2021.11.22
糖尿病と遺伝の関係性〜ポイントをシンプルに解説〜
「遺伝する病気があると聞いたことがあるけれど、糖尿病はどうなんだろう」と考えたことはありませんか?
そこで本記事では、糖尿病と遺伝の関係について、わかりやすく解説していきます。
シンプルにまとめていますので、最後までお付き合いください。
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【父親または母親が糖尿病】自身に遺伝する可能性は?
1型糖尿病の場合
現在の医学でははっきりわかっていないというのが正解ですが、1型糖尿病は遺伝子が強く影響しているのではないかと考えられています。
そのため、父親や母親といった近い親戚に1型糖尿病の人がいるという場合は糖尿病について知っておくことが大切かもしれませんね。
2型糖尿病の場合
2型糖尿病は、遺伝に関する原因と生活習慣などに関する原因があると言われています。
なお遺伝とは少し違いますが、食べすぎや運動不足などの 2型糖尿病になる可能性を高くするような生活習慣を家族と一緒に行っていると、家族の中で糖尿病になる人が増える可能性が高くなることがあります。
ですので、家族みんなで気を付けるようにすると良いでしょう。
糖尿病が遺伝する割合
2型糖尿病は生活習慣が大きく影響するので、遺伝する割合をはっきりお伝えすることは難しいです。
ただ、以前の調査で2型糖尿病の兄弟や姉妹がいる人は2~3倍、父親・母親が2型糖尿病である人は3~4倍ほど糖尿病になりやすいと言われています。
糖尿病を予防するには
運動療法や食事療法は糖尿病の治療というイメージがあるかもしれませんが、糖尿病の予防にも大切です。
運動療法
運動療法の基本は、散歩・ジョギング・水泳といった有酸素運動を中心に、筋トレのような無酸素運動を組み合わせて行うことが効果的と言われています。
ただし、無理は禁物です。毎日続けられるように、適度な運動を心がけましょう。
また、心臓などに病気を抱えている場合は運動療法をしない方が良いこともありますので、心配な方は主治医に相談してみてもよいかもしれません。
食事療法
「血糖値を下げたり痩せたりするためには炭水化物を抜けば良いのではないか」と思いがちですが、無理に食事の量を減らしたりバランスの悪い食事をとったりすることは、逆に血糖値のコントロールを悪化させてしまうことがあります。
ですのでもし悩んだら、まずは食事にサラダを添えたり一品おかずを増やしたりしながら、野菜や海藻、きのこに含まれる食物繊維(※)を取り入れる工夫から始めることもおすすめです。
(※)食物繊維は血糖値の急上昇を抑える働きが期待できる栄養素です。
まとめ
それでは本日のまとめです。
◎1型糖尿病は遺伝子が強く影響している可能性がある
◎2型糖尿病は、遺伝だけでなく糖尿病になりやすい生活習慣を一緒に送ることも影響する
◎糖尿病を予防するためには、食事療法と運動療法が大切
以上です。
糖尿病と遺伝の関係は明らかになっていないことも多いですが、本記事を読んで『糖尿病に気を付けよう』と思っていただければ嬉しいです。
■参考文献
・国立国際医療研究センター糖尿病センター(2020):家族や大切な方が糖尿病といわれたら,(2021.11.01アクセス) ※外部サイトに遷移します
・一般社団法人日本内分泌学会(2019):2型糖尿病,(2021.11.01アクセス) ※外部サイトに遷移します
・医療情報科学研究所(2021):病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌第5版,メディックメディア,43-45
執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石 香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:糖尿病と遺伝の関係性〜ポイントをシンプルに解説〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】