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2021.05.21

プロ直伝!家飲み用「レモンサワー」最強の選び方|「4つの観点」で考えるともっと美味しくなる


家飲みをもっと楽しくするレモンサワーの選び方、知っていますか?(kai/PIXTA)

家飲みをもっと楽しくするレモンサワーの選び方、知っていますか?(kai/PIXTA)

ここ数年、レモンサワーの人気が盛り上がっている。このコロナ禍で居酒屋にも行きにくい中、日々の晩酌のために冷蔵庫に買いだめしている人も多いのではないだろうか。

昔からレモンサワー自体はあったが、大幅にバリエーションが増しているのが近年の特徴だ。こだわりのレモンを使用したり、大量のレモンを使用してレモン風味を強化したり、凍らせたレモンを使ったり、すりおろしレモンや塩レモンを使ったり、ベースのお酒が焼酎のほかジンやウォッカになったり――。一口にレモンサワーといっても、これだけ多様化していて、目移りするほどだ。

少し前、レモンサワーの元祖といわれる居酒屋が注目されたり、レモンサワー飲み歩きがちょっとしたブームにもなったことが記憶にある人もいるかもしれない。

ハイボールブームから火がついた

そもそも人気化した経緯としては、2008年からのウイスキーのハイボール人気があった。

もともとバー業態を中心にウイスキーのソーダ割りという飲み方はあった。が、バブル期以降、日本ではウイスキーの消費は右肩下がりだった。それをなんとか盛り返したいと考えた国内ウイスキーメーカーが、あらたにハイボールとしての飲み方を提案し、それが見事あたった格好だ。

ウイスキーをソーダで割ることで、爽快な口当たりになり、アルコール度数も下がる。サワーやチューハイと違い甘さがなく、穏やかなスモーキー香があるハイボールは、料理に合わせやすく、ビールが苦いと敬遠していた層にもフィットした。

CMに人気女優を起用したことも人気に拍車をかけたし、なにより提供する飲食店にとって、ハイボールは原価率が低く売りやすいことが強力な後押しとなった。

このハイボール人気が、“ソーダ割り系のお酒”が広く注目を集めるきっかけとなった。なかでも、人気が集まったのがレモンサワーだったのだ。

レモンを使った爽快さ、フルーティーさ、軽快さ、料理との相性の良さ、なんとなくヘルシーな感じ。それらが魅力となって、あらたに居酒屋での注文が増えていったのだった。

いま、コンビニやスーパーでは、たくさんの缶入りレモンサワーがところ狭しと並べられている。種類が多いことはありがたいが、悩ましいのは、どれがどういう味わいなのか、どれが自分好みの味かがわかりにくいこと。

そこで、筆者がレモンサワーの飲み比べをした結果をご紹介したい。レモンサワー選びの参考になるかもしれない。

まずは、缶入りレモンサワーをカテゴリー分けする。

出所)Penの特集「ニッポンの美酒。」(7/1号、2020年)より。「レモン・ザ・リッチ 濃い味レモン」はすでに終売

出所)Penの特集「ニッポンの美酒。」(7/1号、2020年)より。「レモン・ザ・リッチ 濃い味レモン」はすでに終売

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分類は、「レモンの果汁感が多いか少ないか」と「甘いか辛いか」の2軸で、4タイプに分けた。ここで、雑誌Penの特集「ニッポンの美酒。」(7/1号、2020年)において、レモンサワーについてのページ内に掲載されたマトリックスをご覧いただこう。筆者がすべて試飲しマトリックスに落とし込んだものだ。

ちょうど真ん中あたりに位置する「こだわり酒場のレモンサワー」(サントリー)をベースにすると、果汁感多めは「琉球レモンサワー」「成城石井オリジナルレモンサワー」「ハイサワー」。果汁少なめは、「氷結ZERO」や「八海山 よろしく千萬あるべし 焼酎ハイボール ドライレモン」など。

