2022.04.20
「仕事が終わらない人」に共通する3つのNG習慣|リモートワーク時代の「最速仕事術」とは何か?
仕事のやり方が変わりさまざまな不安がある今、仕事がはかどる3つの習慣を紹介します(写真:kikuo/PIXTA)
新型コロナウィルスの流行を受け、仕事のやり方が変わってきています。
在宅ワークが導入されて仕事の自由度が高まった分、仕事やモチベーションの管理は、自分で行わなくてはならなくなりました。
そんな新しい働き方が自分に合っているという人はよいのですが、一方でこんな声も上がっています。
「なんだか、以前より仕事のスピードが落ちたように感じる」
「やってもやっても仕事が終わらない」
「本当にこれでいいのだろうか、不安だ」──。
筆者は、講演や研修等でこれまで3万人超の人とお会いし、さまざまな相談、質問を受けてきましたが、ここ最近増えている相談が、「やってもやっても仕事が終わらない」というものです。
この相談をしてくる方たちのほとんどが、真面目で一生懸命に仕事をしています。なのに、漠然としたモヤモヤ、不安から、なかなか仕事がはかどらず、いつまでも終わらないのです。
読者の方の中にも、同じような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで、拙著『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』に収録している、仕事がはかどる習慣の中から、すぐにまねできて効果的な3つの習慣をご紹介しましょう。
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(1)不安材料を頭の中で片付けてしまう
法則:仕事が早く終わる人は不安材料を書き出し、 終わらない人は不安を頭の中で片づける
リモートワークで仕事をする機会が増え、同じ職場で顔を合わせていれば、気軽に質問できたのに、いちいち電話をするのも相手の時間を奪ってしまうのでハードルが高い、メールで相談しようとしても、こんなことを聞いて大丈夫かと思われるのではないかと尻込みしてしまうという声が多く出ています。また、各々の仕事が分担されていて、ほかの人の様子が見えないことで生じる不安を抱えているというケースもあります。仕事をしていくうえで、不安を感じるという方が増えてきているのです。
ここで、自分の中で強引に「まあ、大丈夫だろう」と思っても、結局、頭の片隅に不安が残り続け、それが「思考のノイズ」になります。
結果的に集中力が落ちるので、なかなか仕事がはかどらず、いつまでも終わらないのです。
一方、仕事が早く終わる人は、不安があればそれを実際に書き出し、意識して取り除いていきます。
書き出して「可視化」することで、自分の中から不安を取り出すだけでなく、状況を客観的に捉えることができるようになります。
書き出すと、頭の外に出るのでモヤモヤも残らず、頭の中がスッキリして集中力もアップします。
なお、不安材料を書き出す際は、3つのカテゴリーに分けて行います。
1. 明確なこと
2. 実はわかっていること
3. 本当にわからないこと
このように仕分けしてみると、本当の不安材料は、3の「本当にわからないこと」の1つだけだということが明確になります。
不安の感情は漠然とした抽象的な塊です。
その塊を分解し、具体化し言葉にすることで、中身が明確になります。
そのうえで、「変えられるもの」と「変えられないもの」に分けて考え、「変えられるもの」を変えていけば、不安をどんどん消していくことができるのです。
(2)雑談を軽視する
法則:仕事が早く終わる人は雑談を大切にし、 終わらない人は私語厳禁とする
現在はコロナ禍でリモートワークをする方が増え、なかなか雑談がしづらい状況になっています。また仮に出社して顔を合わせて仕事をしていても、飛沫を恐れて会話は必要最低限のみと雑談禁止にしている場合もあります。ちょっとした雑談で情報を得ることができ、それが気づきやアイデアにつながることは多くあります。身を守るためとはいえ、雑談禁止の動きは、とても残念に思います。
顔を合わさなくてもzoomなどのオンライン会議ツールで賄えるのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、zoomは3人以上の人が一度に話すのは難しいものです。また出社しているときと違って雑談する相手が限られてしまいます。当然、情報源も限られてしまい、情報の内容も偏ります。
