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2020.09.14

この先「会社員の給料」、格差はここまで拡がる|同じ会社・年齢でも「5000万」と「500万」に?


新型コロナウイルスの影響で雇用情勢が悪化している一方、「プロ人材の引き抜き」も増えている。「報酬格差の拡大」がもたらす「3つの変化」とは(写真:tkc-taka/PIXTA)

新型コロナウイルスの影響で雇用情勢が悪化している一方、「プロ人材の引き抜き」も増えている。「報酬格差の拡大」がもたらす「3つの変化」とは(写真:tkc-taka/PIXTA)

わずか半年ほどで世界を震撼させ、経済活動や社会活動をいっきに停滞させ、世界中の人々の生活をどん底に陥れようとしている「コロナ・ショック」。
しかし、「コロナ・ショック」は日本にとって、必ずしもマイナスばかりではない。むしろ、経済的な側面よりも、日本人の価値観や働き方を大きく変え、日本という国が真に豊かで、幸せな国になるための好機と捉えている――。
『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「この『コロナ・ショック』は、ビジネス社会における『プロの時代』の幕開けになる」という。
「コロナ・ショック」を見据え6月に集中執筆した『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』を緊急出版した遠藤氏が、「日本企業の『報酬格差拡大』がもたらす3変化」について解説する。

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失業者は増えているが「引き抜き」も増えている

新型コロナウイルスの影響で、雇用情勢は悪化している。コロナ影響による雇い止めは全国で5万人を超え、7月の完全失業率(季節調整済み)は2.9%と前月から0.1ポイント上昇した。経済活動の再開ペースは遅く、雇用の悪化は今後さらに進むと見られている。

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その一方で、「プロ人材の引き抜き」も増えている。ファミリーマートはマーケティング全般の最高責任者であるチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)に足立光氏を起用すると発表した。足立氏はローランド・ベルガー時代の私の同僚で、マーケティングのプロである。日本マクドナルドの上席執行役員CMOとして業績を回復させた立役者として知られている。

足立氏に限らず、「高度専門性を持つプロ人材」は引く手あまたである。先日も、ある大手企業の経営幹部から「外部からチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)を採用したいが、いい人はいないか」と相談を受けた。CDOの需要は急速に高まっているが、それに見合う人材は明らかに不足している。そうした「高度専門性」と「経験」「実績」を兼ね備えた人材は、引っ張りだこである。

コロナをきっかけに、日本企業を支えてきた「年功序列」の報酬制度や「横並び人事」は崩壊し、「実力主義」「結果主義」に移行することは間違いない。日本企業における「報酬格差の拡大」はどのような変化をもたらすのか。ここでは、そのなかの主な「3つの変化」をみていこう。

1つめは、「『プロとアマ』の報酬格差が広がる」ことである。

日本企業でも「報酬格差」は当たり前になっていく

【変化1】「プロとアマ」の報酬格差が広がる

多くの日本企業は「変革」に迫られている。コロナの影響で、市場が縮み、「これまでのビジネスモデルのままでは通用しない」のは明らかである。

その変革を推進する人材が「内部」にいればよいが、残念ながらこれまでの成功体験に染まった同質的な人間だけでは、変革を進めることは困難である。

これまで内部人材にこだわってきた日本企業も、その方針を転換し、変革に必要な高度専門性を持つ人材は「外部」から積極的に起用するようになってきている。

例えば、トヨタ自動車は「総合職の採用に占める中途採用の割合を中期的に5割にする」と発表した。実際、自動運転技術の開発子会社を2019年に設立したが、その会社が新たに採用する社員の半数以上は日本国外から採用するという。

トヨタが外部人材の採用を強化すれば、それはドミノ倒しのように波及する。トヨタに人材をとられた会社は、その穴を埋めるためにほかの会社から人材を引き抜かざるをえなくなる。こうやって、「日本における人材流動化」は急速に高まっていくだろう。

こうした高度専門性を持つプロ人材を採用するには、これまでの給与体系とは異なる「市場価値に即した報酬」を支払う必要がある。例えば、富士通やNTTドコモは、年齢に関係なく「年収3000万~5000万円」を支払える制度を開始した。

こうした動きはIT業界にとどまらない。明治安田生命は、ITや資産運用など10分野の専門人材には執行役員に相当する「年収3000万円」を支払う人事制度を新設する。

同じ会社に勤めていて、同じ年齢なのに、かたや5000万円もらう人がいれば、かたや500万円の人もいる。こうした「報酬格差」が日本企業でも当たり前になっていくだろう。「会社の変革をリードする市場価値の高いプロ人材」と「決められた仕事しかできないアマチュア人材」の報酬格差は間違いなく拡大していく。

