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2021.06.16

今年の「早かった梅雨入り」に警戒が必要なワケ|梅雨入り早々の大雨、夏の猛暑、マスク熱中症に注意


統計史上最も早い梅雨入りで、今年は早くから猛暑になる恐れが出ています(写真:Ushico PIXTA)

統計史上最も早い梅雨入りで、今年は早くから猛暑になる恐れが出ています(写真:Ushico PIXTA)

6月14日、関東甲信が梅雨入りしたとみられると発表されました。

今年は記録的な早さで続々と梅雨入りしました。

九州南部は平年より19日早い、5月11日。15日に九州北部、四国、中国、16日には近畿と東海、各地とも平年より3週間前後も早いです。四国と近畿は統計史上最も早く、九州南部、九州北部、中国、東海は統計史上2番目でした。

(出所:weathermap)

(出所:weathermap)

関東甲信は平年より遅いですが、東海から九州はなぜこんなに早く梅雨入りしたのでしょうか。

今年は梅雨入りが早い理由

梅雨入りが早まった原因は、日本の南にあります。

(筆者作成)

(筆者作成)

今年は、赤道付近の対流活動が活発で、上昇気流によって雲がたくさんできています。上昇した空気は北側で下降気流になるため太平洋高気圧が強められました。

そして、強まった太平洋高気圧が日本付近に張り出したことによって梅雨前線を押し上げました。

このため、梅雨前線が平年よりかなり早く日本付近にかかり、梅雨入りが早くなっていると考察できます。

6月降水量(出所:気象庁HP)

6月降水量(出所:気象庁HP)

最新の気象庁3か月予報によると、6月の降水量は東日本と西日本で平年よりも多くなりそうです。

今年はインド付近に非常に湿った空気があり、中国では記録的な大雨となりました。

湿った空気は日本付近にも流れ込んで梅雨前線の活動が活発になり、熊本県では梅雨入り早々の5月17日に記録的な大雨になりました。その後も、西日本や東日本で大雨により土砂災害警戒情報が発表された地域があります。梅雨の後半は大雨になりやすいですが、梅雨入りしてすぐの大雨は珍しいです。

昨年は梅雨の後半に大河川が氾濫して大規模な浸水、土砂災害など大きな災害が発生した「令和2年7月豪雨」がありましたが、今年は梅雨の前半から雨による災害に警戒が必要となっています。

ハザードマップや防災グッズの確認など、いざというときのための備えをしておきましょう。
コロナ禍における避難では、密を避けるということも大切です。

例えば、安全な場所に住む親戚や友人の家に避難する、避難所の駐車場など安全な場所で車中泊する、避難所では人との距離をとるようにしてマスク着用やこまめな消毒を心がけるなどが挙げられます。コップやお皿、箸の共用を避けることも大切です。具体的にイメージしておくと良いでしょう。

避難所の床は多くの人が行き来するため、ほこりだけでなくウイルスも多いといわれます。スリッパなどの室内ばきを防災グッズに入れておくこともオススメです。

梅雨明けは早い?

「梅雨入りが早いと、梅雨明けも早いのか」というと、必ずしもそういうわけではありません。
過去を振り返ると、梅雨入りが早かった年は梅雨明けが遅く、梅雨の期間が長くなることも多くありました。私のSNSにも「梅雨入りが早い年って、梅雨明けは遅いですよね」という旨のコメントを複数いただき、過去の経験から遅くなる印象を持つ方も多いようです。

今年の梅雨明けは、平年並みになるところが多そうです。梅雨入りが記録的に早かった地域では、梅雨の期間が長くなるでしょう。

梅雨明けのタイミングの鍵を握るのは、梅雨入りと同じく太平洋高気圧です。

7月降水量(出所:気象庁HP)

7月降水量(出所:気象庁HP)

7月の降水量は、関東甲信から九州で平年並みの予想です。

一方、北日本や北陸は平年よりくもりや雨の日が多く、東北や北陸では梅雨明けが遅くなる可能性があります。

梅雨明けの鍵を握るのは、梅雨入りと同じく太平洋高気圧です。今年の夏は、特に西への張り出しが強まるでしょう。

太平洋高気圧が張り出すということは、夏本番の暑さになるということです。

夏(6〜8月)平均気温(出所:気象庁HP)

夏(6〜8月)平均気温(出所:気象庁HP)

気象庁の3か月予報によると、夏の平均気温は全国的に平年並みか高い予想です。今年5月に平年値が更新され、気温の平年値は高くなっているので、それより高いということはかなり暑くなるおそれがあります。

昨年は、梅雨明けが遅かったため8月になってから夏本番の暑さが到来しましたが、今年は昨年より早くから猛暑に見舞われる可能性が高いでしょう。

また、今年の夏も新型コロナウイルス感染症対策のため、マスクを着用して過ごすこととなります。

マスクを着用していると熱がこもりやすかったり、水分補給を怠りがちになったりするなど、熱中症リスクが高まります。私はすでにマスクをして歩いていると、暑くて息苦しく感じる日が数日ありました。

屋外で人との距離が十分に離れていたらマスクを一時的に外すなどして、マスク熱中症にならないように注意しましょう。

今年から「熱中症警戒アラート」全国スタート

昨年は関東甲信で試行された「熱中症警戒アラート」の本格運用が、今年から全国を対象に始まっています。すでに、5月12日に沖縄県の八重山地方に発表されました。

「暑さ」というと「気温の高さ」が思い浮かびやすいですが、「湿度の高さ」も重要な要素です。

熱中症患者と気象条件の比較①(出所:環境省熱中症予防情報サイト)

熱中症患者と気象条件の比較①(出所:環境省熱中症予防情報サイト)

熱中症患者と気象条件の比較②(出所:環境省熱中症予防情報サイト)

熱中症患者と気象条件の比較②(出所:環境省熱中症予防情報サイト)

カラッとした暑さよりもムシッとした暑さのほうが危険で、同じ気温でも湿度が高いほど熱中症リスクは高くなります。

「熱中症警戒アラート」は、湿度を重視した「暑さ指数(WBGT)」によって熱中症の危険度を判断します。取り入れる要素と比率は、気温:湿度:輻射熱=1:7:2です。(正確には、これに加えて風も考慮しています。)

マスクを着けたままで猛暑の中を過ごす際には注意しましょう(写真:Ushico/PIXTA)

マスクを着けたままで猛暑の中を過ごす際には注意しましょう(写真:Ushico/PIXTA)

「熱中症警戒アラート」が発表された日は、特別蒸し暑いことが予想される日です。できるかぎり外で過ごさないようにし、昼夜を問わず家の中でもエアコンを使うなど最大限警戒しましょう。

梅雨の晴れ間は気温も湿度も高く、危険な暑さになる日があります。

体が暑さに慣れるまでの時期は、特に熱中症にかかりやすいです。入浴や毎日30分程度の軽い運動(例えばウォーキング)などで汗をかく練習をして、早めの「暑熱順化(しょねつじゅんか)」を心がけましょう。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「低気圧」で体調不良を起こしやすい人の特徴

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4月に猛烈台風が生まれた今年、警戒すべきこと

提供元:今年の「早かった梅雨入り」に警戒が必要なワケ|東洋経済オンライン

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