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2020.10.30

早期退職「働かない自分」と折り合いつける方法|「人生の長期休暇」は世間で認められるのか?


長いキャリアの中で小休憩を取ることも、人生をより豊かにする成長の糧になるはずです(写真:AH86/PIXTA)

長いキャリアの中で小休憩を取ることも、人生をより豊かにする成長の糧になるはずです(写真:AH86/PIXTA)

失業しました。コロナ禍における業績の悪化に伴い早期退職制度というのを利用して、30歳半ばにして初めて会社の外に出てみました。
生活は退職金や失業保険もあり当面は何とかなりますし、現在はボランティアをしたり、趣味の体を動かすトレーニングをしたり、ちょっと休憩モードです。
ですが、いかんせん勤務しているサラリーマンの姿を見ると、自分はこれでいいのだろうかと、ふと思ってしまいます。働いているべき時間にさぼっているようでなんとも言えない感情になってしまうのです。自分の価値が下がってしまったような、そんな感情でしょうか。
こういった人生における休みって、世間では認められるものなのでしょうか? また、そういった負の感情とどう付き合えばいいのでしょうか?
無職 ただの浪人

キャリアの成功は100人100通りで人それぞれ

キャリアは長期マラソンであり、短距離走ではありません。したがって長い目で見ましょう。長い目で見れば、数カ月の休みなぞキャリア形成における総時間軸からすると微々たるものです。

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ご相談の内容から、仕事をしてから初めてそういった小休憩を取られているのだと察します。そのような状況で周りと比べてしまい、焦る気持ちはわかりますが、そもそも論として周りと比べること自体必要のない事です。

キャリアというものは人それぞれであり、当然のことながら万人に当てはまる正解もありませんし、絶対と呼べるような形や方程式はありません。

「キャリアにおける成功」という定義すら100人100通りの成功の形があるものです。ただの浪人さんの場合も、ご自身の今までの経験や志に立脚した自分なりの価値観に基づいたキャリアにおける正解を追求すればよいのです。

また、現時点において周りが働いていて、ただの浪人さんが働いていないとしても、そのこと自体は何の意味も成しませんし、タイミングが異なれば逆の可能性もあるのです。

要は人それぞれであり、周りの現時点の状況とご自身の現時点の状況という、双方「たまたま」今何をしているかは大した問題ではないということです。それよりも、ご自身が正解と思うゴールに向かって着実に進んでいることや、最終的にそのゴールと照らし合わせて「どこまで行けたか」のほうが大事です。「着実に進む」という作業にしても、ご自身にあったペースで進めばいいわけですから、周りと歩調や時間軸を合わせる必要はないのです。

さて、先ほど「小休憩」という言葉を使いましたが、無職や失業中とただの浪人さんが書かれている中で意図的にその言葉を使わせていただきました。

長いキャリアです。立ち止まることも、休憩も大事なのです。ましてやただの浪人さんの場合、今の時間を使ってボランティアをしたり運動をされたりしていますよね。素晴らしいことだと思います。空いた時間を使って、自分のためだけではなく、ボランティアという社会貢献までされているのですから。

仕事とは人生を形成する一部でしかなく、またただの浪人さん個人としてのアイデンティティーを形成する一部でしかありません。仕事に熱中できることも大切ですが、仕事以外で熱中できることをいくつ持てるかが、実りある人生を生きるうえでは大切だったりします。

ですから、現在は仕事を休んでいるだけで人生を休んでいるわけではない――。そう頭を切り替えましょう。

仕事以外のことで人生の幅を広げるチャンス

仕事だけが人生では決してありません。もちろん仕事をしないで人生を生きられるような方は非常にまれでしょうから、仕事との付き合いは今後も長く続くでしょう。そのように考えると、長距離マラソンであるキャリアを走り抜けるためには、自分に合ったペースを早めに把握し、応じた生き方・働き方をすることです。その過程で小休憩も必要でしょうし、取れるのであれば取るべきだとも思います。

繰り返しますが、最終的にどこまで行けるかが重要なのであり、現時点でどこにいるか、何をしているかは大した問題ではないのです。むしろ現在のような小休憩を取り、時間的余裕ができた今、今後のキャリアについて考えることも重要ですが、より実りある人生を生きるべく仕事以外の活動を充実させるチャンスです。

仕事と仕事以外の人生が充実していれば、双方にいい影響を与え合うことができます。今後仕事に復帰したときに、今まで以上にパフォーマンスを出すべく、今の時間を利用してどんどん人生の幅を広げてみてください。

今までとは違った景色が見えてきたり、違った出会いや人間関係の構築などを通じて、新たな自分の発見やキャリア感も変わる可能性もあります。それも、人としての成長なのだと思います。

ですから、現在の小休憩はただの浪人さんがただの浪人さんのペースで長いキャリア道を走り抜けるために必要なステップなのです。現在は長いキャリア道において小休憩をしており、仕事を休んでいるだけで、人生を休んでいるわけではないのです。

その言葉を胸に、ただの浪人さんが今ある時間を有効活用し、今後より実りある人生を歩まれるであろうことを応援しております。

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7割弱の社会人が「学ぶ習慣」がないという現実

提供元:早期退職「働かない自分」と折り合いつける方法|東洋経済オンライン

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