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2021.12.16

意外と簡単にできる「家のDIY」素人が始めるコツ|日曜大工とは違う手軽さやデザイン性が魅力


「Decor Interior Tokyo」ショップ内。中央の女性は同ショップ運営会社のGONGRIの森瑞喜さん(筆者撮影)

「Decor Interior Tokyo」ショップ内。中央の女性は同ショップ運営会社のGONGRIの森瑞喜さん(筆者撮影)

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コロナ禍で“おうち時間”が長期化した。その時間を使って、これまでできなかったことに手をつけたという人も多い。その代表例が、自宅の不要物の処分や部屋の模様替えだろう。

筆者が通っているスポーツクラブのバスルームで、年配の女性が「家が古くなって気になっていたところを、DIYのYouTubeを見ながら壁紙を張り替えたら、見違えるようにきれいになった」とお友達と話しをしていた。DIYもコロナ禍で需要が増えた事例だろう。

そこで、DIYによるセルフリノベーションを提案するデザイン会社「夏水組」のショップ「Decor Interior Tokyo」に最近の状況を聞いた。

コロナ下でDIY需要が増加

「Decor Interior Tokyo」は、壁紙やペンキなどの定番DIYグッズから床材や建具などの資材まで取りそろえるインテリアショップだ。同店を運営するGONGRIの森瑞喜さんによると、コロナ下で「家の中を何とかしたい」と考える30~40代の主婦層の来店が増えたという。DIYに興味はあるが時間が取れなかったという人にとって、在宅時間が増えたことで、最初の一歩を踏み出せるようになったからだろう。

DIYは材料だけ買えばよいというものではない。一般ユーザーがDIYするには扱い方を知る必要がある。つまり、教えてくれる人の存在もカギになる。

前述した年配女性のように、コロナ下でYouTubeを活用するようになって、動画を見ながらDIYに挑戦するという例もそうだろう。夏水組や同店ではDIYのワークショップなども数多く開催しているので、体験することもDIYのハードルを下げることになる。

また、同店のインスタグラムに載せた事例や一般ユーザーが実施したDIY画像をSNSで見て、「こんなに素敵な柄の壁紙があるのだ」と知り同店を訪れたという人も多いそうだ。

以前から「DIY女子」と呼ばれる人たちもいたが、一部のDIY好きの人に加え、コロナ禍のおうち時間によりDIYのすそ野が広がったということだろう。

同店で提供しているマテリアルは、壁紙や和風壁紙としても利用可能な襖(ふすま)紙、床材、塗料、タイルに加え、棚を据えるためのブラケット、ドアのノブ(取っ手)、フック、サインプレートなどの小物までと幅広い。

たくさんの種類がある壁紙・襖紙(筆者撮影)

たくさんの種類がある壁紙・襖紙(筆者撮影)

壁紙を貼るのりは、はがせるタイプと定着するタイプがあり、床材は、クッションフロア(両面テープで貼れる)とフロアタイルがある。塗料は、扱いやすい水性ペイントやコテで塗る漆喰、研磨すると表面が輝くヴェネチアンプラスターなど種類も豊富だ。

クッションフロア・タイルシートやノブなどの小物(筆者撮影)

クッションフロア・タイルシートやノブなどの小物(筆者撮影)

「失敗しないか心配」という人は…

失敗したときにやり直したいとか、賃貸住宅なので退去時に剥がしたいという場合は、剥がせるのりで壁紙を貼ればいいし、水性ペイントに慣れたので次はコテ跡を出したいなら漆喰に挑戦するなど、DIYの目的や熟練度などによって選択肢が用意されている。

筆者は不器用なのでDIYで失敗して、やらなきゃよかったと後悔しそうだ。そう伝えると、「DIY 失敗しないので」ということらしい。「養生と下準備をきちんとすれば、失敗することはない」と森さん。

道具をそろえるなどの基本はあるが、水性ペイントなら枠の部分をハケで塗って、中をローラーで塗ればいい。厚塗りせずに2度塗りすれば、ムラもなく失敗しないという。同店では、道具も欲しいという人のために「道具セット」も販売している。

人気のマテリアルは何かを聞くと、学生などの賃貸住まいの人はノブを変えたり、インテリアフィルムテープやタイルステッカーを貼ったりなどの簡単なDIYをするが、30~40代の人は原状回復を気にしない持ち家層が多いので、水性ペイントが人気だという。

水性の夏水組ウォールペイントはくすみ色が特徴(筆者撮影)

水性の夏水組ウォールペイントはくすみ色が特徴(筆者撮影)

