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2022.02.21

オートキャンプブームで「ルーフテント」に熱視線|東京オートサロンで見つけた注目アイテムたち


東京オートサロン2022に出展されていたルーフテントを装着した車両たち(筆者撮影)

東京オートサロン2022に出展されていたルーフテントを装着した車両たち(筆者撮影)

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近年のアウトドアブームにより、キャンピングカーや車中泊仕様のクルマに注目が集まっている。カスタマイズカーやカー用品の大規模展示会「東京オートサロン2022」(2022年1月14日~1月16日、千葉県・幕張メッセ)でもその傾向は顕著で、例年になくアウトドア色が強い車両やパーツ類の展示が目立っていた。

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中でも、今回のイベントで多く目にしたのが「ルーフテント」だ。クルマの屋根に積載することで、停車中などに就寝スペースとなるもので、輸入ブランドから国内メーカーのオリジナルまで、多種多様な製品が並んだ。

ここでは、東京オートサロンに出展された数々のルーフテントの中で、とくに注目モデルをピックアップすることで、アフターパーツ市場における最新トレンドに迫ってみる。

ルーフテントとは

スーリー製のルーフテント(筆者撮影)

スーリー製のルーフテント(筆者撮影)

ルーフテントとは、その名のとおり、クルマの屋根に取り付けるテントのことだ。ルーフキャリアなどのベースマウント上に取り付けることで、停車中に就寝スペースとして、また高い位置から大自然を眺める展望台のような空間となる。折りたためば、ルーフボックスのような形のケース内へ収納できるため、走行中に風などで倒れるなどの心配はない。テントには、箱形に立ち上がるスクエアなものや、三角テントのようになるタイプ、ふたつ折りで床面が2倍近くに広がるものなど、さまざまなタイプがある。

ポップアップルーフを備えた、ダイレクトカーズ製作のハイゼットトラック(筆者撮影)

ポップアップルーフを備えた、ダイレクトカーズ製作のハイゼットトラック(筆者撮影)

本格的なキャンピングカーにも、最近は「ポップアップルーフ」というものがあり、こちらもかなりの人気ぶりだ。ルーフテントとの大きな違いは、クルマの屋根自体がせり上がりテントになること。ルーフテントが純正の屋根のままで装着できるのに対し、ポップアップルーフは屋根をカットするなどのカスタマイズを施す必要があり、構造変更の届け出をしなければ車検にも通らない。素人に加工は難しいため、設置は専門業者へ依頼するのが一般的だ。

その点、ルーフテントであれば、自分で取り付けることもできる。しかも対応車種が幅広い。メーカーにもよるが、SUVやミニバン、商用バンや軽ワンボックスカーにいたるまで、さまざまな車種に取り付けることが可能だ。就寝スペースも、子ども1~2名のコンパクトなものから、大人4名に対応するタイプなど、サイズによってさまざまなモデルがある。

後方から見たポップアップルーフ(筆者撮影)

後方から見たポップアップルーフ(筆者撮影)

ただ、難点もある。ポップアップルーフの場合は、一般的にクルマの室内からテント内へアクセスできるのに対し、ルーフテントでは、車外からハシゴなどを登って入ることになるのがやや面倒だ。だが、手軽に取り付けられ、取り外せば純正の屋根に戻せるなどの手軽さは魅力で、アウトドアに興味がある幅広いユーザー層に注目されている。

人気ルーフキャリアブランドのスーリー製ルーフテント

スーリー製のルーフテント(筆者撮影)

スーリー製のルーフテント(筆者撮影)

そんなルーフテントの中でも、今回の東京オートサロンに出展された注目アイテムをいくつか紹介しよう。まずは、スウェーデンのブランド「スーリー」がリリースする「スーリー テプイ エクスプローラー(Thule Tepui Explorer)」シリーズ。自動車用品の商社である阿部商会がブース展示した。

スーリーは、主にルーフキャリアを扱うブランドで、日本でも数十年前から人気が高い。その有名ブランドが新規に立ち上げたのが当シリーズだ。ブースには、屋根に大人3名が収容できる「クケナム3」を装着したトヨタ「RAV4」を展示した。製品の特徴は、テントの生地に紫外線・カビへの耐久性に優れた高品質なコットン素材を使い、すべての季節に対応することだ。

また、テント周囲の各部にメッシュパネルを備えることで、内部を換気することが可能。テントは2重構造で、防水性が高いレインフライを取りはずし、すべてのパネルを開けば、より通気性を向上させることができ、夏場の晴天時でも快適に過ごすことができる。

