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2022.04.28

天気による体の不調を改善するセルフケアのコツ|「頭痛、めまい、肩こり、だるさ」悩んでませんか


天気が原因で体調が崩れる「気象病」を予防・改善するためのセルフケアの方法を紹介します(写真:topic_kong/PIXTA)

天気が原因で体調が崩れる「気象病」を予防・改善するためのセルフケアの方法を紹介します(写真:topic_kong/PIXTA)

「季節の変わり目になると、なんとなく体調が悪い」
「雨が降ると気分が落ち込んだり、頭痛がひどくなる」

そんな体や心の不調には、実は天気が大きく関わっていることをご存じでしょうか。気圧・気温・湿度の変化は私たちの心身に大きな影響を与えており、その症状には頭痛、めまい、首・肩こり、だるさ、気分の落ち込みなど、かなり多様なものがあります。総称して「気象病」や「天気痛」と呼ばれており、何らかの症状がある人は日本全国になんと1000万人以上いるといわれています。

天気痛ドクター・佐藤純氏の著書『1万人を治療した天気痛ドクターが教える「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』から、天気が原因で体調が崩れるメカニズムや、不調を予防・改善するためのセルフケアの方法を一部抜粋・再構成してお届けします。

『1万人を治療した天気痛ドクターが教える「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

「気のせい」でも「心の問題」でもない

みなさんこんにちは、天気痛ドクターの佐藤純です。

昔から、「雨が降ると古傷が痛む」とか、「季節の変わり目は体調を崩しやすい」など、天気と体調とを関連付けることはよくいわれてきました。

しかし、その因果関係がはっきりとわからなかったため、当事者が症状をうったえても「気のせい」であるとか、「心の問題」として片付けられてしまっていました。

でも、それは決して「気のせい」でも「心の問題」でもありません。

私は長年、自律神経と痛みの関係性について研究を続けながら、原因不明の慢性痛を抱える患者さんたちを1万人以上、診察してきました。その中で、「天気」と患者さんの症状には、深い関係があるのではないか?と考えるようになりました。

そして、実験や研究を続けていくうちに、天気の変化が私たちの体や心に大きな影響を与えているという事実を突き止めることができました。

天気の変化に伴う不調には、頭痛、めまい、首・肩こり、腰痛、関節痛、むくみ、耳鳴り、だるさ、気分の落ち込みなど実にさまざまなものがあり、それらの病態を総称して「気象病」と呼んでいます。私は、その中で痛みを伴う症状のことを「天気痛」と名付けました。これらの不調は、天気(気圧、気温、湿度)の変化が耳の奥の内耳や自律神経に作用して現れるもので、誰の身にも起こりうる症状なのです。

日本では、3日に一度は雨が降ります。2020年の総務省統計局のデータによると、全国平均で雨の日は年間117日、都道府県別のデータで最も降水日が多い石川県では、185日という数字も出ています。

毎年、夏の前には平均40~50日続く梅雨があり、夏から秋にかけては台風の上陸もあります。豊かな四季は日本の長所ですが、一方では気候の変動が大きい、気象病大国ともいえる環境なのです。

都道府県別降水日ランキング(図版:アスコム)

都道府県別降水日ランキング(図版:アスコム)

そのような環境にもかかわらず、気象病による心身の不調を見て見ぬふりをしたり、「天気のせいだからしょうがない」と諦めてしまうと、雨の日=人生の3割の時間を不調で過ごすことになってしまいます。それは、とてももったいないことですよね。

天気をコントロールすることはできませんが、不調の原因が天気だとわかれば、症状が出る前に予防したり、天気に左右されにくい体をつくっていくことは十分に可能です。

私のクリニックには、原因不明の痛みや不調で悩まされてきた方が多く来院されますが、診察により天気が原因だとわかったことで、適切な対処をして症状が改善し、いまでは元気に毎日を過ごしているという方がたくさんいらっしゃいます。

いま、つらい思いをしている方も、同じように天気に左右されない元気な体を手に入れることができるのです。

体調不良の犯人は「気圧」

天気が原因で体調を崩す人は、気圧、気温、湿度という3つの要素に影響を受けることがわかっています。とくに気圧の影響は大きく、ある調査によると、約8割の人が気圧の変化で体調が崩れると回答しています。

