メニュー閉じる

リンククロス シル

リンククロス シルロゴ

2021.01.19

「変化する生活様式」をプラスに変えるコツ|誰でも起こる「現状維持バイアス」を意識する


新しいことを始めるときは不安になりやすいものです。どうしたら1歩を踏み出すことができるでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

新しいことを始めるときは不安になりやすいものです。どうしたら1歩を踏み出すことができるでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

記事画像

この連載の記事一覧はこちら ※外部サイトに遷移します

新しいことに取り組みたい、でも不安になる。いつかやらねばと思いつつもなかなか重い腰が上がらない。それは変化への不安とも言えます。

人は、基本変わりたくないと思っています。たとえそれがよくない状況だとわかっていても現状維持を選びたくなるのです。なぜそうなってしまうのかをお伝えしたいと思います。

「現状維持バイアス」とは?

理由の1つに現状維持バイアスが挙げられます。

未経験の事柄、よく知らないことには不安を感じます。身近な例を挙げると、よく行く飲食店で、大抵いつも同じメニューを選択してしまうというのもこれが影響しています。食べておいしかったという記憶があると、なおさらリスクを負ってまで新しいメニューにトライしようと思わないのです。くわえて、いつもこれに決めているからという気持ちが働くことも現状維持バイアスです。

現状がよくない点も踏まえてわかっている、しかし、新しいことでは予期せぬリスクが降りかかるかもしれない、ならば危険を冒さないほうがいいという心理です。現状維持バイアスは人間の本能で、意志の強さなどにかかわらず誰しも陥りやすいといえます。

ですから、現状がよくないとわかっていても、未知の世界よりはマシと判断し、現状に甘んじてしまうのです。誰にでも起こるこの現状維持バイアスを意識しているかどうかが、行動に移せるかどうかの分かれ目になります。

かくいう筆者も、新しいことをするのが学生時代から苦手です。家庭教師のアルバイトをしていたのですが、少し慣れてくると仕事を増やそうと意気込んで、新しい生徒さんを紹介されるも、初日の前の晩は「あ~、なんで、新しい生徒を増やしてしまったんだろう。どんな子だろう。私の手に負えるだろうか」など悶々と考えて、眠れなかった記憶があります。

ほかのことに関してもしかり、何事においても決めた後で、不安との戦いを繰り返してきました。ただ、そのときは苦しいのですが、そういうものなんだと受け入れて、「不安や心配は健全なこと」と前向きに捉え、不安だからやめよう(物理面や金銭面で、多大なリスクを伴うものは別です)と思わずに、とりあえず1歩踏み出してみることが大切かと思います。

始めてみると意外に簡単なことだったり、楽しくなってくるものです。やってみなければわからないことは多々あります。そのうえで、どうしても難しければ、やめればいいだけのことであって、それは失敗でもミスでもありません。そもそも、行動がすべて正解でうまくいくほうがまれです。

現状に不満はあるものの、リスクを冒してまで変えたくないと思っている方は、動かない理由を見つけようとすることにエネルギーを傾けがちですが、ズルズル現状維持を貫くよりは、ほんの少しの変化にトライしてみることも大切です。

もう1つ、行動を制限しているものは、情報量の多さです。心配や不安を抱えやすい人ほど、多くの情報を集めようとします。すると当たり前ですが、選択肢が多くなります。そうすると行動を制限に結び付けてしまう心理が働きます。これを選択回避の法則といい、選択肢が多すぎると、選ぶこと自体を拒絶する心理のことです。

選択肢が数種類だったら、比較検討も徹底的にできて、自分の中での優先順位がつけやすくなります。しかし、多岐にわたってくると、そもそもそれぞれのメリット・デメリットを把握するだけでも負担がかかり、比較検討する前に疲弊してしまうのです。

慎重な人ほど、詳細を調べたり、比較したりすることに重きを置くので、通常よりも多くの情報を手にしてしまいやすくなり、その結果、自分が納得できないなら行動しないほうがよいという結論に達しやすく、そもそもの行動にストップがかかります。

「気持ちのブロック」に気づくことが大切

このようにいくつかの足かせがあり、明らかに現状が悪くて、生活そのものに変化が必要なとき、現状を脱すればよくなるとわかっているときにも、無意識に変化を避け、現状を維持しようとしてしまうことがあります。

働き方であったり、生き方であったり変化を強いられることも多い昨今、より一層、現状維持に固執してしまう方向に気持ちが向くことが多いと思います。それゆえにどうにもならないところまで、追いつめられてしまいやすくなります。

やり方や行動様式を変えることは、心理的にも大きなハードルです。しかし、柔軟に変化すること自体がストレスの軽減になり、八方ふさがりを回避できることへもつながります。答えは1つではありません。さまざまなことに思いをめぐらせ、不安や心配にさいなまれるよりは、ほんの少し、変化を取り入れて行動に移してみることをお勧めします。

苦しいことをあえて続けていた自分に気づけるかもしれません。心身の健康のためにもまずは、気持ちのブロックに気づくことが大切です。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

「やる気が続かない人」に多いヤバい口癖6つ

自己肯定感が低い人に表れる危ない5つの特徴

やりたくないことを「たった5秒」で始める裏技

提供元:「変化する生活様式」をプラスに変えるコツ|東洋経済オンライン

おすすめコンテンツ

関連記事

“秋うつ”にご注意!予防法を徹底解説

“秋うつ”にご注意!予防法を徹底解説

急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|休むだけでは「心身のリセット」はできない

急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|休むだけでは「心身のリセット」はできない

「メンタルを病む60代」「余裕ある60代」の決定差|人間関係に悩む中高年を救う空海の教えとは

「メンタルを病む60代」「余裕ある60代」の決定差|人間関係に悩む中高年を救う空海の教えとは

「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|「何となく疲れる」人の背景にある"かくれ繊細"

「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|「何となく疲れる」人の背景にある"かくれ繊細"

戻る