2022.01.13
3人に1人は使っている!?ラク!時短!便利な冷凍野菜の気になる栄養価
昨年、長雨の影響などで全国的に野菜の出荷が減り価格が高騰したことにより、家計への負担が増えたというご家庭も多いのではないでしょうか。
そこで、生鮮野菜の代用品として需要が大幅に伸びているのが、価格が安定している冷凍野菜です。さらに、調理が簡単な冷凍野菜は、共働き世帯の増加や個食化の進展などを背景にニーズが高まっています。
今回は、野菜をカット、冷凍しパックしたもの(味付け調理のない物)、いわゆる冷凍野菜の気になる栄養価や活用方法などについてご紹介します[1]。
冷凍野菜の人気の秘密
冷凍野菜といえば、以前は外食やスーパーのお惣菜などで使われているイメージがありましたが、今では私たち消費者のニーズに合わせて、スーパーやコンビニには輸入野菜や国産野菜などのさまざまな種類の商品が並んでいます。
冷凍野菜が人気の3つのポイント
1.気軽に購入できる。
2.調理が簡単
3.保存期間が長い
種類によっては安価で気軽に購入でき、下処理されていて簡単に調理できるもの、自然解凍でそのまま食べられるものなどさまざまな種類のものがあります。
需要の高い野菜は?
需要の高い野菜は以下の通りです。
これらの野菜は下処理に手間がかかるものや、消費期限が比較的短い傾向がありますね。購入したものの、調理する時間がなく冷蔵庫に仕舞い込んでしまい、無駄にしてしまった経験が誰もが1度はあるのではないでしょうか?冷凍野菜は、そんな食品ロスを無くすためにも役立ちます[1]。
冷凍野菜の気になる栄養価
需要が拡大している冷凍野菜は簡便性に優れている一方で、「栄養価はどうなの?」と使用をためらう声があることも事実です。実際に冷凍野菜の栄養価は生鮮野菜に比べて劣るのでしょうか。
そんな疑問に答えるために、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」からそれぞれの栄養価を比べてみました。今回はかぼちゃとほうれん草の栄養価の一部をご紹介します。
比べてみると、生鮮野菜と冷凍野菜の栄養価には大きな差が見られないのがおわかりいただけるのではないでしょうか。生鮮野菜、冷凍野菜とあまり区別をせずに野菜を取り入れることをおすすめします[2]。
冷凍野菜を取り入れるメリットは?
わが国では、「平成30年国民健康・栄養調査」によると、20〜40代男女にける野菜摂取量の平均値が国の推奨値に比べて100g近くも足りていない現実が伺えます。やはり「仕事や家事が忙しくて時間がない」ことが野菜の摂取量が少ない理由の1つとなっているようです。
オーストラリア、ウロンゴン大学の研究では、冷凍野菜を推奨した食生活を送った人は国の推奨値である約375gを摂取できていたとの報告があることから[3,4]、わが国でも、冷凍野菜の活用が野菜摂取量の増大につながるかもしれません。
忙しい毎日でも冷凍野菜を上手に活用して健康的な生活を送ろう
さまざまな種類があり、ラク、時短、便利な冷凍野菜!自分たちのライフスタイルに合わせてもっと積極的に活用していきませんか?冷凍野菜を活用することで、今より簡単に多くの種類の野菜を意識してたくさん食べることができ、より健康的な食生活を送ることができます。
たとえば、下処理が面倒な里芋や根菜類を買うときは、1袋に複数の野菜が入っているミックス野菜を選んでみてはいかがでしょうか。
そして食卓にもう一品欲しいと思うときは、冷凍カットオクラ、いんげん、青菜などがあれば簡単にお浸しや付け合わせができますし、インスタント麺だけで済ませたいときなどに冷凍ネギや冷凍コーンがあれば簡単に誰でも栄養をプラスすることができます。
もし、野菜を調理することについて、“手間かかり、お金もかかる”、そんな隔たりがあるなら、下処理が不要で長期保存も可能、そして価格が比較的安定している冷凍野菜が救世主になるかもしれません。買い物の際は、是非、冷凍食品コーナーに立ち寄ってみてください。
【参考文献】(すべて2021年11月8日閲覧)
[1]独立行政法人農畜産業振興機構 |平成 30 年度カット野菜・冷凍野菜・野菜惣菜 に係る小売販売動向調査] ※外部サイトに遷移します
[2]文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ※外部サイトに遷移します
[3]厚生労働省|e-ヘルスネット|野菜食べていますか ※外部サイトに遷移します
[4]厚生労働省|令和元年国民健康・栄養調査報告|第1部 社会環境と生活習慣等に関する状況 ※外部サイトに遷移します
【プロフィール】管理栄養士/小学生アスリート食インストラクター 小野久実
管理栄養士の資格を取得後、精神科病院、老人保健施設、保健センター等に勤務し、給食業務や栄養管理業務で赤ちゃんからお年寄りまでの栄養指導を経験。現在は小学生アスリートのお子さんを持つご両親に向け “手間暇かけない栄養満点スポーツ食で、子供のベストパフォーマンスを引き出す”をコンセプトにした、パーソナル栄養講座を開催し、成長期に必要な栄養と競技の特性を合わせたスポーツ栄養の両方を考慮したチームや個人のサポートを行っている。
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記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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