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2021.01.27

コロナ禍で「ゲームが健康にいい」3つの理由|医師が教えるゲームとの「正しい付き合い方」


ゲームはメリットとデメリットを理解して正しく付き合えば、健康にもよい影響を与えてくれるツールの1つです(写真:USSIE/PIXTA)

ゲームはメリットとデメリットを理解して正しく付き合えば、健康にもよい影響を与えてくれるツールの1つです(写真:USSIE/PIXTA)

各地で緊急事態宣言が発出される中、新型コロナウイルスの感染収束までまだまだ先の見えない日々が続いています。コロナ禍において自宅で過ごす時間が増えるとフリーな時間が増える半面、もし感染したら……とネガティブな考え事をしたり、不安をあおるメディアの報道を見たりしがちです。

この解決法の1つとして今回は「ゲーム」を提案したいと思います。

会えないけど「一緒に遊ぼう」

ゲームというとただの娯楽、または健康によくないものというイメージを抱く方もいらっしゃるかと思います。確かに2019年にWHOが生活に影響するほど深刻なゲーム依存症を「ゲーム障害」として認定しようとする動きがありました。しかし新型コロナウイルス感染拡大を受け、現在は世界のゲーム関連企業と共に「#PlayApartTogether(離れて一緒に遊ぼう)」を推奨するようになっています。

さらに近年は「eスポーツ」というジャンルとして、ほかのプレーヤーと対戦する形式のゲームを1つの競技として広める動きがあります。プロとしてゲーム実績で生計を立てている方々には有名会社がスポンサーとして付いていることも多々あり、サッカーなどのいわゆる「スポーツ」と比較しても遜色ない知名度、奥深さになってきているといえます。

ゲームはそのメリットとデメリットを理解し、正しく付き合えば健康にもよい影響を与えてくれるツールの1つと考えることができます。

ゲームの魅力はさまざまありますが、大きく分けて(1)感情が豊かになる、(2)自己肯定感を高められる、(3)コミュニケーションツールとして利用できることの3つが挙げられます。

まず(1)感情が豊かになる、についてですが、緊急事態宣言などで飲み会などが激減し、勤務が終わると誰とも話さず1日が終わるという方が、とくに1人暮らし世帯を中心に増えています。こうした状況が続くと感情の起伏が乏しくなり、ひどくなるとうつ病の原因にもなります。そんなとき、ゲームを通じて美しい景色や魅力的なストーリーへの感動、強敵を倒した達成感など日常生活では得られないような感情を吐露することができます。

ただ同時に、とくにほかのプレーヤーと戦うタイプのゲームで負けたとき、暴言や暴力(机をたたく、コントローラーを投げるなど)といったマイナス方向の感情が爆発してしまう方も一部いらっしゃいます。

他人の前でこうした行為を行うことはもちろんマナー違反ですが、どのようなときにこのような感情が起きるかを知り、強いストレスを感じたら一旦ゲームから離れるなどの対処を習慣づけることで、日常生活においてもストレスを感情にぶつけてしまうことを防ぐことが可能です。

次に(2)自己肯定感を高められる、ですが、どのようなゲームでも基本的には遊ぶ人の達成感を重視して作られています。謎解きや戦略を考えて先に進むパズル系のゲームをクリアしたとき、強力な敵に何度も挑戦して倒したとき、その達成感は自己肯定感につながります。

実際の体の動きとゲーム内のキャラクターの動きが連動するような、アドベンチャー形式で筋トレが楽しくできるゲームもあります。ゲームの課題をクリアする達成感に加え、身体的な健康も副産物として手に入れることができるのです。

また対戦系のゲームでランキング上位に載ったり、大会で優勝したりすることは自己顕示欲を満たし、自分自身の努力が形になった1つの実績として自信に結びつきます。

(3)のコミュニケーションツールとして利用できる、というのは主に数人を集めてオンラインで協力プレーができるゲームにおいて、ゲームをコミュニケーションツールとして利用することもできるという意味合いです。顔を出さずに声だけでやり取りすることも多く、実際の名前や職業なども公表しないため、ある意味「浅い」付き合いであることで、日常のちょっとした話がしやすい場合もあります。

また(2)でお話ししたようなゲームの大会を通じて、同じ目標に向けて努力する同士を見つけ、そこから親交を深めることもできます。

注意すべき点

とはいえゲームのやりすぎは少なからず身体に悪影響を及ぼします。長時間同じ姿勢でいることで肩凝りから緊張性頭痛につながりますし、ゲーム画面をずっと見ることで眼精疲労が起こります。背筋を伸ばしてディスプレーからは適度に距離を取り、約1時間ごとに10分程度は画面から目を離して遠くの景色を見るほか、軽いストレッチを行いましょう。

また画面に集中するとついまばたきを忘れがちですので、まばたきを意識することも重要です。これらは携帯ゲーム機だけでなくスマホやパソコン画面を長時間見る場合でも同様です。

また、よく世間で話題になる「ゲーム依存症」についてですが、ゲームは1日何時間までがよい、という医学的統計はありません。ただ深夜のゲームは眼精疲労だけでなく、アドレナリン分泌による交感神経活性化による入眠障害につながる可能性があります。就寝の約1時間前にはゲームを終わらせ、入眠直前は光や音の刺激を避けて静かに過ごすとよいでしょう。

ゲームは批判されることも多いですが、正しく付き合えば心身の健康につながるツールと考えることができます。趣味もなく毎日がつまらないと感じている方こそ、まずは興味のあるゲームを1つだけプレーしてみるのはいかがでしょうか。

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提供元:コロナ禍で「ゲームが健康にいい」3つの理由|東洋経済オンライン

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