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2021.12.10

リモート生活で増えたぜい肉を落とす超簡単テク|まずは「お腹とお尻」に徹底的にこだわるべし


リモートワークで気になる体重増、体力低下をなんとかしたい人は必見!(写真:kai/PIXTA)

リモートワークで気になる体重増、体力低下をなんとかしたい人は必見!(写真:kai/PIXTA)

リモートワークで増えた体重を落としたい、低下した体力をなんとかしたい、筋力をつけたい……。日々の生活の中でそう感じている人は少なくないはず。そこで、テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体をつくるメソッドを伝授するシリーズ。1回目は「まず手をつけるべき運動」について解説します。

新型コロナの新規感染者数が減り、少しずつ日常を取り戻しつつある昨今ですが、長期間の自粛、リモートワークなどで体力の低下や体重の増加を感じている人は多いのではないでしょうか?

その運動不足を解消するにはもちろん運動が不可欠ですが、皆さんがまず手をつけるべき運動は何でしょうか? 次の3つから選んでください。

A有酸素運動 B筋トレ Cストレッチ

運動不足で体力低下が気になったら…

正解はCの「ストレッチ」です。思った通りでしたか? それとも意外だったでしょうか?

もちろん、全身持久力(呼吸器、循環器系の機能)を高める有酸素運動も、筋肉量と基礎代謝を上げる筋トレも大切です。ですが、運動不足で体力が低下してしまったあなたが、まず取り組むべきなのは、体の柔軟性を高めるストレッチなのです。その理由は5つあります。

1つめの理由は、さまざまな体力のなかで特に衰えやすいのが柔軟性だからです。有酸素運動や筋トレは即効性がなく、効果が表れるまでに時間がかかります。反面、運動をやめた場合の持久力や筋力の低下もゆるやかで、1週間程度は効果が持続します。

一方、柔軟性を高めるストレッチは、実施したその場で効果が表れ、体が柔らかくなる即効性のある運動です。

例えば、長座体前屈(足を伸ばして座った状態で前屈する)は、1回めより2回めのほうが、2回めよりも3回めのほうが記録はよくなります。ですが、その反面、ストレッチの持続時間は長くはなく、1~2日でほとんど元に戻ってしまいます。ですから、運動不足でもっとも衰えているのは柔軟性であり、ここから手をつけるべきなのです。

2つめの理由は、ストレッチは単に柔軟性を高めるだけでなく、体のコンディションを整えてくれる働きもあるからです。

基本的に、運動は体を一旦疲労させることによって、その刺激に体を適応させながら少しずつ体力を高めるものですが、柔軟性を高めるストレッチだけは別物。疲労を起こすどころか、筋肉の緊張をほぐして血行を促し、疲労を和らげる効果があるのです。

長引くコロナ禍で首や肩のコリや腰の張り、下半身のだるさといった体の不調に悩まされている方も多いでしょう。それを放置したまま有酸素運動や筋トレに取り組むのは、つらいものです。まずは体をいたわって良い状態にしてから、アクティブに体を動かすべきなのです。

3つめの理由は、ストレッチには、心のコンディションを整えてくれる働きもあることです。

ゆったりとストレッチを行うと、自律神経のうち、心身を興奮状態に導く交感神経の働きが抑えられ、逆に心身をリラックス状態に導く副交感神経の働きを高める効果があるのです。知らず知らずのうちに心のストレスもたまりやすくなっている昨今。まずストレッチで心もいたわってリセットすれば、自然と運動意欲も高まります。

猫背を続けるとその状態が定着する

4つめの理由はストレッチには姿勢を整える効果もあることです。

今の私たちの生活は、家でもオフィスでも移動中でも圧倒的にイスに座る時間が長く、「日本人は世界で最もイスに座る時間が長い」という研究結果もあるほどです。特にリモートワークなどで家にいる時間が長くなったこの2年はなおさらです。

イスに正しい姿勢で座っているのならばいいのですが、パソコンやスマホの画面が目線より低い位置にあると、目線が下がります。目線が下がると姿勢制御のために、反射的に背中が丸まることになります。

