもぜひ、若いうちにこれを習慣づけておくようにしましょう。

ただし、24時間は営業日カウントでOKです。金曜日の15時に来たメールは、月曜日の15時を24時間後として対応しましょう。

記事画像

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提供元:「相手の心に響く」メールの書き方・送り方の基本|東洋経済オンライン

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