また、辛口は「タカラcanチューハイ レモン」「キリン 本絞り レモン」。甘口は「キレートレモンサワー」「こだわりレモンサワー 檸檬堂」など、となる。

果汁の量と辛口甘口を基準だと4タイプくらいに分けることができ、これなら比較的シンプルで分かりやすいのではないだろうか。もちろん、すべての缶入りレモンサワーを網羅しているわけではないが、例えば、ここに掲載されている銘柄と掲載されていないものを比較していき、マトリックスに落とし込めば、ご自身独自のマトリックスができ上がるだろう。

レモンサワーに合わせたい料理とは

それでは、レモンサワーに合わせやすい料理とは何だろうか。

ウイスキーハイボールは食事に合わせやすいということで飲食店でも家飲みでも人気になったが、レモンサワーも同じ。いや、むしろ、レモンの爽やか風味があるため、より料理に合わせやすいといえる。

相性抜群といえるのは揚げ物だろう。とくに鶏の唐揚げとの相性に反対の人はあまりいないはずだ。

レモンの酸味とソーダの泡が脂っこさを洗い流し、鶏肉の旨味、油の甘味、揚げた香ばしさをぐっと引き立ててくれる。エビやイカ、ホタテなど魚介の揚げ物もすこぶるいい。

ビールはどうだという声が聞こえそうだが、実はビールは魚介料理に合わせると生臭くなる。レモンサワーならそれがない。安心の相性といっていいだろう。

ちなみに、魚介、甲殻類はバターソテーにすると白ワインがよくなってくる。バターの油脂が生臭みを消してくれるからだ。お刺身ならもちろん日本酒。これはご想像のとおりだ。

続いてレモンサワーにぴったりなのが、焼き鳥、焼きトン。これも文句ないチョイスではないだろうか。とくに、モツや皮、手羽、ぼんじり、トントロなど脂ののった部位がいい。レモンの爽やかさでよりおいしく感じるはずだ。

焼き魚もおすすめだ。旬の秋刀魚や戻りガツオなど脂がのった光り物とはすこぶるいい相性。生臭みを消し、すっきりと味わえる。冬には鰤や鮭の焼き物ともいい。そもそもレモンの切り身が横に添えられる料理とはレモンサワーは、間違いなく相性がいいのだ。

また、ポン酢をつけて食べる料理、例えば、生ガキ、ふぐちり、タラちり、カニ鍋、豚しゃぶなどは基本、合う。そもそも酸味と相性がいい料理だから、酸味のあるレモンサワーは間違いないともいえる。

野菜ならば、断然ジャガイモ。ポテトサラダ、フライドポテト、じゃがバター、ジャガイモグラタンなど。ほっくりとしたジャガイモならではの甘味にレモンが爽快さを与え、後を引く組み合わせになる。

とろけるチーズにはちょっと注意

ちょっと注意すべきは、とろけるチーズだ。チーズは冷たいものと一緒だとせっかくのトロトロ具合がなくなり固まってしまい触感が悪くなる。またコクのあるチーズはレモンの酸味とケンカすることもある。

レモンサワーに合うチーズは、酸味のあるフレッシュタイプ、たとえばクリームチーズやモッツァレラ、カッテージチーズ、フロマージュ・ブラン、ブリヤ・サヴァランなどすっきりとしたタイプのチーズだ。絶対NOというわけではないが、ちょっと気にしてみてほしい。

ちなみに、甘口タイプのレモンサワー(市販売りではあまりないが、缶入りレモンサワーにはちみつやシロップをプラスすると無理なく甘口に変身させられる)には、チーズケーキやレモンパイ、ヨーグルトムース、ドライケーキ、ロールケーキなどのスイーツ類とも楽しい組み合わせが楽しめる。

どうだろう、レモンサワーも結構幅広い楽しみ方ができることをいま一度知っていただけただろうか。もちろん、レモンサワーは難しいこと抜きで、いつでもどこでもどんな料理にあわせてもおいしい、カジュアルで気取らない庶民派アルコールだ。でも、ほんのちょっと気にしてみるといつもとは違う楽しみも体感できる。ぜひ、参考にしていただきたい。

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提供元:プロ直伝!家飲み用「レモンサワー」最強の選び方|東洋経済オンライン

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