2021.12.15
誰でも簡単「使った野菜の切れ端」家で再生する技|捨てる前に試してほしい「リボーンベジタブル」
野菜を再生する方法を解説します(写真:ひとり君/PIXTA)
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リモートワークや在宅勤務が定着してきた近年、自宅でできる趣味を新たに始める人が増えています。なかでも、野菜の切れ端を育てて再収穫を目指す再生栽培は「リボベジ(リボーンベジタブル)」とも呼ばれ、特に関心が高まっています。多くの人がリボベジに夢中になる理由とは? プロの農家にアドバイスをする農業コンサルタントであり、農業専門YouTuberでもある宮崎大輔氏が解説します。
※本稿は『キッチンからはじめる!日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり』を一部抜粋・再編集したものです。
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食品ロス削減だけでなく癒やしもある
家庭菜園への関心が一気に高まっています。2020年の私のYouTubeのチャンネル登録者数は5倍超を記録。これは、今までの増加速度とはレベルが違いました。世間では農業系チャンネルの中でも家庭菜園に特化するチャンネルが急増し、どのチャンネルも登録者数を伸ばしています。
2020年に起こった、家庭菜園への関心が高まる出来事とは何なのか。大きな要因は間違いなく、新型コロナウイルス感染症のパンデミックです。ステイホームが叫ばれ、持て余したおうち時間を新たな趣味につぎ込む人が増えるなかで、家庭菜園もその選択肢のひとつとなりました。
家庭菜園のなかでもとりわけリボベジに注目が集まっています。これは、リボベジの持つ5つの魅力に由来すると考えられます。
リボベジの魅力(1) 種や苗を買わなくていい
リボベジは、野菜の切れ端や捨てるはずだった根元を土に植える、実から種を取るなどの方法で栽培をスタートさせるため、うまく育てれば購入した野菜の何倍にも相当する収穫を得ることができます。芽が出たジャガイモなど、普段なら廃棄してしまう野菜を使って育てる方法もあるので、食品ロスの削減にもつながります。
外出を控え、なかなか遠出ができないと、自然や植物に癒やしを求める人が増えます。近場の公園に出掛けてリフレッシュする、観葉植物を愛でる、という行為と同じように、野菜を育てることでも植物がもたらす癒やし効果を期待できます。
リボベジの魅力(2) 育てるのが楽しい
ローズマリーやフェンネルなど、再生栽培に向いている野菜には観葉植物的な楽しみを持つ野菜もあります。そもそも、野菜がどのように育つのかをじっくりと観察する機会は多くありません。動画で成長過程を紹介すると驚きや喜びのコメントをいただくことからわかるように、多くの方にとって、野菜を育てることは「楽しい」のです。
リボベジには、野菜の切れ端を水に浸けるだけで育てられる方法があります。これなら、野菜はもともと食べるために購入したものですし、水をためられる容器さえあれば始められるため、追加出費がありません。容器は、ペットボトルやプラスチック製のトレーを利用すればいいのです。
リボベジの魅力(3) 簡単に道具がそろう
しっかりと育てるためには土やプランターが必要になりますが、これは100均で購入できます。少量の野菜を育てるならば土の量はそれほど必要ありませんし、容器も小さいもので十分です。大変な準備は要らず、始めるためのハードルが低いことも再生栽培が人気を得た大きな理由です。
コロナ前からじわじわと始まっていた家庭菜園ブームの背景には、食の安全を求める消費者心理があります。少し割高でも安心できる食材を求めて、生産者の顔が見える産直やマルシェに人々が集まりました。突き詰めて考えれば、自分で栽培した野菜が最も安心できるのではないでしょうか。自分で育てるので、農薬を使わず有機栽培で確実に育てることができます。自分で食べる分だけなので、大量生産をする必要もありません。
親子で取り組むのにピッタリな趣味
リボベジの魅力(4) 安心・安全な食材を得られる
また、自分で再生栽培をして収穫するならば、行動範囲は普段行くスーパーだけで事足ります。遠くの産直市場まで出かける必要はありません。コロナ禍においては普段と違う場所へ出かけることに不安を覚える人も多く、このような点からも再生栽培が支持されています。
大人も子供も在宅時間が増えたことでコミュニケーションの機会も増大しました。ところが、どう過ごしたらいいのかわからないと戸惑う人も見られます。年齢を問わずにできる家庭菜園やリボベジは、親子で取り組むのにピッタリな趣味になります。
家庭菜園よりもずっと小規模に始められるリボベジなら、広い庭や畑は必要ありません。どんな家庭でも気軽にできます。
リボベジの魅力(5) 親子で取り組めて食育にもいい
ある視聴者から「ピーマン嫌いな子供が、自分の育てたピーマンを食べられるようになった」という声もいただいています。
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早いものは育て始めてから1~2週間で収穫できる野菜もあり、子供の自由研究としてもいいでしょう。
野菜を育てて、収穫して、料理する。親子のコミュニケーションのきっかけにも、普段食べている野菜がどのように作られているのかを教える食育にも喜ばれています。
このように、再生栽培には、コロナによって変化した生活スタイルや人々の心理にうまく寄り添う魅力がたくさんあります。
ここでは、ネギ、ニンニク、ミニトマトの栽培方法を紹介します。ぜひ挑戦してみてください。(※外部配信先では図をすべて閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
(構成:大川真由美、画像の出所は『キッチンからはじめる!日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり』)
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提供元:誰でも簡単「使った野菜の切れ端」家で再生する技|東洋経済オンライン