ほかにも6.5cm厚の高密度マットレスを付属、小物の収納に最適な4つの室内ポケットを用意するなどで高い実用性を誇る。

ヤリスクロスに装着されたスーリー製ルーフテント。こちらは2名就寝タイプで、コンパクトに収納可能(筆者撮影)

ヤリスクロスに装着されたスーリー製ルーフテント。こちらは2名就寝タイプで、コンパクトに収納可能(筆者撮影)

ラインナップには、今回展示された3名の収容が可能なクケナム3のほか、収容人数2名の「エアー2」、生地を地上まで延長させテント下にもスペースを確保できる「アウタナ3」(収容人数3名)や「アウタナ4」(収容人数4名)などを揃える。価格(税込み)は31万9000円~58万3000円だ。

ダイハツのコンセプトカー「アトレーデッキバン キャンパーver.」に装着されていたジーアイワークスのルーフテント(筆者撮影)

ダイハツのコンセプトカー「アトレーデッキバン キャンパーver.」に装着されていたジーアイワークスのルーフテント(筆者撮影)

注目アイテムの2つ目は、「ジーアイワークス(GIWORKS)」のルーフテントだ。今回のイベントでは、ダイハツのコンセプトカー「アトレー デッキバン キャンパーVer.」や、アウトクラスカーズ(出展社名スズキコンプリート)が出展したデモカーのトヨタ「アルファード」などに装着されていた。

ルーフテントの外観(筆者撮影)

ルーフテントの外観(筆者撮影)

ちなみにダイハツのコンセプトカーは、2021年12月に発売された軽ワゴンの新型「アトレー」に追加された荷台付き仕様「アトレーデッキバン」がベース。外装にオリジナルのフロントバンパーやグリル、リアハッチゲートなどを装備して、アウトドアテイストを向上させたカスタマイズ提案モデルだ。

レクサスLM仕様にカスタマイズされ、ルーフテントを装着したアルファード(筆者撮影)

レクサスLM仕様にカスタマイズされ、ルーフテントを装着したアルファード(筆者撮影)

また、オリジナル・カスタマイズ車の製作販売を手がけるアウトクラスカーズのデモカーは、アルファードの海外仕様レクサス「LM」の純正フロントグリルなどを換装したフェイスリフトや、オーバーフェンダーなどで本格的なオフロード車のようなフォルムを演出しているのが特徴だ。いずれの車両にも、流行のルーフテントを装備することで、キャンプなどでの車中泊にも対応することをアピールした。

GIWORKS製ルーフテントの特徴は?

これら両車に装着されたルーフテントがジーアイワークス製だ。グランピング/キャンプ専門の同ブランドは、香港を拠点とする国際企業ガリレオイチローデコーデ(Galileo Ichiro Decode)が展開しているもの。日本では、日本総代理店のジーアイワークス・ジャパン(GIWORKS JAPAN)が販売を行っている。

ルーフテントの外観(筆者撮影)

ルーフテントの外観(筆者撮影)

製品の大きな特徴は、テントをたたんだ際に最上部になるカバー部やフレームなど主要部品に、高純度アルミニウム合金を使用していること。非常に頑丈で、耐久性があるだけでなく、テントを収納した際に非常に薄くできることがメリットだ。ジーアイワークス・ジャパンによると、「(カバー部などに)ファイバー製を使う従来のルーフテントでは、収納時の高さが約30cmになる」ものが多いという。一方で、当製品では「16cmほどの高さ」に収まるため、見た目が非常にスマートだ。

また、全高が抑えられるため、今回この製品を装着した2台のように、カバー部の上にラックなどを取り付けることも可能。移動時により多くの荷物をルーフトップ上部へ積載できる。

ルーフテントを装着したアルファード(筆者撮影)

ルーフテントを装着したアルファード(筆者撮影)

さらに最新技術で加工されたアルミ製フレームは、内部にいくつもの空洞を設けたハニカム構造となっており、直射日光による熱が内部に伝わりにくい特性を持つ。テント内の温度が外気温に左右されにくく、つねに快適な環境を保つことができる。

ほかにもテント本体の生地は、通気性に優れるだけでなく、耐水圧2000mmの素材を採用することで防水性の高さも両立する。加えて、テントとアルミフレームはジッパーで分離することができるため、万が一テントが破損しても、フレームなどはそのままでテントのみを交換することが可能だ。

なお、価格(税込み)は、主に軽自動車向けの全長2.08m×幅1.28m(重量60kg)のタイプが43万4500円、全長2.25m×幅1.53m(重量68kg)が47万8500円だ。

注目アイテム3つ目は『グラヴィス ルーフテント』

エブリイをベースにしたグラヴィスのコンプリートカー。こちらにもルーフテントが装着されていた(筆者撮影)