姿勢は、投げる、打つといった「技術」同様、繰り返すほど体に定着していくもの。背中を丸めてイスに座る時間が長くなればなるほど、無意識のうちに背中が丸まった猫背が定着してしまうことになるのです。

この姿勢の悪さは、見た目の印象を老けさせるだけではありません。首や肩のコリ、腰の張りといった体の不調の原因となりますし、有酸素運動や筋トレを行った際のケガの原因にもなります。猫背のまま走ったりスクワットをしたりすると、膝や腰の関節や骨などに余計な負担がかかってしまうからです。これは悪いフォームで投げるピッチャーが肘や肩を痛めやすいのと同じ理屈です。

姿勢を修正するためには、座っていても立っていても背すじが伸びた良い姿勢を心がけて実践することが必要ですが、もう1つ大切なことがあります。それはお尻とお腹をストレッチして、柔軟性を高めること。

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この連載の一覧はこちら ※外部サイトに遷移します

いくら意識して背すじを伸ばそうとしても、お尻の筋肉が硬いと骨盤がうしろに傾いてしまい、また、お腹の筋肉が硬いと胸が下に引っ張られるため、背中全体が丸まってしまうからです。

ですから、私たちがまず行うべきなのは、お尻とお腹のストレッチです。次のページでイスに座ったままでも手軽にできるお尻とお腹のストレッチをご紹介します。

5つめの理由は、柔軟性の低下を放置したまま、いきなり有酸素運動や筋トレを行うと、ケガをしやすいからです。悪い姿勢が骨や関節に負担をかけて、ケガにつながることは先ほど触れた通りですが、それだけではありません。

しなやかな竹が折れにくいように、筋肉も柔軟性があれば強い力が加わっても肉離れなどのケガをしにくいのです。逆に硬い板が割れやすいように、硬くなった筋肉のまま強い負荷が加わると、損傷しやすくなります。健康のために行う有酸素運動や筋トレでケガをしたのでは、元も子もありません。まずはストレッチでコンディションを整えて、次のステップとして有酸素運動や筋トレを取り入れるべきなのです。

イスに座って目線を下に向ける時間が長いと、特に硬くなりやすいのは「お尻とお腹の筋肉」です。これらを柔らかくすることで、背すじがピンと伸びて、姿勢が若々しく美しくなるとともに、筋肉のコリや張り、そしてケガの予防につながります。

1日数回は行いたい「お尻&お腹ストレッチ」

■お尻(大殿筋)のストレッチ

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(1)イスに浅く座り、足を腰幅に開く。つま先は正面。背すじを伸ばして両手を太ももの上にのせる
(2)背すじを伸ばしたまま、両手で太ももの裏を持ち、引き寄せながらゆっくり前傾する。お尻が気持ちよく伸びる位置で静止し、10秒キープ
(3)姿勢を戻したら、ひと呼吸おき、これを3回繰り返す
※お尻を突き出すようにしながら、股関節を軸に前に傾けるのがポイント。背中が丸まっているとお尻が伸びないだけでなく、腰に負担がかかるので注意

■お腹(腹直筋)のストレッチ

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(1)イスに浅く座り、足を腰幅に開く。つま先は正面。両手を伸ばしてイスの背もたれの下側(あるいは座面のうしろ側)を持つ
(2)腕を伸ばしたまま上体を反らす。お腹と胸を前に突き出すようにし、目線はできるだけ上に向ける。お腹が気持ちよく伸びた位置で静止し、呼吸をしながら10秒キープ
(3)姿勢を戻したら、ひと呼吸おき、これを3回繰り返す
※胸を高く引き上げ、上半身でアーチを作るようなイメージ。首だけを無理に反らさない

ストレッチの効果を上げるには一度に長時間行うよりも、短時間でもこまめに行うことが大切です。いずれもイスに座ったままできるので、仕事や家事の合間など、1日に数回、繰り返しましょう。

イラスト:竹口睦郁

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提供元:リモート生活で増えたぜい肉を落とす超簡単テク|東洋経済オンライン

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