気圧とは簡単にいえば空気の重さのことで、私たちの体はつねに空気の重さの影響を受けています。低気圧のときは、空気が軽くなる=体への圧力が弱くなり、反対に高気圧のときは、空気が重くなる=体への圧力が強まります。人間を含め、あらゆる物はつねに全方位から気圧の影響を受けています。それでも私たちの体がつぶれないのは、受けている気圧と同じ力で体の内部から押し返しているからなのです。

私たちは日常生活の中で、気温や湿度のようにわかりやすく気圧の変化、というよりそもそも気圧自体を感じることができません。しかし、実際には非常に大きな圧力がかかっています。1平方メートル当たりにかかる気圧(1気圧)は、約10トンといわれます。

体の表面積の平均は男性が1.6平方メートル、女性が1.4平方メートル。つまり、男性は約16トン、女性は約14トン(両者を平均すると15トン)もの圧力をつねに受けていることになります。ちなみに、1気圧を台風の勢力をあらわす数値としてご存じのヘクトパスカルに換算すると、1013ヘクトパスカル(大気圧の国際基準)。そして、たった1ヘクトパスカル下がっただけで、海水面は1センチ上昇します。

広大な海でさえ、少しの気圧変化でそれほどの影響を受けるわけですから、人間の体に多大な影響を与えるのは言うまでもありません。

気象病のメカニズムについてはまだ完全解明に至っていないものの、気圧の変化と密接にかかわっていることと、気圧を感じるセンサーが内耳にあることは確かだといえます。

気圧の影響を受けやすい人は、内耳にある気圧を感じるセンサーが敏感に反応するようになっています。内耳が急激な気圧の低下または上昇を感じると、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、痛みなどの症状が現れてしまうのです。

この原因は、内耳の血行不良です。

ですので、症状が現れるタイミングの前に血行をよくしておけば、内耳のセンサーの感受性が下がり、気象病の症状をやわらげることができます。

内耳の血行不良を整える方法には、ツボ押しや耳温熱などさまざまなものがありますが、ここでは、私が患者さんたちにおすすめしている「くるくる耳マッサージ」をご紹介します。

セルフケアで即時効果も期待できる

【くるくる耳マッサージ】

下記の(1)~(6)の手順でやってみてください。

(1)両耳の上部を軽くつまみ、5秒間、上に引っぱる
(2)両耳の真ん中を軽くつまみ、5秒間、横に引っぱる
(3)両耳の下部を軽くつまみ、5秒間、下に引っぱる
(4)両耳の真ん中を軽くつまみ、横に引っぱり、そのまま耳を前から後ろにゆっくり大きく5回まわす
(5)両耳を包むように曲げて、5秒間キープする
(6)両耳を手のひらで覆い、円を描くように前から後ろにゆっくり5回まわす

くるくる耳マッサージのやり方(図版:アスコム)

くるくる耳マッサージのやり方(図版:アスコム)

耳がポカポカと温まってきたのではないでしょうか? くるくる耳マッサージのいいところはセルフケアで即時効果も期待できるところにあります。気象病の症状が現れるタイミングは人それぞれなので、どんなときに不調が発生するのかを記録し、把握したうえで実践してみるとよいでしょう。

記事画像

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気象病や天気痛という言葉は、最近になってやっと少しずつ浸透してきましたが、まだまだ知らない人も多く、つらい不調を「心の問題」や「心の弱さ」として片付けられてしまうことも多いのが現状です。症状が重いのに職場や周りの理解が得られず、休職や退職に追い込まれてしまうというケースもあります。

くり返しになりますが、天気による不調は「気のせい」でも「心の問題」でもありません。しっかりした因果関係のある、誰もが発症する可能性のある症状です。そして、症状に応じた対策を取ることで、状態を改善し、自分でコントロールすることができるようになるものです。

もし、あなたやあなたの周りの方々が原因不明の不調に悩まされていたら、「この体調不良は天気のせいかもしれない」と疑ってみることがすごく大切です。体調不良は自己管理能力の低さにあると、自責の念に駆られてしまう人が少なくありませんが、「天気のせいで体調が悪い。だから自分は悪くないんだ」と開き直ることは思いのほか重要なのです。

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新型コロナの陰で着々と増え続ける「不調」の正体

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提供元:天気による体の不調を改善するセルフケアのコツ|東洋経済オンライン

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