2021.01.07
「3日坊主の人」が劇的に変わるたった1つのコツ|年始に立てたプランを実践するための秘訣
3日坊主から脱却するためにはどうすればよいのでしょうか(写真:タカス /PIXTA)
新年に新しい目標を立てたものの、結局全然実行できていない……。そんな人もいるのではないでしょうか。作家・講演家・起業家プロデューサーといったさまざまな肩書を持つ星渉氏が上梓した『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』を一部抜粋・再構成し、「3日坊主」を脱却するためのコツを紹介します。
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』 ※外部サイトに遷移します
新しいことを始めようと思い立った時につきまとうのが、この「3日坊主問題」です。やり始めこそ上手くいっていたのに、気がついたら続けていなかった……という状況です。
「アドバイスされた新習慣を身につけたいのだけど、3日坊主で終わってしまうんです……」
これに関するアドバイスも、私はよく行っています。結論から先にお伝えしましょう。「新しい習慣を作りたいのであれば、すでに習慣になっているものに付け加えるだけでOK」これで、誰でも挫折することなく、しかも努力する必要もまったくなく、新しい習慣が定着します。
なぜ、最初はやる気に満ちあふれていたのに、3日もするとそのやる気もなくなり、行動をしなくなってしまうのか? 東京大学大学院薬学系研究家の池谷裕二教授は著書『のうだま やる気の秘密』(幻冬舎)で、「3日坊主が起きるのは当然。続けられないのは脳が飽きっぽいから」と述べられています。
「3日坊主」は、脳の仕組みが原因なのです。もともと脳は、新しい環境や刺激に対して大きく反応して、活性化されるようにできています。ところが、同じ刺激が繰り返されると次第にその活性化は弱まっていきます(これを「順化」といいます)。
脳が活性化しないと飽きて面倒になる
もうおわかりでしょう。
新しい習慣を始めた→ 新しい刺激で脳が活性化。やる気満々に! →同じことを繰り返す→ 脳が刺激に慣れて、活性化せず
脳が活性化しなくなった後は、「飽きて、面倒になりやめてしまう」もしくは、「面倒くささにも慣れて続ける」というどちらかの結果になります。
「でもそもそも、同じことを繰り返すのが〝習慣〞というものなんだから、脳の仕組み的にも、新しい習慣を定着させるのは難しいことじゃないか」そのように思うかもしれません。しかし、この脳の仕組みを知った上で逆手に取ることができれば、習慣の定着は誰でもできます。
脳の仕組みを逆手に取った方法、それが先ほど結論としてお伝えした「すでに習慣になっているものに付け加えるだけ」というやり方です。
言い換えれば、「〝新しい習慣〞を作ろうとしない」ということ。何か新しい習慣を始めても、いずれ脳には「順化」が起きて飽きがきます。ならば、すでに脳が飽きたという壁を通り越えて習慣になってしまっているものに、新しくやりたい何かを加えてしまうのです。
例えば私が習慣化しようとしている「毎日画像を見る」という場合。私は自分の「未来体験シート」を作成し、明確な目的地として自分がなりたい姿の画像集も持ち、毎日画像を見ています。
ちなみに、毎日画像を見ることは、何度も脳に繰り返して情報を送ることになり、あなたの周りに起きるすべての出来事を思い通りに変化させていくことにもつながります。
では、どのように習慣化したのか? 3日坊主になるのは、単純に「よし、毎朝この画像集を見るぞ」と意気込むだけ、というパターンです。これでは、3日後には「毎朝画像を見る」ということ自体を「忘れてしまっている」でしょう。
すでに習慣になっているものに付け加える
それに対して、「すでに習慣になっているものに付け加える」とは? まず私は〝毎日〞画像を見るために、「〝毎日〞考えないでも無意識にしていること」を探しました。目覚まし時計を止める、朝起きたら時間を確認する、歯を磨く、シャワーを浴びる、服を着替えるなどなど。そして、これらのもうすでに習慣になっているものと同時に「画像集を見る」という行動をしただけなのです。
一番都合がよかったのが、「自宅のマンションのエレベーターで1階に降りる」という習慣に「画像を見る」を付け加えたものです。マンションのエレベーターに乗るたびに画像集を開く。こういう「条件づけ(ある出来事が起きたらこう反応するという習慣)」を確立すると、エレベーターに乗ると自動的に画像集を開くようになるのです。
どうでしょう? これなら誰でも簡単にできると思いませんか? さて、あなたは毎日しているどんなことに「画像を見る」という習慣を付け加えられるでしょうか?
ちなみに、それでもなかなか習慣化しなかった場合のための奥の手も、お教えしましょう。例えば前述のように「エレベーターに乗った時に画像を見る」と決めても、エレベーターに乗った時にふと〝面倒だな〞という気持ちが湧いてしまうこともあります。まさに脳の「順化」であり、誰にでも起きることなので仕方がありません。
では、そのときどう対処すればいいか?「ちょっとだけやればいい」のです。「画像を見る」であれば、あなたの画像集すべてを見る必要はありません。画像を1枚だけ見ればいいのです。
いくら面倒だといっても、1枚だけなら見ることはできるはずです。そう思って1枚だけ見ると、「せっかくわざわざスマホで画像集を開いたんだから、1枚だけしか見ないなんて〝もったいない〞〝もっと見たい〞」という気持ちが生まれるのです。
ダイエットや筋トレにも応用を
これは、モチベーションに影響を与えているといわれる、大脳基底核の一部である「淡蒼球(たんそうきゅう)」が体を動かすことで刺激されて、モチベーションが高い状態が作られるというメカニズムによるものです。
たとえば「最初は、やる気がなかった部屋の掃除も、少し片付け始めたら、目につくところが気になりだして、最終的には部屋中をキレイに掃除していた」なんて経験はないでしょうか? それと同じことです。
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』(KADOKAWA)
『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』(KADOKAWA) ※外部サイトに遷移します
最初は〝1枚だけ〞と行動するハードルを徹底的に下げて、「それくらいならやってもいいか」と「動く」ことで「淡蒼球」を刺激し、モチベーションをアップさせる。結果、2枚以上の画像を見ることができるというわけです。
簡単ですがきわめて科学的な手法でしょう。ダイエットや筋力トレーニングで「毎日腹筋を30回する」と思っても続かない人も、これを応用すればいいのです。
いきなり毎日30回するのではなく、腹筋1回だけをやることを続けます。すると、「1回だけなんて物足りない」「もったいない」という気持ちが生まれ、10回、20回やるようになり、気がつけば毎日腹筋を30回やるという習慣が身についているでしょう。このように、物事を習慣化するには、脳の仕組みを使った科学的な手法を用いるのがベストなのです。
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提供元:「3日坊主の人」が劇的に変わるたった1つのコツ|東洋経済オンライン