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2021.11.12

「リアル出社で久々の雑談」乗り切る4つのコツ|衰えた会話力を「リハビリ」するための方法


久しぶりの出社でうまく会話をするには(写真:foly/PIXTA)

久しぶりの出社でうまく会話をするには(写真:foly/PIXTA)

緊急事態宣言が明け、社会が通常運転に戻りつつあります。出社の頻度が増え、飲み会が開催される会社もあるようです。コロナ以前の会社員生活を謳歌する人がいる一方で、変化についていけず戸惑っている人も少なくありません。「久しぶりにリアルで同僚と話すので緊張する」「飲み会のノリや作法を忘れたからうまく楽しめない」という声も聞こえ始めています。そこで本稿では、上手に会話を「リハビリ」するための方法を、心理カウンセラーの五百田達成氏の『超話し方図鑑 思いどおりに人を動かす! 誰からも好かれる! 』より紹介します。

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以前は普通に行えていた同僚との会話が、久しぶりにリアルで会ってみるとうまくいかないのは当然のこと。その原因は心理的距離にあります。

これまでオンラインで仕事をしてきた仲間・相手とは、知らず知らずのうちに心理的距離が遠のいています。

以前は、オフィスでのちょっとした声かけや、エレベーター前での何気ないやり取りのおかげで、微妙な関係が保たれ日々のコミュニケーションは円滑に回っていたわけです。

オンライン会議やチャットは効率的で便利な反面、ちょっとした雑談や、なんでもないやり取りは減る一方でした。つまり、ただ普通に仕事をしてるだけで、会社の仲間とはどんどん疎遠になっていたのです。

遠のいた心理的距離を回復するためには、なんでもない会話、ちょっとしたコミュニケーション、つまり「雑談」が効果的です。

そこで今日からすぐに実践できる雑談のコツをいくつか、効果を裏付ける科学的エビデンスと共に紹介します。

「ビデオトーク」で雑談 〜見たものをそのまま話題に〜

雑談とは「微妙な関係の相手と、少しだけ心理的距離を縮めるための、ちょっとした会話」のこと。そのためには、とにかく会話のラリーを続けることが効果的です。

あえて面白い話をする必要はありません。「一緒に話した」という事実が大事なのであって、内容はなんでもいいのです。

とはいえ、なんの話をしたらいいか迷う場合は「ビデオトーク」が有効。その名のとおり、目に入ったものをそのままビデオで映し出すように話題にしていきます。

机、時計、腕時計、相手の髪型、服装、書類、イス、メニュー......。そうすると、天気やニュースといったいわゆる「時事ネタ」を話すのに比べて、

・視界に入っているモノが話題なので話を続けやすい

・話に詰まってもほかの話題に展開しやすい

・モノをさわったりして、間が持ちやすい

といった効果が得られ、お互い、気まずさが減ります。結果的に「とりあえず数分間会話をした」という事実が残り、心理的距離が縮まります。とくにタクシーの車内では、車窓から見えるものを次々と話題にしていけば、会話のラリーは続きやすくなります。

ちなみに、自分が感じていることが、実際以上に相手に伝わってしまっていると考える傾向のことを「透明性の錯覚」と言います。会話が途切れて沈黙が訪れると「こちらのあせりがバレているのでは?」と、勝手に感じてしまうのもこの典型例です。

話の目的を「ネタバレ」 〜「こうなってほしい」という目標を示す〜

話の目的を先に伝えてしまう話し方も、緊張する相手と話すときには効果的です。

「適当に聞き流してほしいんですけど」

「これから言うことを、よく覚えておいてくださいね」

「アドバイスは要らないので、とりあえず聞いてくれる?」

「気楽に笑って帰ってください♪」

これは相手の行動を指示する言い方なので、一見失礼に聞こえるかもしれませんが、相手としては、

・どういう気持ちで聞けばいいか

・何が求められているか

がより明確になるので、手間(コスト)が省けストレスが減ります。結果、要望通りの行動をとってくれる可能性が高まります。また、話すほうとしても早々にネタバレをしてしまうので、落ち着いて話すことができます。