仕事が早い人は雑談を大切にします。意識的に雑談をする機会を増やしているのです。
オンライン会議ツールだけでなく時にはチャットも使って雑談をします。また意識していないと交流に偏りが出てしまうので、リモートでも積極的に勉強会に参加したり、異部署との交流の場を定期的に設けたりしています。結果、2次情報ではなく1次情報を仕入れることができます。
雑談をせずに仕事に集中することは生産性を上げることにつながるかもしれませんが、それは一時的なものです。仕事の多くは1人で考えているより、誰かと相談しながらのほうがよいアイデアも浮かび、結果的にはより生産性が高まります。仕事が早い人は、そのことを知っているのです。
雑談から相手の仕事の状況を把握しておくことで、仕事を頼みやすい時間帯なども把握できますし、相手も日頃から接している人の仕事は快く受けてくれるでしょう。
雑談はムダで非効率に見えますが、実は仕事をスムーズにしてくれる潤滑油であり貴重な情報源なのです。自然に雑談ができなくなった今こそ、より意識して雑談の機会をつくっていきましょう。
(3)仕事の「ムラ」をなくそうとする
法則:仕事が早く終わる人はムラがある前提で考え、終わらない人はムラをなくすことを考える
リモートで仕事をしていると、会議室への移動や他部署へ質問しに行くことがなく、ずっと座っているので体中が凝ってくることがあると思います。
また昨今では戦争なども発生していて、先行き不透明な世の中や外出できないストレスの蓄積により心身が疲弊してしまっている人もいるでしょう。
こうした心身の状態は一見、仕事には関係なく思えるがゆえに、仕事には、つねにムラのないパフォーマンスのいい状態で臨まなくてはならないと考える人は多いでしょう。
しかし実際は、疲れや体調、感情、集中力の状態によって、どんなに優秀なビジネスパーソンでもムラは出てしまうものです。ですから、今の時代こそムラがあることを前提で仕事を考えていく必要があるのです。
仕事が早く終わる人は、ムラがある前提でスケジュールを考えます。ムラを無理になくそうとするのではなく、ムラと上手に付き合うのです。
具体的には、次のようにムラ対策をしています。
1. ムラが出てしまう時間を天引きする
自分が得意な時間帯でパフォーマンスを上げようと考えます。
集中力が必要な仕事や企画を立てるなど、頭を使うクリエーティブな仕事は得意な時間帯にまとめて組み込むのです。
2. ムラが出そうな時間帯に処理できる仕事や作業を充てる
移動時間に充てる、人と接する仕事をする、簡単に達成感を味わえる仕事をする、得意な仕事をする、短時間で終わる仕事を繰り返すなど、集中力が落ちていても問題なくできる仕事を「ムラ時間」にこなします。
3.ムラを小さくする儀式をつくる
ムラそのものをできるだけ小さくするように「コーヒーを淹れる」「体操をする」などの儀式をつくり、入れ込みます。
結局のところ、人は感情の生きものですから、どんなに対策をしても完全にムラをなくすことはできません。
大切なのは、自分はどうしたらムラが出るのか、その傾向を知り、それに合わせて仕事を進めていくことです。
ムラをなくそうと無理をすると、かえって仕事時間が増えてしまうので注意しましょう。
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今回ご紹介した3つは、仕事に取り組む姿勢を決めるためのものです。
毎日の仕事に、習慣として取り入れていただけるといいでしょう。
仕事の仕方、習慣は1人ひとり違います。これまでの仕事の積み重ねのなかで、構築されたものである分、簡単に変更できることではありません。
少しずつ、無理しすぎない程度で取り入れてみてください。
意識して何回か繰り返していくうちに、だんだん慣れてきて定着(当たり前の状態になる)してきます。
仕事の仕方が変わった分、気づかないうちに、あなたの仕事の仕方にも変化が出てきているはずです。『仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣』では、仕事が早い人の考え方、日々の行動のコツを多数紹介しています。
今の自分に合った仕事の仕方を見つけ、より快適な働き方をしましょう。
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提供元:「仕事が終わらない人」に共通する3つのNG習慣|東洋経済オンライン