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2021.07.30

最近「頭がぼんやりする人」に教えたい凄い脳トレ|「認知機能」は遊びながらでも高められる!


記憶力や注意力、思考力が衰えたように感じることはありませんか?(写真:プラナ /PIXTA)

記憶力や注意力、思考力が衰えたように感じることはありませんか?(写真:プラナ /PIXTA)

最近、なんとなく頭がぼんやりして、記憶力や注意力、思考力が衰えたように感じる――。そんな中高年に向けて、遊びながら認知機能を高める本『医者が考案した 記憶力をぐんぐん鍛えるパズル コグトレ』を上梓した宮口幸治氏に、認知機能を高めるトレーニングについて聞いてみました。

ど忘れ、名前が覚えられない……

認知機能とは、記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断といった5つの要素が含まれた「知的機能」を指します。

「言いたいことをど忘れした」「人の名前が覚えられない」「予定を忘れてすっぽかしてしまった」……そんな経験のある方は、認知機能の働きの中でも「記憶」の部分に弱さをもっている可能性があります。

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年齢を重ねていくと、どうしても視野は狭くなっていきますし、判断力も衰えていきます。例えば、交通事故の高齢者割合の増加や、高齢者の振り込め詐欺被害などをみれば、納得できることでしょう。

時間内にパパッと処理したり、判断したり、計算したり、記憶したりする能力を「流動性知能」といいますが、これはどうしても年齢とともに衰えていきがちなのです。

でも、まだ可能性はあります。この流動性知能は、年齢を重ねても鍛えることができます。そのためのトレーニングが「コグトレ」です。

コグトレとは、Cognitive(コグニティブ:認知)とTraining(トレーニング)の略称で、現在、小・中学校を中心に多くの教育機関で取り入れられています。ここでは少し、私がコグトレを考案した経緯についてお話しします。

私は2009年から現在まで10年以上、精神科医として少年院に勤務し、非行少年と言われる多くの少年たちと出会ってきました。

その少年たちの印象は、ずばり「困っていた子ども」です。見る力、聞く力、想像する力が弱く、そのせいで簡単な計算もできない、漢字も読めない、周囲を見て適切な行動もとれない……。そんな少年たちの認知機能――注意して見る力・聞く力、想像する力――を高めていきたいと考えたのがきっかけです。

コグトレは、約5年間にわたり医療少年院でトレーニングを実施し、少年たちに対して手ごたえの得られた認知機能強化トレーニングをもとにしています。それが今では、学校現場から、高齢者の認知症予防、脳機能障害の認知機能リハビリテーションなどにも活用されるようになりました。

認知機能には、先にお伝えしたように、記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断という5つの要素が含まれています。

ここでは、それらに対応する「覚える」「数える」「見つける」「想像する」力を強化するための問題例をいくつかご紹介しましょう。

「展望記憶」課題で忘れない工夫をトレーニング

日常生活では、ものの置き場所や人の名前などを覚えておくのに、自分なりに忘れないための工夫をされると思います。でもあとになって思い出せないのは、工夫の仕方があまりよくなかったということになります。自分の記憶の特性を知り、うまい工夫の仕方を練習しようというのが、「展望記憶」の一番の目的です。「展望記憶」とは未来への記憶を意味します。

覚え方は、基本的にみなさんにお任せですが、やはり語呂合わせで覚えたり、関連したイメージを思い浮かべたりすると記憶に残りやすいでしょう。

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「さがし算」課題でワーキングメモリを鍛える

こちらは「数える」系の問題です。

『医者が考案した 記憶力をぐんぐん鍛えるパズル コグトレ』(SBクリエイティブ)

『医者が考案した 記憶力をぐんぐん鍛えるパズル コグトレ』(SBクリエイティブ)

ワーキングメモリは、別名「心のメモ帳」と呼ばれ、短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。

「さがし算」は、頭の中で暗算した数字を覚えておかないと解けない問題です。注意力・集中力と処理速度を上げる効果と、ワーキングメモリを広げるという効果が期待できます。

なお、簡単な課題を何回も繰り返し行うことを、教育学用語で「過剰学習」といいます。できる課題でも、何回も何回も繰り返し過剰に行うと、さらに次のステップにポンと上がれたりするものです。「数える」問題を徹底的にやるというのも十分価値があることなのです。

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「違いはどこ?」課題で「見て覚える工夫」を

こちらは「見つける」系の問題で、下記の例題は「違いはどこ?」です。

絵や写真を全体から見たり、細部に目を留めたりして、複数の情報の中から共通点はどこか、違いはどこか? どこにどんなものがあるのかを頭の中で整理することになります。この「視覚情報を整理する力」をアップさせるのが、「見つける」問題の狙いです。

視覚情報を整理することで、「見て覚える工夫」がうまくなりますので、記憶力の向上にもつながるはずです。

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いかがでしょうか? これらの課題は、鉛筆と消しゴムがあれば、今日からすぐに始めることができます。認知機能のベースアップを図りながら、中高年の方が気になる記憶力をぐんぐん鍛えていく問題に、ぜひチャレンジしてみませんか。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

やる気を削がれる人と奮起する人の決定的な差

不器用な子が「暴走する大人」になる1つの経緯

注意!認知症の兆候は3つの違和感に表れる

提供元:最近「頭がぼんやりする人」に教えたい凄い脳トレ|東洋経済オンライン

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