2つめは「プロとアマ」だけではなく、「『プロの中』での報酬格差が広がる」ことである。

プロになることが「成功」を意味するわけではない

【変化2】「プロの中」での報酬格差が広がる

日本のビジネス社会にも「プロ化」の波が押し寄せ始めている。ビジネス社会で勝ち抜こうとするのであれば、「高度専門性を備えたプロ人材」を目指さなければならない。

それでは、「プロになれば安泰」かといえば、けっしてそうとは言えない。むしろ、プロになることは「生き残るための最低限の条件」にすぎない。

現実を見れば、プロとアマの差以上に、「プロの中での差」のほうが大きくなる。

それは、「プロ化」が根付いているプロスポーツの世界を見ればわかる。

例えば、サッカーJリーグの平均年棒は、J1では約3500万円だが、J2・J3では300万~400万程度にすぎない。平均で見ても、10倍の差がある。

J1における日本人最高年俸(2020年)は、酒井高徳選手(ヴィッセル神戸)の「1億4000万円」。J2・J3でプレイする選手の30倍以上だ。もちろん、海外のトップリーグで活躍する選手はさらに高額の報酬を手に入れている。

また、ヴィッセル神戸でプレイするアンドレス・イニエスタ選手の年俸は「32億5000万円」。

これは例外としても、イニエスタ選手の元同僚で、2020年1月に引退したダビド・ビジャ選手の年棒は「3億5000万円」。J2・J3の選手たちのほぼ100倍である。グローバル基準と比較すると、さらに桁違いの差になる。

こうした報酬格差はビジネスの世界でも当たり前になっていく。日本企業は即戦力を求めている。ファミリーマートに引き抜かれた足立氏のように、他社で実績を上げた「人材の市場価値」は確実に高まり、活躍する機会はますます広がっていく。

プロになることが成功を意味するわけではない。「プロとして結果を出し、より上の世界で成功をつかむかどうか」が試されている。

3つめは「『エッセンシャルワーカー』の報酬格差も広がる」ことである。

【変化3】「エッセンシャルワーカー」の報酬格差も広がる

コロナ禍において、止めることができない企業活動の最前線を支える「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人たちの重要性が再認識されている。

病院や介護の現場のみならず、製造現場や鉄道、物流の現場、さらには土木や建設、小売りなどの現場で必死に働く人たちがいるからこそ、私たちの社会生活は保たれているのは間違いない。

在宅勤務やリモートワークの広がりが進みつつあるが、完全にリモートワークに移行できる仕事は全体の3分の1程度にすぎず、3分の2の仕事はリモートワークに向かない、もしくは不可能な仕事だと言われている。

「エッセンシャルワーカー」が社会の土台であることは、ポストコロナにおいても変わることはないが、それではその世界で報酬格差が広がらないかといえば、そうではない。

「エッセンシャルワーカー」には2つのタイプの人材がいる。1つめのタイプは、「マニュアルワーカー」だ。決められたルーチンワークをマニュアルどおりにこなすだけの人たちである。

こうした人たちは、やがてロボットやAIなどの新たなテクノロジーによって代替されていく。例えば、バスやトラックのドライバーは、自動運転の普及によってやがてなくなっていく仕事だろう。

2つめのタイプは「ナレッジワーカー」と呼ばれる人材だ。単に目の前の作業をこなすだけでなく、知恵を出し、創意工夫しながら付加価値を高める仕事ができる人たちを指す。日本企業が誇る現場力を支えるのは「ナレッジワーカー」である。

「ナレッジワーカー」はロボットやAIによって代替することはできない。むしろ、ロボットやAIを活用し、現場が生み出す価値を最大化することができる貴重な人材だ。彼らは「単なるエッセンシャルワーカー」ではなく、「クリエイティブ・エッセンシャルワーカー」と呼ぶべき存在である。

日本企業はプロ人材に対する報酬水準を高めるだけでなく、代替性が低く、会社の財産である「ナレッジワーカー」に対する評価を高め、報酬水準を高めることが不可欠である。

日本企業における報酬格差はプロ人材に限った話ではない。企業の現場を支えるエッセンシャルワーカーの世界においても、適正な報酬格差が広がっていくだろう。

「悪平等」から「公平な競争社会」へ

「報酬格差が拡大する」というと、「それは社会の秩序を乱す」とネガティブな反応を示す人はいまだに多い。確かに、一部のアメリカ企業のようにCEOが社員の平均年収の100倍以上もらうような不当な格差はけっして好ましいとは言えない。

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しかし、これまでの日本企業の多くは、「悪平等」だったとも言える。やってもやらなくても報酬は変わらない、結果を出しても出さなくても差がつかないというのでは、誰も頑張らないし、新たな挑戦をしなくなる。

これまでの「悪平等」主義から脱却し、「公平な競争社会」へと移行することが、日本企業が競争力を取り戻すための必須条件である。

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提供元:この先「会社員の給料」、格差はここまで拡がる|東洋経済オンライン

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