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2021.07.06

メンタル不調時に「食べてはいけない」3つの食材|食事は「フルマラソン」に匹敵する消費カロリー


なぜ厚切りステーキを食べてはいけないのでしょうか?(写真:june./PIXTA)

なぜ厚切りステーキを食べてはいけないのでしょうか?(写真:june./PIXTA)

いまリモートワークへの移行が急速に進んでいます。しかし、自粛によるリモートワークがストレスにつながることがあることは、多くのデータで明らかになっています。自身もうつ病に苦しんだ経験をもつ精神科医宮島賢也先生によると、結果として、精神的な不調をきたし、うつ状態を発症するケースも増えています。このようなメンタルヘルスの不調をきたさないためにはどうすればよいのでしょうか。

宮島先生は、かつてうつ病を克服するために、7年間飲み続けた処方薬をやめて、「うつ消し」食を取り入れて、いま元気で活動しています。宮島先生が自らの体験から見出した「メンタルが不調のときに食べてはいけない食材」とは、どういうものでしょうか。その予防策を宮島先生の『薬を使わず自分のうつを治した精神科医の うつが消える食事』からご紹介します。

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【食べてはいけない食材1】厚切りステーキ

肉好きなら、鉄板の上でジュウジュウ音を立てた厚切りステーキを食べると、心は満足、脳は快楽を覚えますが、お腹は大変です。大量の消化液とともに大量の酵素が動員され、体はへとへと。「もう動きたくない」「どこかで休もう」そんな経験をしたことがあるかと思います。

実は、食べることは意外に体を疲れさせます。

こんなことを言うと、反論される方もいるかと思います。「いや、逆でしょう?食べることはエネルギーの補強。むしろ食べることで疲れは吹き飛ぶ」と。確かにそうです。私たちの体は食べ物から栄養を摂ることで、活動エネルギーに換えているからです。

しかし、栄養を体に行き渡らせるには、消化吸収が必要です。その前段階として食べ物の分解も必要です。つまり、食べることは、胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。食べることは、消化器官からすれば一大イベント。かなりの活動エネルギーを必要とします。だから、食べているときより、食べた後のほうが疲れます。

さらに言えば、いつも満腹に食べてしまうと、それだけ、胃腸や肝臓に負担をかけることになります。だから、もっともっと疲れます。一説によれば、3度の食事は、フルマラソンに匹敵する消費カロリーともいわれます。毎日フルマラソンを走れば、それは疲れると思いませんか。

そして、肉や魚のように高タンパク質、高脂肪の食べ物は、消化に時間を要します。肉や魚は、体には負担をかけやすいのです。さらに、高タンパク質、高脂肪の食品は分子構造が複雑なために分解するのに多大な労力を必要とします。そのため、焼き肉やステーキを大量に食べると、胃袋にまるで鉛が入ったような重さを感じるのです。

逆に、体に負担をかけない食事をすると、体はらくになります。メンタルが不調のときは、何をやるのも億劫になりがちですが、体がらくになると、ちょっと動いたり、考えたりすることが面倒でなくなります。それが、きっとしつこいメンタル不調から抜けるスタートになるでしょう。

【食べてはいけない食材2】コンビニのお惣菜

コンビニエンスストアに行くと、さまざまな食品が販売されています。僕も、よくコンビニで野菜サラダなどを買っていました。しかし、コンビニのお惣菜は手軽な反面、その多くには食品添加物が含まれています。

食品添加物は、食品の腐敗を防ぐには仕方ないのかもしれませんが、摂取すると腸内の悪玉菌を増やしてしまいます。そのため、防腐剤や合成甘味料、発色剤である亜鉛酸ナトリウムを多く使っている食品や総菜は、なるべくなら避けたほうがいいと思います。

コンビニには、スナック菓子、缶詰食品、レトルト食品、栄養ドリンク、アイスクリーム、市販のソースやドレッシング、コンビニ弁当など、防腐剤や食品添加物が多く使われている食品がたくさん並んでいます。

メンタルが不調になると、心と体がスムーズに活動できなくなります。それは、ストレスによって脳の活動を支えている神経伝達物質が減少し、はたらきが悪くなるからだといわれています。

この神経伝達物質と深い結びつきがあるのが、実は、腸です。最近の研究では、腸内細菌が脳の正常な活動に影響を与えることを示す研究結果が報告されています。具体的には、自閉症、ストレスに耐える力、記憶にかかわる神経細胞の増殖に、腸内フローラがかかわっていると報告されています。

でも、腸がなぜ脳に影響を与えるのでしょうか。脳は頭、腸はお腹と離れているのに、なぜ腸が脳に影響を与えるのか、考えてみると不思議な感じがします。さまざまな研究からいえることは、腸は脳と並ぶ「中枢」であるということです。実際、腸には膨大な神経が集まっています。

