2021.03.31
Go Toトラベルなしで「激安で旅行」する神ワザ|東京ー仙台グランクラスが50%引きで9000円
Go Toトラベル以外で今、活用できる割引を紹介します(写真:Fast&Slow/PIXTA)
2021年3月26日、赤羽一嘉国土交通大臣は記者会見を行い、Go Toトラベルに代わる「地域観光事業支援」の実施を発表した。感染状況が落ち着いているステージ2相当以下の都道府県が、居住地と同一県内の旅行の割引事業を行う場合、政府が補助金を出す。
宿泊1人1泊あたり最大5000円、旅行代金の50%を上限に(1万円の宿泊費に対して5000円補助)割引価格で旅行ができることになる。加えて、飲食店や商店街、土産物店などで使えるクーポン券最大2000円の付与もあり、あわせて最大7000円の補助となる予定だ。
期間は2021年4月1日から5月31日まで(Go Toトラベルの再開が遅れる場合などは延長される可能性がある)。割引率は都道府県が独自に設定できるため、国の補助金に加えて都道府県の補助金もあわせてさらに大きな割引となる可能性もある。ただ準備の整った都道府県から順次開始することになるので、都道府県によって内容や開始時期はバラバラになるだろう。
Go Toトラベルの再開時期は早くて6月以降とされているが、首都圏を含む一部の地域では、緊急事態宣言が解除された後も新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあり不透明な状態が続いている。
一方、感染者が非常に少ないにもかかわらず観光支援策がない状態が長期間続き、経済的に疲弊している地方が多いのも事実。「地域観光事業支援」は、より具体的な内容が明らかになった段階で検討するとして、ここでは今現在、Go Toトラベル以外のさまざまな割引のなかでも特に利用価値が高いものを取り上げたい。
JRの50%料金を活用する
JR各社はコロナ後、事前購入を前提とした大幅割引のきっぷを販売してきた。その一部は2021年4月以降も継続が決まっている。たとえば、JR東日本のえきねっと会員限定で販売されている「お先にトクだ値スペシャル」。
「お先にトクだ値スペシャル」 ※外部サイトに遷移します
3月31日までは北陸新幹線や上越新幹線も対象となっていたが、4月以降は「東北デスティネーションキャンペーン」に併せて、東北・山形・秋田新幹線などに限定して販売を継続している。普通車指定席のほか、グリーン車、グランクラスも総額が半額になる。たとえば以下のような価格設定だ。
「はやぶさ」グランクラス
東京駅ー仙台駅
1万8020円(通常期)→9000円(約50%割引)
コロナ禍により、飲料・軽食なしだが、通常の普通車指定席でも1万1200円かかることを考えれば、文句はないだろう。さらにこの割引、ルール上ゴールデンウィークも対象外とはなっていない。もしこの金額で確保できたなら最強の割引といえる。
購入する際に気をつけなければならないのが、販売期間が1カ月前から21日前までの約10日間しかないこと。週末などの時間帯のよい列車はすぐに売り切れてしまうおそれがあるので、発売と同時に購入するのがのぞましい。
なお、新幹線以外にもJR・東武直通特急「日光」「きぬがわ」「スペーシアきぬがわ」、吾妻線「草津」(2021年6月30日乗車分まで)、常磐線「ひたち」(2021年9月30日乗車分まで)などの在来線特急も50%割引の対象となっている。
GW対象タイムセールに2日間16フライト乗り放題
JAL、ANAのタイムセールが前代未聞の安さとなっている。JALが2021年3月16日から24日まで、ANAが3月22日から31日までそれぞれ国内線タイムセールを実施した。
最低額が5000円というのはこれまでもあったが、注目はこれらがGW期間も対象としたこと。これまでにはみられなかった傾向だ。需要の回復具合にもよるが、2021年7月下旬のオリンピック連休や、8月の盆周辺でも同様の割引が出る可能性はある。
コロナ禍によって落ち込んだ需要回復の起爆剤として、一部の航空会社は乗り放題パスの発売を発表している。名古屋小牧空港を本拠地とする地域航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA)は2021年3月に2日間2万5000円~(宿泊費込み)という乗り放題パスを販売した。名古屋を朝出発すれば、出雲・いわて花巻・高知など、1日につき最大8フライトが可能となる。
LCCのピーチも2021年2月の1カ月間約2万円~で国内線全線が乗り放題となるパスの販売を予定していたが、コロナ禍で発売が延期となっている。こちらは使い倒せば相当安上がりとなることから期待度は高い。
金券ショップでの株主優待券の相場を定期的にツイートしているO(オー)さんの投稿によれば、2021年3月15日現在の新橋の金券ショップ15店の株主優待乗車証の最安値は次のようになっていた。
