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2021.03.01

良くならないのはなぜ? 頑固な「首こり・肩こり」の意外な原因


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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。今回は「肩こり、首こり」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

更年期に増える頑固な肩こり、首こり。いったいなぜ?

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更年期に入ってから、頑固な肩こり、首こりに悩まされる人が少なくありません。これまで肩こり知らずだった人にも、肩こりが出てくることがあります。また背中痛や腰痛にも悩まされる人も増えてきます。これらの痛みは、どうして起こるのでしょうか。

もちろん、首や肩、腰、背中の筋肉が衰えてきたことも一因ですが、それだけではありません。更年期に起こるこれらの不調は、女性ホルモンも関係しています。そのメカニズムとケア方法をお伝えします。

女性ホルモンの減少が原因かも

更年期世代の女性に起こる肩こりや首こりの原因は、女性ホルモンの急激な減少によって、自律神経が乱れて、血液循環が悪くなることが考えられます。

「今まで、肩こりはほとんどなかった……」という人も、更年期に入って冷えて血行が悪くなり、今まで経験したことのない、つらい肩こりに悩んでいるという声も聞きます。

肩こりや首こりだけでなく、ほかにも「更年期の症状かしら?」と思うものがあったら、婦人科に相談して、更年期障害の治療をするという手があります。

婦人科では、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、鎮痛剤などで、更年期の症状や更年期障害の治療をしてくれます。肩こり、首こりだけでなく、更年期のほかの症状も同時によくなることもまれではありません。

つらい肩こり、首こりに悩まされている人は、一度相談に行ってみることをおすすめします。

女性ホルモンだけではない。こんな病気にも要注意

更年期世代の女性に起こる肩こりや首こり、頭痛の原因は、眼精疲労や老眼であることも多いといわれています。

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文字がかすむ、夕方になると見えにくくなるといった症状があったら、眼科を受診しましょう。適切な度数の眼鏡をかけることも肩こり、首こり対策には大切です。

40歳以降は、視神経に障害が起こって視野が狭くなる「緑内障」のリスクも上がります。緑内障は、初期は自覚症状がほとんどなく進行するともいわれています。早期発見をするために、40歳以降になったら定期的な眼科受診がすすめられています。

ほかにも、肩関節周囲炎や頸椎の病気、高血圧症、心筋梗塞などの病気の症状として起こる肩こりもあります。

頑固な肩こりが続いたり、頻繁に起こったりする場合は、整形外科を受診しましょう。

肩こり以外の自覚症状もあるときには、内科を受診して相談するのがいいでしょう。

自分でできる肩こり対策

血流が悪くなっていることで起こる肩こり、首こりなら、温めると症状が緩和します。蒸しタオルやホットパックで、肩を温めるのはいかがでしょうか。冷えていないと思っても、毎日、湯船で全身を温めることも大切です。

また、血液循環をよくするには、運動が即効性があります。ウォーキングなどは手軽にできる方法です。

首を左右に倒して、首の筋肉をストレッチしたり、肘を曲げたままゆっくり腕を回して肩甲骨を動かしたりするのもストレッチになります。筋肉の緊張をほぐして、血液の循環を良くすることが症状緩和に役立ちます。

更年期は、エストロゲンのバリアがなくなるため、太りやすくなってしまいますが、体に負担をかけないためにも、肥満を予防、改善することが大事です。同じ姿勢を長時間続けない、中腰の姿勢をなるべくとらないといった、体に負担をかけない生活を心がけることも大事です。

そして、強いストレスがあってメンタルが低下すると、体も冷えやすくなるといわれています。

じつにさまざまな要因が肩こり、首こりの原因になっているのですね。血流改善、ストレス発散のために、日常生活の中でも体を動かすように心がけましょう。

骨粗鬆症チェックも受けてみて

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更年期世代、とくに閉経後には骨粗鬆症チェックが大切です。とくに腰痛や背中痛が起こる人は、一度は骨粗鬆症のチェックをしましょう。

また、背が低くなったなと感じた人も要注意。骨密度が減って、脊椎の骨折を起こしていることもあります。痛みもなく、自分では気づかないことが多いのです。

誰もが閉経後、エストロゲンの減少によって、骨密度が減りやすくなり、骨粗鬆症のリスクが上がります。また、若いときに過激なダイエットをした人も要注意です。更年期になって一度も検査をしたことがない人は、この機会におこないましょう。検査は婦人科でも受けられます。

腰や背中の痛みを訴える人は、姿勢が悪い、ハイヒールを履く時間が長い、肥満傾向にあるなど、腰に慢性的な負担をかけている人にも起こります。

とくに、更年期世代からは、骨や軟骨などの老化や背筋などが衰えるために、腰痛や背中痛が起こりがちです。女性ホルモンの減少により、血流が悪くなっていることも症状を進行させる一因です。

背中や腰の痛みで注意すべきは……

注意しなくては、いけない病気もあります。

背中の痛みは、胃腸、膵臓など内臓の病気で起こることもあります。また、腰痛は、子宮筋腫や子宮、卵巣の病気で起こる場合もあります。

また、整形外科の領域では、脊椎の変形で神経の一部が圧迫されて起こることもよくあるといわれています。

姿勢や動作で痛みが変化する場合は、整形外科を受診しましょう。

増田美加・女性医療ジャーナリスト

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予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。

記事提供:ウェブメディア「MYLOHAS」

ヘルスコンシャスな女性たちにむけて、「カラダ・食・マインドを整える」記事を厳選してお届けします。

提供元:良くならないのはなぜ? 頑固な「首こり・肩こり」の意外な原因|MYLOHAS(マイロハス)

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