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2022.01.06

「今年の目標」を挫折してしまう人の「悪習慣」|世界の「頭のいい人」が自然とできていること


決めた目標をしっかり達成できる人と、途中で挫折してしまう人の違いは、どこにあるのでしょうか? (写真:Taki/PIXTA)

決めた目標をしっかり達成できる人と、途中で挫折してしまう人の違いは、どこにあるのでしょうか? (写真:Taki/PIXTA)

2022年を迎え、今年の抱負や目標などを考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、「やろう!」と決めたものの、仕事や日々の生活に追われて、なかなかやりたいことに時間が割けなかったり、せっかく目標を立てたのに途中で諦めてしまう……ということもよくあると思います。

決めた目標をしっかり達成できる人と、途中で挫折してしまう人の違いは、どこにあるのでしょうか。

脳科学者の中野信子さんの『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』より一部抜粋、再構成し、お届けします。

『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

私は、東京大学を卒業し、大学院で医学博士号を取得した後、フランス国立研究所にポスドク(博士課程修了の研究者)として勤務していました。また、どんな面白い人が集うサークルなのかという興味本位で、MENSA(世界の全人口で上位2%の知能指数に入る人のみが入会を許される団体)の会員になったりもしました。

そのような中で、IQの高い人たちや、世界で評価され、活躍しているビジネスパーソンなど、世界中のさまざまな「頭のいい人」の姿を見ることができました。

ここでは、これまでに出会ってきた優秀な方々の中から、つねに高いパフォーマンスを発揮し、掲げた目標をきっちり達成していたある女性のお話をしたいと思います。

制限時間を設けて、やるべきことだけをやる

ドイツ人のEさんは、神経内科の優秀な医師。研究に対する意欲が高く、臨床もこなしながら、研究者としてのキャリアを積み上げていっている女性です。

彼女は目標を達成するまでの制限時間というのを自分で定めていました。すると自動的に「やるべきこと」が明確になります。あとはただその「やるべきこと」をこなしていくだけです。

ただし、ここからが肝心なのですが、彼女がすごいのは、「やるべきこと」を考えると同時に、「やらないこと」を明確にしていたところにありました。Eさんが研究者としても医師としても一歩抜きん出て、皆に評価され、優れた成果をあげることができた秘訣は、この「やらないこと」を上手に見つけていくところにあったのです。

研究者の世界の話ではなく、もっと多くの人に身近な題材を例に説明します。

例えば、「TOEICで今年は800点以上を取ろう」という目標を決めたとします。「やるべきこと」は簡単ですよね。必要な教材を集めて勉強することです。ただ、期限を今年中とすると、何でもかんでもやるというわけにはいきません。そこで、「やらないこと」を、次に探さないといけないわけです。よくよく考えると当たり前のことなのですが、「やらないこと」まで最初に決める人は、意外と少ないでしょう。

意味があると思うことが無意味である場合も多い

では、どんなことをやめたらいいのでしょうか。

ありがちなのが、新しい参考書や問題集を買い続けること。買っただけで英語ができるようになった気分になってしまうのでしょうか。でも、教材を手元に置いておくだけでは点数は上がりません。つまり、こういう人は「新しい本を買う」のを「やらないこと」が必要です。

また、勉強するときにモチベーションが上がるからといって、勉強仲間を増やすのに精を出す人もいるようです。でも、800点以上を取るという目標からいえば、無駄が多い行動ともいえます。目標はあくまで、スコアアップであり、勉強仲間を増やすことではないからです。

仲間が増えたところで、勉強をしないと、当たり前ですが点数は上がりません。驚くべきことに、満点を取った人など、ハイスコアの人と友だちになると、それだけで自分がハイスコアを取ったように錯覚してしまう人がいるようです。ウソのようですが、これはTOEICに限らず、大学受験などでもよくある話なのです。

ハイスコアの人と知り合いになれば、いい勉強法を教えてもらったり、刺激は受けるでしょうから、これはこれでいいことです。しかし、そのあとに自分で勉強をしないと、まったく意味がないのです。つまり、こういう人が決めるべき「やらないこと」は、「目標達成にはまったく無意味な人付き合い」となります。

期限が決められた目標を達成するには、できるだけ「やること」の数を減らすべきです。それで余った時間や労力を、「やるべきこと」にまわす必要があるわけです。

「この問題集さえやれば大丈夫だから、これだけは3回繰り返して、モノにしよう」というやり方が効果的なのです。できる限り単純にするようにしないと、目標達成のための方法を探し続けているだけで、あっという間に1年が終わってしまいます。

また、目標達成ができなかったのに、「目標達成のための方法論を調査した」ということに満足してしまっている人も意外に多いようです。実に残念なことです。

「やらないこと」を決める大切さを、わかっていただくことができたでしょうか。

これを決めておかないと、目標達成のために「やること」はどんどん膨れ上がってしまい、1日24時間ではとてもじゃないけど足りなくなってしまいます。それで実現不能な計画を設定してしまい、「こんなの無理だ!」と目標を投げ出すことになります。しまいには、「できる人と私とでは、生まれつきの才能が違うんだ」という、非論理的な結論を導き出すことになってしまうのです。

やろうと思っていたんだけど、挫折してしまって……というのは、怠惰だからできないのではありません。こうして、やることがどんどん増えていってしまった結果、できなくなってしまうということも多いのです。

とはいえ、「やらないこと」をついやろうとしてしまうのも人間の性。プレッシャーがかかっていると特に、冷静な判断力を失って、自分に無理難題を課してしまうのは、よくあることかもしれません。

そこで、可能であれば、1日ごとに、「やるべきこと」「やらないこと」のチェックリストを作ることをオススメしたいと思います。これを一日の終わりにチェックすることで、「やらないこと」をしないようにする習慣をつけるのです。

TOEICの勉強でいえば、こんな感じです。

□目標達成の期限を切ったか?
□「やるべきこと」「やらないこと」を決めたか?
□必要のない問題集を買わなかったか?
□無意味な人脈構築に時間を割かなかったか?

また、チェックリストは、だんだん変わっていってもよいのです。上記の最初の2つの項目は、目標を決めて行動し始めた頃に必要となるものですが、努力している途中ではあまり意味のないことになってしまうでしょう。そうしたら、「『やらないこと』をやっていないか?」に変えていきます。

チェックリストで「やらなくていいこと」もわかる

普通、チェックリストとは、「何かをするためのもの」だと考えられていますが、実は「何かをしないためのもの」でもあるのです。

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例えば、TOEICの勉強と称して、SNSで好みの外国人とのチャットに励む人もいます。でもこれは、長文読解や文法事項も問うTOEICの出題傾向からは、大きく外れている英語の勉強にしかならないのです。下心のある(かもしれない)相手とのなんちゃって英語チャットには、ほとんど効果がないことを理解しなければなりません。

チェックリストがあって、そこに「SNSに時間を割かない」とあれば、その時間をTOEICの点数アップで本当に必要な勉強に充てることができます。

目標達成のために何よりするべきこととは、やるべきでないにもかかわらず普段からやってしまっていることを、「削り取る」ことなのです。

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東大生の常識「そりゃ頭良くなるよ」という習慣

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提供元:「今年の目標」を挫折してしまう人の「悪習慣」|東洋経済オンライン

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