2020.09.09
令和初公開!48中核市の「幸福度」ランキング|安定した基盤をバックに上位に入ったのは?
総合1位の豊田市では「豊田おいでんまつり」が開催される(写真は2019年、ram87/PIXTA)
地域社会に生きる人々の幸福を考えるきっかけをつくることを目指して、2012年に発刊した『都道府県別幸福度ランキング』。
『全47都道府県幸福度ランキング2020年版』は9月4日発売
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9月4日に発売となった『全47都道府県幸福度ランキング2020年版』(監修:寺島実郎、編:日本総合研究所)はシリーズ5冊目となる。
発売同日に配信した都道府県ランキング、9月6日に配信した政令指定都市ランキングに続いて、今回は中核市ランキングを紹介する。
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同書では、地域の社会的状況や構造を示す6つの基本指標と、人々の幸福感を具体的に評価する尺度として「健康」「文化」「仕事」「生活」「教育」の5分野・33指標を設定。合計39指標を総合して、中核市の「幸福度ランキング」を算出している。
なお、ランキングの詳細については書籍をご一読願いたい。
豊田市が3回連続の首位に
総合ランキングの1位は豊田市。2016年版(3冊目)、2018年版(4冊目)から3回連続での首位となった。
トヨタ自動車に代表される自動車産業が強固な基盤となり、仕事分野は2016年から1位をキープ。健康分野の順位も前回の7位から今回は2位に上昇しており、市民の健康意識の高まりもうかがわれる。
総合2位は高崎市。基本指標の改善が顕著(前回23位→今回12位)で、2018年版の総合6位からジャンプアップした。生活分野(9位→4位)、教育分野(18位→11位)も上昇しており、安定した生活環境と充実した教育環境の整備が進んでいる。
3位は岡崎市だ。基本指標が1位となったほか、健康分野、仕事分野、生活分野でも上位を維持。その結果、総合ランキングは前回の5位から2ランク上昇した。
続いて、基本指標と5分野のランキングについて解説する。
前述のように、基本指標ランキングの1位は岡崎市。続いて、2位豊田市、3位高槻市の順となった。
岡崎市は「自殺志望者」が大きく減少(35位→4位)したほか、「選挙投票率(国政選挙)」も2位をキープするなど、人々の幸福感や満足度に関する生活・社会基盤が盤石であることがうかがえる。
健康分野ランキングでは、1位に前橋市、2位に豊田市、3位に長野市が入った。
前橋市は、医療・福祉領域が2位、運動・体力領域が7位と上位に入り、健康分野で初めて1位を獲得した。豊田市は「体育・スポーツ施設数」が1位、「要介護等認定率」が2位になった結果、前回の7位から今回は2位と上伸した。
安定した生活環境が好循環を生む富山市
文化分野ランキングの1位は佐世保市、2位は高崎市、3位は岐阜市となった。
佐世保市は「常設映画館数」で1位、「姉妹都市提携数」で2位に入った影響が大きかった。高崎市も「文化活動等NPO認証数」で前回から1位をキープしている。
仕事分野ランキングでは、豊田市が盤石の1位。以下、長野市、宇都宮市が続いている。
豊田市は前述のように、自動車産業が雇用領域と企業領域を支える基盤となっており、2016年版から3回連続で1位となった。長野市は、企業領域が前回の15位から今回は8位に上昇したことがプラスに働いた。
生活分野ランキングは、1位が富山市、2位が秋田市、3位が福山市となっている。
富山市は「生活保護受給率」「待機児童率」が1位で、生活分野では2016年版から3回連続のトップだ。安心・安定した生活環境が、仕事分野(5位)や教育分野(2位)にも波及していることが読み取れる。
教育分野ランキングの1位には呉市が入った。2位は富山市、3位は高知市だ。
呉市は学校領域が5位、社会領域が4位となった。児童・生徒だけでなく、さまざまな世代が学べる環境が整っている。高知市は「社会教育費」が前回の23位から今回は1位へと急上昇したことが飛躍につながった。
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提供元:令和初公開!48中核市の「幸福度」ランキング|東洋経済オンライン