エブリイをベースにしたグラヴィスのコンプリートカー。こちらにもルーフテントが装着されていた(筆者撮影)

一方、エアロパーツの老舗ブランド「ギブソン(GIBSON)」のブースでは、トヨタ「ハイエース」に、オリジナルのルーフテントを装備したデモカーを出展した。こちらのルーフテントは国産で、ギブソンを手がけるストークが展開する別ブランド「グラヴィス(GRAVIS)」製だ。

こちらはハイエースをベースにしたグラヴィスのデモカーに装着されていたルーフテント(筆者撮影)

こちらはハイエースをベースにしたグラヴィスのデモカーに装着されていたルーフテント(筆者撮影)

特徴は、日本の風土や使用状況にマッチさせた、細部にわたる工夫による使い勝手のよさだ。まず、テントを折りたたんだ際に最上部となるカバー部には、長年エアロパーツを手がけてきたノウハウを生かし、FRP製の薄型ハードシェルを採用。テント収納時のフォルムに高いデザイン性を持たせるとともに、ワンタッチでオープンできるなど優れた機能性を両立させている。また、2枚構造のテント開口部には防虫ネットも備えることで夏場でも風通しがよく、内部の快適性を担保する。加えて、テントの生地とファスナーは防水タイプのため雨対策も万全。標準装備の3分割式フロントマットは丸洗いできる仕様とすることで、メンテナンス性にも考慮する。

当製品は汎用タイプのため、ルーフレールがあるクルマであれば、幅広い車種に対応する。重量は65kgで、就寝人数は大人2名。価格(税込み)が27万5000円とリーズナブルな点も大きな魅力だ。

ライノラックのルーフキャリアを装着したハイエース(筆者撮影)

ライノラックのルーフキャリアを装着したハイエース(筆者撮影)

今回の東京オートサロンには、まだまだ多くのルーフテントが展示されたが、ここでは筆者がとくに面白いと感じた製品を挙げてみた。また、ルーフテント以外でも、例えばクルマの屋根に荷物を積載できるルーフキャリアも、多種多様のアイテムが出展されていた。中でも、輸入商社のエクシズルラインが扱うオーストラリアのブランド「ライノラック(RHINO-RACK)」の製品は、とてもユニークだった。同社ブースでは、ルーフキャリアを装着したトヨタの商用バン「ハイエース」やジープのSUV「ラングラー」を展示したが、いずれの車両にも車体後部に広がる「バットウィング オーニング(BATWING AWNING)」という日よけが付いていた。

ライノラックのルーフキャリアを装着したラングラー。ルーフキャリアのほか、オーニングも装着していた(筆者撮影)

ライノラックのルーフキャリアを装着したラングラー。ルーフキャリアのほか、オーニングも装着していた(筆者撮影)

オーニングと呼ばれる車載用の日よけは、テント地などの生地を使った庇(ひさし)を車体横などから張り出させることで、日差しなどを防ぐためのものだ。テント生地などを使った庇は、ルーフキャリアなど車体上部に設置したオーニングのユニット内に収納が可能で、使用する場合は停車中に庇自体を引き出すだけだ。タープなどと違い、わざわざポールを立てる必要がないため、手軽に設置ができることで人気がある。

オーニングといってもタイプはさまざま

後方に大きく広がるオーニング(筆者撮影)

後方に大きく広がるオーニング(筆者撮影)

近年、キャンピングカーや車中泊仕様の車両などではおなじみとなってきたオーニングだが、この製品で注目なのはその開き方だ。多くの製品が横へ伸びるだけなのに対し、オーニングを270度の広範囲で広げることができる。製品名のごとく、まさにバットウィング(コウモリの羽)のように展開する。ちなみに広げた時のサイズは、長さ2500mm×幅2500mm×高さ2300mm。夏場などの野外で日差しを避けながら、ゆったりとくつろげる快適スペースを作るには最適だといえる。なお、価格(税込み)は15万4000円だ。

今回紹介した製品群は、いずれも高い利便性を備えるとともに、装着に大きな加工を必要としないことも特徴だ。とくに近年急増しているというアウトドア初心者にとって、製品さえ対応すれば、今乗っている愛車にも取り付けが可能なことはありがたいだろう。本格的なキャンピングカーに憧れはあっても高価であったり、車体が大型のため駐車場所に困ったりとハードルが高い……。そんなユーザー層が、手軽にキャンプや車中泊を楽しむには最適なのだ。「密」を避け、クルマに乗って海や山の自然を楽しむ。コロナ禍により加速したとみられる時代のニーズは、先行き不透明な社会状況と同調するかのように、今後もしばらくは続きそうだ。

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提供元:オートキャンプブームで「ルーフテント」に熱視線|東洋経済オンライン

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