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2022.03.31

「あの資料がない!」よく困る人、即解消の4大秘訣|「机の上が紙でぐちゃぐちゃ…」これでスッキリ


「『資料探しに時間がかかる人』が即実践したい4秘訣」について解説します(写真: Casanowe/iStock/Getty Images Plus)

「『資料探しに時間がかかる人』が即実践したい4秘訣」について解説します(写真: Casanowe/iStock/Getty Images Plus)

テクノロジー、政治、経済、社会、ライフスタイルなど幅広い分野の情報を発信し、日本のインターネット論壇で注目を集める佐々木俊尚氏。
「ノマドワーキング」「キュレーション」などの言葉を広めたことでも知られ、2006年には国内の著名なブロガーを選出する「アルファブロガー・アワード」も受賞している。
その佐々木氏が、このたび、『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』を上梓した。
情報があふれる時代に、どう「ネット記事」「SNS」などを読めばいいか、スマホで「気が散る」時代に、どう「書籍」を読みこなすかなど、自身が日々実践している「新しい時代の読み方」の全ノウハウを初めて公開した1冊で、発売後たちまち4万部を超えるベストセラーになっている。
佐々木氏が「『あの資料がない!』よく困る人、即解消の4大秘訣」について解説する。

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机の上に「紙の資料」はひとつもない

「あの書類、どこに行ったっけ……」「あの人の名刺、どこに置いたかな?」「仕事のアイデアを書き留めたメモが見つからない……」。あなたは、そんな経験がないだろうか?

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「探し物」は、時間がムダになるばかりでなく、脳に雑念が入ってきて、仕事の邪魔をしてしまう。じつにもったいないことだ。

私はジャーナリストという仕事柄、たくさんの人と出会い、たくさんの資料を読み、たくさんの映画や音楽や書籍にも触れる。

昔からこの手の人の仕事場は、名刺や雑誌の切り抜き、パンフレット、記者会見で配布された資料など大量の「紙の資料」であふれかえっていることが多かった。

にもかかわらず、私の仕事場の机の上には、ほとんど何も置いていない。あるのは、ノートパソコンとデスクライト、スマホの充電器、ペンやカッターナイフを置いた小さなトレイだけだ。

それはなぜかというと、情報のほとんどすべてはデジタル化してパソコンやクラウドに保存しているからだ。しかし、ただ片付いていればいいわけではなく、ここで大切なのは必要なときに「求める情報」をすぐに取り出せることである。

そのために私が実践している、「情報をデジタル化し、管理するコツ」について、今回はお伝えしたい。

机の上をすっきりと片付いた状態にしておくために、私は仕事場に持ち帰った紙類をすぐにスキャンする。さらに「資料を探しやすい状態で」保管するためには、そのあとの「ひと手間」が重要になる。

【1】紙の資料は「即スキャン」して処分

私は名刺も紙の資料も、仕事場に持ち帰ったらスキャナーですぐにスキャンしてデジタルデータにしてクラウドに保管し、元の名刺や紙の資料はすぐに捨ててしまう。

スキャナーは、「ドキュメントスキャナー」と呼ばれる書類専用のスキャン機器で、いまは富士通から出ている「ix100」というモデルを使っている。

このスキャナーのすぐれた点は、パソコンにケーブル接続する必要がなく、Wi-Fi環境にワイヤレス接続しておけば、直接クラウドに自動的にスキャンデータを送ってくれることだ。

長さ30センチほどの小ぶりのこん棒くらいの形状と大きさなので、場所をとらないのもいい。そこらに転がしておき、必要なときだけ持ってきて使う。バッテリー容量も十分で、マイクロUSB経由の充電は時折で済む。

「タグづけ保存」で探す手間を省く

【2】名刺は日付とタイトルをつけて保存

スキャンしたデータは、「メモアプリ」に保存する。メモアプリの「エバーノート」は、上記のスキャナー「ix100」と連動しており、スキャンしたデータを直接送り込むことができる。

それ以外のアプリでも、手元のパソコンにクラウド経由でデータを同期できるので、スキャンしてしばらくすると、PDFファイルがパソコンに自動的に保存されている。これを手作業でメモアプリにコピーすればいい。