水性ペイントは、既設の壁紙の上から塗れるので手順も少なく、850g缶(約2~2.6㎡に2度塗りできる量)で3960円(税込)程度と費用も安い。壁一面にペイントを塗装するのに2時間程度、休み休みやっても半日で終わるというからお手軽だ。

手についても洗って落とせるし、においもしないので、子どもと一緒に塗っても問題ないとか。実際に水性ペイントを買った人が「思ったより上手にできた」と、DIY後の写真を持って店を訪れることも多いそうだ。

水性ペイント「グリーペルル」と「ブロンカッセ」を1対1で混ぜて作った、オリジナルの明るいグレーで、壁の羽目板とドアを塗った事例(画像:Decor Interior Tokyo)

水性ペイント「グリーペルル」と「ブロンカッセ」を1対1で混ぜて作った、オリジナルの明るいグレーで、壁の羽目板とドアを塗った事例(画像:Decor Interior Tokyo)

DIYのメリットはコスパとオリジナリティ

DIYのレベルにもよるが、壁や床のマテリアルを変えるだけなら、模様替えの延長線上でできる手軽さがある。また、面積が大きい部分なので部屋の印象がかなり変わる。プロの事業者に頼むよりも格段に低価格ででき、見た目が一新するので、コストパフォーマンスがよいというのがDIYのメリットだ。

同店の打ち合わせスペースの壁には、サンプルとして壁紙が貼ってあるので、部屋のイメージが伝わる(筆者撮影)

同店の打ち合わせスペースの壁には、サンプルとして壁紙が貼ってあるので、部屋のイメージが伝わる(筆者撮影)

壁紙は、ロール売りもあるが1mから購入でき、国産のものなら1m(幅約92cm)で550円(税込)~。襖紙は襖1枚分(約200×約97㎝)で3960円(税込)~。クッションフロアは畳1枚分(1.82×1m)で2200円(税込)~、などとなっている。小さい面積からでも買えるので使い勝手もよさそうだ。

また、同店の水性ペイントは”くすみ色“といわれる独自の色合いだったり、壁紙では輸入壁紙を多く取り扱ったりしているので、ほかのお宅ではあまり見られない色や柄のものを探せる。自分好みのマテリアルで、イメージ通りに仕上がるというオリジナリティも大きな魅力だ。

今人気の壁紙は、輸入ものの「ウイリアム・モリス」の柄やゴッホ美術館とオランダの壁紙メーカー「BN」がコラボした、「ゴッホ」の絵画をモチーフにした柄だそうだ。たしかに、一般的にはあまり見られないものだ。

上がウイリアム・モリス柄(MORRIS & Co. STRAWBERRY THIEF 212565/1m 1645円(税込))、下がゴッホ柄(BN VAN GOGH MUSEUM 17140/1m 2024円(税込))(筆者撮影)

上がウイリアム・モリス柄(MORRIS & Co. STRAWBERRY THIEF 212565/1m 1645円(税込))、下がゴッホ柄(BN VAN GOGH MUSEUM 17140/1m 2024円(税込))(筆者撮影)

ワークショップでのDIY体験をきっかけに

同店では「ワークショップ」を頻繁に開催している。「パネルに壁紙を貼る」「スツールに壁紙を貼る」「木製フレームにペイントする」などのワークショップが開かれているが、すぐに埋まってしまうことも多いという。パネルやフレームなど小さなものに貼ったり塗ったりする体験から始めて、自分の部屋へとステップアップしていく。そうすることで、DIYを手軽に感じさせることにつながっている。

ただし、DIYには注意点もある。構造体にかかわるため、物件によって「手を付けてはいけない場所」もある。どの場所にどこまでならできるかを、きちんと見極める必要があるので、専門家の助言が欠かせない。わからないことや不安なことを質問できたり、相談に応えてくれたりする場があることも、DIYの普及につながっている。

同店は手軽さやおしゃれな柄の多さから、DIYをする女性に人気だが、各地のホームセンターでもDIYの道具や商品を豊富にそろえている。ホームセンターの中には、DIYアドバイザーなどの専門スタッフを配置したり、工具のレンタルをしたりをしているところもある。壁の塗装やシート貼りなど手軽なDIYに加え、いわゆる「日曜大工」のような電動工具を使って木を組み立てたりすることまで幅広く対応できるのが、ホームセンターの特徴だ。

ホームセンターに加えて同店のようなショップの登場により、一般の人が取り扱いやすい商品が多様にそろい、DIYのノウハウを提供する場ができたことなどで、DIYは広く浸透してきた。これからは、住みながら自宅に手を入れる家庭が増えるかもしれない。日本の住宅の住み方も、少しずつ変わっていくのだろう。

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提供元:意外と簡単にできる「家のDIY」素人が始めるコツ|東洋経済オンライン

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