東武 580円
西武 360円
京成 680円
京王 310円
東急 239円
京急 490円
小田急 540円
一時期より値上がったとはいえ、コロナ前と比較すると相場はまだ低い。半年に一度の期限切れが近い5月末もしくは6月末にはさらに相場は下がるのは確実なので、特にこの時期に利用する人にとっては狙い目だ。
株主優待乗車証を利用すれば、浅草・北千住から日光・鬼怒川温泉まで片道わずか580円、新宿から小田原まで540円という驚異的な低価格で旅行できる。特急を利用したい場合は特急券を別途購入すればよい。
なお、京成の株主優待乗車証は京成上野・日暮里から成田空港まで680円で移動でき、成田スカイアクセス線経由のアクセス特急利用時、通常1270円のところが46%引きとなる。
2021年3月1日、東京駅と成田空港を結ぶ「エアポートバス東京・成田」が1000円からいきなり1300円に値上げとなっただけに、この株主優待券の利用価値は相対的に高くなったといえる。
新千歳発「3日間5000円」価格破壊のレンタカー
レンタカー単体はもともとGo Toトラベルの対象ではなかったが、旅行需要の落ち込みにより、レンタカーの相場がこれまでになく下がっている。特に顕著なのが台数の多い新千歳空港と那覇空港周辺である。
筆者が3月上旬に新千歳空港で利用したクイックレンタカーは3日間借りて6000円。さらに楽天トラベルのクーポンで1000円引きとなり、1日あたり1667円となった。2021年3月下旬時点で4月中旬の料金を検索したところ、これとほぼ同額だった。
那覇空港はさらに安い。たとえばトラベルレンタカー那覇空港店は、週末を含む3日間レンタルで計4700円(トラベルレンタカー那覇空港店 2021年3月下旬時点の検索で4月中旬利用)。楽天トラベルのクーポンでさらに500円引きとなり、4200円となった。
1日あたり1400円なので、2人で利用すれば1人1日につきわずか700円。もはや1日1500円のレンタサイクルが暴利としか感じられなくなるほどの安さである。
レンタカーの最安値を調べるには、トラベルコが使いやすい。楽天トラベルやじゃらんなどのクーポンの適用時期と重なれば、さらに安くあげることができる。
Go Toトラベルの再開が見えないことで、特に地方の宿泊業者は疲弊している。こうした事情をふまえて、各都道府県や各市町村では独自の割引を続け、観光需要を少しでも底上げしようとしている。
自治体の割引は地元在住者のみを対象としたものと、全国すべての人を対象としたものに分かれる。状況が刻一刻と変化するので、どの自治体でどのような割引をやっているのか、その対象がどのような人かということを把握するのが難しい。
割引制度の情報源のうち、とくに更新頻度が高く有用なのが、「旅行クーポンサイト!」の「都道府県独自の宿泊キャンペーンなど旅行補助まとめ」と「自治体独自の宿泊割引クーポン全まとめ」である。
「都道府県独自の宿泊キャンペーンなど旅行補助まとめ」と「自治体独自の宿泊割引クーポン全まとめ」 ※外部サイトに遷移します
2021年3月27日時点では中止となっている自治体が多いが、冒頭で触れた国の「地域観光事業支援」を組み込んだ形で4月以降、順次スタートするはずだ。ただしこれは、旅行者が在住する都道府県内での利用限定なので、都道府県をまたぐ旅行の場合は、都道府県や市町村独自の割引制度を利用するしかない。
羽田ー高知往復1泊2日が総額6500円の事例も
2021年3月23~30日出発のJALダイナミックパッケージでは、羽田空港から高知空港までのJAL往復航空券とホテル2泊(平日)がついて2万6500円の旅費のうち、2万円が「高知・羽田線利用促進事業」と「高知県観光振興事業」より委託された観光プロモーションによって割り引かれ、75%引きの6500円となる事例もあった。
首都圏でも、千葉市の「ちばおもてなしキャンペーン」(2021年3月31日まで実施)では、千葉市内の指定されたホテルに宿泊すると、食事や土産品購入に使える5000円分クーポン券を500円で購入することができる。ホテルのなかには1泊5000円以下で宿泊できるところもあるので、非常に還元率が高いといえるだろう。
このキャンペーンを利用した東京都在住の40代会社員で3児の父であるN氏は、「家族で千葉のビジネスホテル2部屋に宿泊し、クーポンを1万円分もらいました。翌日は、いちご狩り、高級ホテルでのランチ、千葉の名産品であるのりやピーナッツの購入に活用」したという。
日々変わる感染状況を見極め対策を徹底しながら、割引を賢く活用したい。
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提供元:Go Toトラベルなしで「激安で旅行」する神ワザ|東洋経済オンライン