消化管全体を直接囲んでいる神経細胞の数は、脊髄全体の神経細胞を上回るほど。そのため、最新の研究によれば、腸の神経が乱れれば、脳の神経系にも影響を及ぼす可能性が高くなると考えられているのです。事実、腸内フローラの乱れは、精神面にかかわる神経伝達物質セロトニンの減少を引き起こします。つまり、腸内環境を整えると、腸と関連性が深い脳の動きがよくなります。

心と体がスムーズに動かなくなるのは、ストレスによって神経伝達物質が足りなくなり脳の動きが悪くなるからだといわれています。腸内環境がよくなると脳内の神経伝達物質の分泌がよくなり、脳の活動が活発になるでしょう。

では、腸の乱れをよくするためには、どうすればよいでしょうか。腸は自律神経の支配下にあるため、いくら心の中で「よくなれ」と念じても、応じてくれません。

結論からいえば、腸を元気にするには、腸が喜んでくれる食事を心がけることです。それによって脳の神経伝達物質の分泌がよくなり、メンタルヘルスの改善につながります。腸が喜ぶ食事とは、まず、腸に負担をかけない食事をすることです。小食や断食によって、腸内に残留物がなくなれば、悪玉菌のエサが減るため、腸内フローラが改善します。

さらにもうひとつの方法は、腸が喜んでくれる食べ物を摂ることです。腸内フローラを改善する食べ物を摂れば、腸はイキイキと元気になります。

腸内フローラをよくする食べ物としては、乳酸菌がよく知られています。乳酸菌といえば、発酵食品がその代表格。幸い、日本には古来より数多くの発酵食品があります。納豆、味噌、ぬか漬け、なれ寿司などもあります。しょう油も、酢も、日本酒も発酵食品です。

ですから、味噌汁を飲んでも乳酸菌は摂れます。魚料理にしょう油をかけても乳酸菌は摂ることができます。ぬか漬けには乳酸菌が豊富で、しかも生野菜を発酵させているので、酵素を補給することにもつながります。

【食べてはいけない食材3】白砂糖、白いごはん、白いパン

「砂糖ってそんなに悪いんですか」

「白いごはんや白いパンを食べてはいけないの?」

みなさんは、そう思われるかもしれませんね。確かに、甘いケーキは美味しいですし、僕自身も砂糖をたくさん含んでいる缶コーヒーや清涼飲料水が大好きでした。白いごはんは、いまでも美味しいと思います。

振り返ってみると、うつで苦しんでいたころの僕は、明らかに低血糖症だったと思います。「もしかしたら、自分は低血糖症かもしれないな」と思われる方は、一度、こうした精製糖質の食品を意識的に減らしてみてもよいのではないでしょうか。慣れないうちは、「ああ、甘い物が欲しい」と心が落ち着かないかもしれませんが、次第に馴れてくるものです。そして、慣れるにつれて、「こっちの方が体はらくだな」、そんな実感をともなってくるものです。

心と体の活動が低下してしまうのは、脳の栄養不足が原因ともいわれるようになってきました。脳が活動するには、体がそうであるようにエネルギーが必要です。脳の場合はブドウ糖といわれています。

そのブドウ糖が脳に安定供給されるには、食べ物に含まれるブドウ糖を吸収するシステムが正常に稼働する必要があります。システムに異常が起きると、当然、脳のエネルギーが枯渇し、動きが悪くなります。そのシステム異常とされる病気のひとつが、「低血糖症」です。もしかすると、あなたのメンタルの不調は、低血糖症によって引き起こされているかもしれないということです。

「低血糖症」とは、血糖値が大きく変動する状態をいいます。血糖値の急激な上昇は、体から見れば異常事態。そのため、脳は血糖を下げるホルモン(インシュリン)を大量に分泌させますが、その結果、急激な低血糖が起こります。

血糖値が急激に下がるのも危険なため、また脳が反応して、今度は血糖値を上げるアドレナリンなどのホルモンを分泌します。このアドレナリンなどのホルモンは、血糖値を上げるほかに、動悸やイライラなどをともないやすく、さまざまな不快症状に結びついてしまうのです。

さらにいえば、私たちの体は、食事を摂ってから時間が経ち、血糖値が下がってきても、正常ならばある一定値以下には下がらないように調節されます。しかし低血糖症になると、体の調節機能が乱れ、時間とともに血糖値がどんどん下がるようになります。

こうして「脱力感や疲労感」「ぼんやりする」「クラクラする」「気分がすぐれない」「ユウウツになる」「不安感が離れない」といった症状が出てきます。みなさんも心当たりがあるのでないでしょうか。