ここで大切なのは、「日付」や「タグ」をつけて保存しておくことだ。

たとえば名刺であれば、名刺交換をしたら、仕事場に戻るなり、それらの名刺をすべてスキャンする。「メモアプリ」に「日にち」と「社名」「イベント名」などをタイトルにして保存し、「名刺」というタグもつけておく。

この作業は5分とかからないが、こうしておけば、あとから社名などで検索ができるし、メモアプリ上で「名刺」のタグを一覧表示させれば、過去の名刺がズラズラと時系列で表示されるので、「あの人と会ったのは、たしか昨年の夏ごろだったかな」という「おぼろげな記憶」から名刺を探り当てることができる。

私は書類や企画書、名刺だけでなく、趣味や生活に関する紙類、メモや原稿の類も徹底してデジタルデータで保存している。

【3】「趣味・生活の紙類」も、メモアプリに保存

たとえば、日ごろ使っている、さまざまな機器や道具に付属していた取り扱い説明書、映画のパンフレットなどもすべて、スキャンでPDFデータに変換し、多機能メモアプリ「ノーション(Notion)」に保存する。

名刺と同様、「マニュアル」「映画」といった具合に、あとから検索しやすいように、必ずタグをつけておく。

旅の記録となるパンフレットなども、「旅行」のタグをつけて保管している。

あとから読み返すときに便利なアプリ

【4】作成中の資料は「ベア」を活用する

「あれ、どこに行ったっけ?」と探すものは、もらった資料だけでなく、自分が書いたメモや作りかけの資料などのこともある。私が「書きやすい」だけでなく「探しやすい」という理由から、メモや原稿作成に愛用しているのが「Bear(ベア)」というエディターアプリだ。

通常のエディターやワープロと異なるのは、ただ文章を入力して保存するだけでなく、過去に入力したテキストを階層構造で自動保存できることだ。

たとえば「メールマガジン」という項目をつくっておき、そこに過去に書いたメールマガジンの原稿を積み重ねるように保存していく。「コラムのアイデア帳」という項目には、コラム原稿を頼まれたらヒントになりそうなメモや覚え書きが時系列にズラズラ足され続けている。

「ベア」の便利な機能として、「マークダウン記法」がある。これは、ウェブページなどで一般的に使われている「太字」「見出し」「下線」「打ち消し線」「番号付きリスト」「引用」などの修飾を手軽にできるようにしたものだ。

たとえば、行頭に半角の「#」とスペースを入れると、その行は見出しとして太字で大きく表示され、同様に「›」とスペースを入れると、その行は引用文になる。

この「マークダウン記法」を使えば、見出しをつけたり、太字にしたり、引用であることを明記したりできるので、あとからメモや原稿を読み返す際に非常にわかりやすくなるのである。

あとから読み返すときに便利な「マークダウン記法」に加えて、「ベア」にはもうひとつの重要な機能がある。

それは、すべてのテキストが自動保存されるので、「保存」ボタンを押すなどの行為がなくても、自動的にパソコンやスマホなどの記憶装置と外部のクラウドに二重に保存されているという点だ。

なので、パソコンでテキストを入力したあとに外出し、電車の中でスマホを開いて「ベア」のアプリを開けば、先ほどパソコンで入力した内容がきちんと反映され、更新されている。

これは、時間のムダを省くのと同時に、「忘れずに保存しておかなければ」「原稿が消えていないだろうか」という懸念や不安を取り除き、脳をつねに「クリアな状態」にするうえで非常に重要である。

クラウド化が果たす重要な役割とは

このように、私はあらゆる資料をデジタルデータに変換して、クラウド化している。それによって、机の上がすっきり片付くばかりでなく、資料をあちこち探すのに費やす「無駄な時間や手間」を省くことができる。

さらに、脳の中の「雑多なノイズ」を排除して「クリアな状態」にしておくことで、「新しいアイデアや思考」が生まれやすい環境が整っていく。

クラウド化の重要な意味は、私たちの脳の空間を清浄で整理されたものにし、本来取り組むべきことにのみ専心できるようにしてくれることである。

いつも「資料探し」に追われている人には、ぜひ今回紹介した方法を実践していただきたい。やってみれば、5分とかからない簡単な方法ばかりだ。

それによって、「部屋の空間」がスッキリ片付いて、ずっと快適かつ効率的に仕事を進められるのみならず、脳からも「雑多なノイズ」が排除され、「さまざまなアイデア」が思い浮かびやすい「土壌」が整っていることに気づくはずだ。

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