ちなみに、アメリカの心理学者ロックが提唱した「目標設定理論」は、曖昧な目標より明確な目標のほうが、モチベーションを高く保てることを指摘しています。これは「会話の目標を最初に示してしまう」ことの効果を裏付けています。

「クローズドクエスチョン」で質問 〜会話の序盤はシンプルな質問で緊張をほどく〜

心理的距離が遠い相手、つい緊張してしまう相手と話す際には、「Yes/No」で答えられるクローズドクエスチョンが効果的です。

「クローズドクエスチョンは話がそこで終わってしまうから雑談には不向き」と思われがちですが、会話の序盤では重宝します。

「御社って汐留でしたっけ?」

「はい、汐留です」

「最近、移転しました?」

「いえ、移転はしてないですね」

「大阪に支社あります?」

「はい、あります」

こうすれば多少ぶつ切れでも会話は続くので、相手の緊張感・警戒心は徐々に減っていきます。相手としては、

・がんばって話しかけてくれている

・敵意はなさそうだ

・答えやすい(負担が少ない)

といった印象を持ちます。

またこうしたシンプルな受け答えを交わすうちに、「ちゃんとした会話をしなければ」という心理的ハードルが下がっていき、結果的に相手からも「えーと、御社は新宿でしたっけ?」など質問が出てきやすくなります。

ちなみに、理化学研究所の研究(2013年)によれば、2者の間で発話のリズムが同調すると、脳波リズムも同調することがわかりました。「会話のリズムがコミュニケーションにおいて重要である」ことを裏づけています。

「How」で質問〜「Why」で相手に負担を強いない〜

雑談が続いて場の空気もあたたまってきたら、いろいろと質問して話を深めたくもなります。が、その際、「Why(理由)」ではなく「How(状況)」の形式で質問するのが効果的です。

そもそも会話における「質問」の目的は「相手が話しやすくなる」こと。「こちらの好奇心を満たす」ことではありません。

×「寝坊しちゃって、まいったよ」「なんで寝坊なんかしたの?」 「いや、なんでって言われても...。アラームが……」

○「寝坊しちゃって、まいったよ」「そりゃ大変だ。どれぐらい?」 「2時間! やばくない!? それでね〜」

×「最近、転職を考えてて」「どうして? 何が不満なの?」「いえ、不満ということはないんですけど……」

○「実は最近、転職を考えてて」「そうなんだ。どんな業界?」「具体的なイメージはないんですけど、今の働き方が合ってないかなって」

そもそも「Why」は「聞き手が好奇心を抑えられずに尋ねる」場合がほとんど。

ですが、理由を尋ねられると相手は強制的に「醒めた」 状態に引き戻されます。「なんでだっけ?」「ちゃんとした理由を言わないと……」とプレッシャーを感じます。一方、幅広く状況を尋ねられると、答えたいことを答えられるので話が広がりやすいのです。

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ちなみに、カルガリー大学のカールの研究によれば、質問には(1)情報を得るための質問と、(2)相手の思考や自己理解をうながすための質問があり、カウンセリングにおいては(1)よりも(2)のほうが効果的、ということがわかっています。

このように、話し方をちょっと工夫するだけで話しにくい相手、緊張してしまう相手ともスムーズにコミュニケーションをとることができます。

コロナが明けて間もない今のタイミングでは、いきなり以前のような「何でも気楽に話せる間柄」まで、関係を持っていくのは困難。

まずはじっくり焦らず、すぐにできる簡単なコツから始めて、衰えた会話力を「リハビリ」していくのがいいでしょう。

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提供元:「リアル出社で久々の雑談」乗り切る4つのコツ|東洋経済オンライン

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