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2020.11.18

外出自粛する人ほど「認知症リスク」が高い理由|「一人暮らし」「運動不足」の人ほど発症しやすい


外出自粛する人、運動不足の人ほど「認知症」にかかるリスクは高い(写真:C-geo/PIXTA)

外出自粛する人、運動不足の人ほど「認知症」にかかるリスクは高い(写真:C-geo/PIXTA)

新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。9月10日に厚生労働省は、「コロナうつ」に関する1万人規模のネット調査を行うと発表しましたが、それも「コロナうつ」が激増しているという背景があってのこと。

「eヘルスケア」による全国医師561人に対して行った「新型コロナウイルス禍での生活環境変化の影響で増えた疾患」についてのインターネット調査によると、約4割の医師が最も増えた疾患として「精神疾患」を挙げました。具体的なメンタル症状としては、「悪夢を見る」「鬱状態」「つねにコロナにおびえている精神状態」などが多く挙げられました。

コロナに関連して「コロナうつ」や「自殺」の危険性については、私も過去の記事で詳しく書いていますし、最近、さまざまなメディアでその危険性が報道されるようになっています。しかし、コロナに関連して、もう1つ注意しなければいけないメンタル疾患があります。それは、「認知症」です。

なぜコロナで「認知症患者」が増えるのか?

最近、「新規の認知症患者が増えている」という話を知り合いのドクターからよく聞きます。また現在、「通院、通所中の認知症患者の症状が悪化している」というデータもあります。

広島大学による入所系医療・介護施設945施設および介護支援専門員751人に対する調査では、「約38%の患者に認知機能の低下や日常生活動作の低下が認められた」という結果となっています。つまり、認知症患者の約3人に1人に症状悪化が起きている、という深刻な結果です。

拙著『ブレインメンタル強化大全』でも紹介しているように認知症を予防するには、いくつかの方法がありますが、科学的なデータが多い最も効果的な方法は「運動」です。1日20分程度の散歩で認知症のリスクを半分程度にまで減らせる、という研究が世界的にも多数あります。逆に言うと、「運動不足」が認知症発症の重大なリスクとなります。

高齢者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、若い人と比べて重症化のリスク、死亡率が高く、「コロナが怖い」ということで、家からほとんど出ない高齢者がたくさんいらっしゃるようです。

1日20分の散歩というのは、それほど高いハードルではありません。近所のスーパーやコンビニまで買い物に行けば、だいたい20分以上歩くことになります。しかし、家から1歩も出ない場合、家の中で意識的に運動しない限り、運動量はほとんどないことになってしまいます。それが、4月の緊急事態宣言の頃から続いていると考えると、「運動不足」が、そろそろ半年にもなりますから、脳への影響が出てきてもまったくおかしくはないのです。

入所系医療・介護施設945施設および介護支援専門員751人に対する調査 ※外部サイトに遷移します

『ブレインメンタル強化大全』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

「運動不足」とならんで、認知症の重大なリスクとして知られるのが「孤独」です。孤独な高齢者は、そうでない人と比べて、認知症の発症率が約2倍も高いのです。

今までは大型連休になると、おじいちゃん、おばあちゃんのいる実家に孫を連れて遊びに行くというのが、日常でした。しかし現在、コロナに過敏になっている高齢者は、若者と接触しようとしない。家族であっても、「家にも遊びに来るな」という人もいます。今年の夏休みは、全国的に実家への帰省も自粛ムードとなり、親元に帰省できなかった人も多かったはずです。

さらには、「コロナが怖い」と人の集まる場所を避ける高齢者は、趣味サークル、老人クラブ、デイケア、さらには病院にまでも行かなくなっています。つまり、コロナ前と比べて、人との接触が圧倒的に少なくなってしまった。コミュニケーション不足になっており、実質的に「孤独」な状態になっているのです。

リアルに人と会って会話するということは、脳を活性化します。逆に、人と会わないで家に閉じこもっていると、脳への刺激が著しく減ってしまい、認知症のリスクを高めるのです。

認知症になる確率は「コロナ感染の70倍以上」

コロナウイルスに感染しないように注意を払うことはとても大切ですが、「外出しない」「人と会わない」をやりすぎると、「運動不足」と「孤独」のダブルパンチによって、認知症の発症率を大きく高めてしまう。あるいは、現在、認知症の患者さんは症状を悪化させることにもつながるのです。

それを防ぐために、私は「朝散歩」をお勧めしています。朝起きてから1時間以内に、15~30分の散歩をする。朝の時間帯に、公園や河川敷などを散歩して3密になることはありえないので、コロナ感染の危険性はほとんどないでしょう。

日本人の認知症患者は、約600万人いると言われます。65歳以上だと、7人に1人の割合です。コロナ感染者数は約8.5万人(本稿執筆時)ですから、ザックリ言えばコロナ感染する確率よりも、認知症になる確率のほうが70倍以上も高いのです。

コロナ感染を警戒しすぎるあまり、「外出自粛」と「人と会わない」を徹底しすぎて、認知症になってしまっては本末転倒です。昨今の状況を考えると、1日20分程度の朝散歩、家族など限定した人たちとの面会であれば、コロナ感染のリスクは心配するほどではないはずです。

また自分の親が認知症になってしまうと、介護などでものすごい負担がかかります。この記事の内容を、ぜひ、ご両親ともシェアしていただき、認知症予防に役立てていただきたいです。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

コロナ疲れで病む人・病まない人の決定的な差

50代で「うつになる人」「ならない人」決定的な差

日本が「睡眠不足大国」に転落した3つの事情

提供元:外出自粛する人ほど「認知症リスク」が高い理由|東洋経済オンライン

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