2020.11.27
自律神経のアンバランスで起こる、冷えのぼせの対処法6つ
冷えのぼせで、決してやってはいけないこと
冷えのぼせの人が、決してやってはいけない入浴法や温め方があります。かえって逆効果の対策をしないように、注意してください。また、冷えのぼせの人は、不眠がちのことが多いので、寝る前のリラックス法や漢方薬での改善法も紹介します。
長時間の入浴は危険!
冷えのぼせの人は、体の芯が温まる前にのぼせてしまう傾向があります。冷え症を解消しようとして、無理して湯船に長い間つかると、のぼせてめまいを起こすこともあるので注意が必要です。冷えのぼせの人も、入浴は心と体をリラックスさせる作用があるので、もちろんNGではありません。上手に入りましょう。
お風呂は、ぬるめの温度に設定します。気持ちいいと感じるお湯の温度は、38~40℃くらい。肌に触れたときに、ホッとする温度です。ぬるいと感じたら、追い炊きで徐々に42℃くらいまで温度を上げていきます。最初から熱すぎるお湯は避けてください。
温める場所と冷やす場所に注意!
冷えのぼせの人は、頭部は熱く、手先足先は冷えていて、体の中で冷えとほてりが混在しています。ですから、ほてりを感じたときに冷やす部位と、冷え症を改善するために温める部位が異なるのです。
ほてりを感じたときに、一時的に冷やして熱を逃がすには、顔、頭部、わきの下など、を冷やします。決して冷やしてはいけないのは、おなか、腰、おしり、足首です。ここは、常に温めるようにしてください。
ファッションは重ね着スタイルで
温度調節がいつでもできるように、脱ぎ着しやすい薄手のものを重ね着するのがおすすめです。冷えのぼせの人がNGなのは、首のつまったトップス。のぼせたときに汗を逃がせなくなり、汗で体を冷やしてしまいます。熱を逃がしやすくするために、トップスは首の開いたものを。寒いときは、ストールなどで首元を覆って温度調整します。
冬の暖房のきいた室内では、汗をかきやすく、大汗をかくとそのあと冷えてしまいます。汗冷えしないよう、吸汗速乾インナーなどはおすすめです。
寝るときのソックスはNGです
もうひとつ、冷えのぼせの人は、足元をしっかり温めることが大切。ソックスやレギンス、レッグウォーマーなどを上手に使って、足元の冷えを防ぎます。ガードルなど締めつけの強い下着は、逆に血流が悪くなりますので、避けましょう。
寝るときに足が冷えるからといって、決してソックスを履いて寝てはいけません。足指と指の間に汗をかいて、それが下半身を冷やす原因になるのです。足指は出して、レッグウォーマーで足首を温めたり、5本指ソックスのように足指の間の汗を吸収するものを履いて、冷やさないようにすることが大切です。
効率のいい冷え解消ポイント
冷えのぼせの人のセルフケアで重要なことは、毛細血管まで血流をよくして、全身を温めることです。効率よく温めるポイントは、首のうしろ、おなか、おしり、足首です。
冬は特に、首のうしろを温めることで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整い、全身を効率よく温めることができます。寝る前に、首のうしろを温めると、良質の睡眠にもつながります。蒸しタオルや市販の温熱製品で上手に温めましょう。
寝る前に副交感神経を優位にする技
交感神経の緊張をやわらげ、リラックスして眠りにつくために、眠る直前の5分間、腹式呼吸をするのも効果的です。あお向けに寝て、おなかに軽く手をのせて、ゆったりとした腹式呼吸を10回ほど行いましょう。
また、寝る前には、リラックスできる環境を整えることが大切。自律神経のバランスを整えることにつながります。好きな香りのアロマを焚く、肌触りのいい寝具やパジャマを選ぶなどもおすすめ。夜寝る前は、パソコン、スマホを控えます。神経の興奮状態が続いてしまい、副交感神経が優位にならないと、冷えのぼせを改善しにくくなります。
漢方薬は、冷えのぼせ改善が得意技
西洋医学では、病名がつかない女性の不調は、漢方薬の得意分野です。特に冷え症や冷えのぼせは、体質に合わせた多くの処方があります。最初は、医師にあなたの「証」(体質・タイプ)を見極めてもらって、自分に合った漢方薬を処方してもらってください。
冷えのぼせに、よく処方される漢方薬の例は......
「人参養栄湯」(にんじんようえいとう)
体力の低下が著しく、疲れ、寝汗、手足の冷えがあって温めたい人に。
「温経湯」(うんけいとう)
不眠、更年期障害、足腰の冷えがあって、月経不順やほてりもある人に。
「桂枝茯苓丸加薏苡仁」(けいしぶくりょうがんかよくにいん)
比較的体力があって、ときどき下腹部痛、肩こり、頭重などがあり、のぼせと足冷えなどを感じる人に。
「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)
消化機能が衰え、疲れと体力低下が著しく、多汗、食欲不振、夏やせなどがある人に。
「十全大補湯」(じゅうぜんたいほとう)
体力が低下気味で疲れ、寝汗、手足の冷え、食欲不振などがある人に。
増田美加(ますだ・みか)さん
女性医療ジャーナリスト。2000名以上の医師を取材。予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。
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記事提供:ウェブメディア「MYLOHAS」
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提供元:自律神経のアンバランスで起こる、冷えのぼせの対処法6つ|MYLOHAS(マイロハス)