「メスの要らない外科手術」

ここで、メンタルの不調を改善する、とっておきの方法を紹介しましょう。「断食」です。「それこそ無理、無理」と思われるかもしれませんが、断食はとてもシンプル。面倒なことも一切ありません。また、お金もかからないため経済的です。しかも、断食は、「メスの要らない外科手術」と言われるくらい、体の調子を整えてくれます。

通常、断食とは、本来少なくとも3日以上の断食を行う「本断食」を言いますが、僕がおすすめするのは、もっと簡単な断食法。俗に「半断食」「プチ断食」と呼ばれる短い時間の断食です。これなら家庭や個人で行うことができます。

半断食は18時間以上食べない時間をつくる断食、プチ断食は3日かけて行う断食になります。3日かけるといっても1日目は「断食の前準備」、2日目「断食本番」、3日目「断食からの回復」の流れで、2日目の断食本番日でも野菜ジュースなどの液体は摂ってよいのがプチ断食。まったく栄養を摂らないわけではありません。

それでは、簡単に半断食の説明をしましょう。半断食とは、その名の通り、半日食事をしない断食法です。具体的に食事をしない時間は18時間ほど。なぜ18時間食事をしないかというと、私たちの体は摂取した食べ物を消化、吸収してから排泄するまで約18時間かかるからです。

つまり、前日の午後6時に食事をしたとして、その食事が便として排泄されるのは翌日の正午。半断食はこの生理サイクルを滞りなく進めるプログラムなのです。もっとわかりやすく言えば、一度食事をしたら、後は胃腸を邪魔せず胃腸の働きにまかせて、しっかりウンチを出してもらう、そのためのプログラムと言っていいでしょう。

半断食では、断食の18時間を設けるために朝食を抜くのが最も簡単で、オーソドックスな方法です。たとえば、翌日の正午に食事をするとしたら、そこから逆算して食事を抜き、その日の午後6時以降は食事を摂らないようにします。食事を抜くといっても、まったく何も摂らないわけではありません。水はたっぷり飲んでください。水の替わりにお湯を飲んでもかまいません。

水をしっかり摂ることは、細胞の代謝力を落とすことなく、排泄効率を高める一つのテクニックになります。「お湯がいいなら、お茶は? ジュースは?」と抜け道を探したくなるものですが、半断食中、栄養のあるものはたとえドリンクであっても避けるようにします。理由は簡単です。断食中に栄養を補給してしまえば、その分、胃腸は働かざるを得なくなるからです。その結果、せっかく断食しているにもかかわらず、消化から排泄に至る連続的な流れが乱れてしまいます。

ちなみに、断食中にお湯を飲むと、まるで胃腸が温泉にでもつかっているような休息感を得ることができます。半断食に慣れてくると、この感覚が少し「病みつき」になるほどです。

うつになると心の中が忙しくなる

メンタルの調子が悪いときは、心身がリラックスできていません。何もできずにぼーっとしているときでも、実は顕在意識、潜在意識で自分を責め続けています。

顕在意識とは、通常私たちが「意識できる意識」のことで、思考や感情などがこれに当たります。私たちは何気なく一日を過ごしていても、実に6万回も思考をしていると言われるほど、顕在意識は脳と心を駆け巡っています。大変な忙しさです。

さらにうつになると、もっと心の中が忙しくなります。自分を「ダメだ、ダメだ」と苛んだり、将来への不安が頭から離れなかったり、ネガティブな感情と思考が終始続きます。このため、メンタルが不調なときはなかなか眠れないし、短時間で目が覚めてしまいます。無意識な思考が止まらないからです。僕自身がそうでした。

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そうなると負の連鎖で、心も体もどんどん疲弊して、さらにヤル気、自信といったものがすり減ってきます。仕事の疲れも取れません。断食は、こうした負の連鎖を断ち切る機会になります。その一番の理由は、胃腸を休めることによる心身への効用です。

消化のプロセスは、運動や仕事で体を動かすよりも多くのエネルギーを消費しています。私たち現代人は、この感覚が麻痺しがちです。本当は疲れているのに、食べてしまう。胃袋は「休ませて」と言っているのに、食べてしまう。これは、日常的なストレスのせいで身体感覚がやや麻痺した状態だと言えるでしょう。

半断食は、この流れを絶ちます。18時間食を控えることにより、消化のプロセスを助け、その分、たくさんの体内酵素が体の修復に向かいます。また、断食中、水をたっぷり飲むようにすれば、細胞の毒である老廃物が尿や汗として排出されるようになるでしょう。

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提供元:メンタル不調時に「食べてはいけない」3つの食材|東洋経済オンライン

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