2020.08.24
投資のプロが新入社員に薦める「最高の副業」|「投資の視点」で見ると「やるべきこと」が見える
働き方が変わりつつある昨今、「本当にコスパのいい副業」を見つけるにはどうすればいいだろうか(写真:asaya/PIXTA)
残業(時間外労働)の規制、副業やリモートワークの推進など、日本人の働き方が大きく変わりつつある。どんなことに気をつけて、変化に対応していくべきか。カギとなる「コスパのいい副業」「人生の成長とバランスを作る副業」とはどんなことか──。投資会社の新入社員姫野が大先輩ケイさんに聞く、大人気シリーズ第4回。
世界株式アナリスト、ファンドマネージャーを歴任し、世界30カ国を渡り歩いてきた加藤航介氏。このたび『世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている 驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』を6月に上梓した加藤氏が「大先輩ケイさん」として、投資会社の新入社員(姫野)に「投資のプロが薦める『最高の副業』」についてレクチャーする。
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これからは「誰でも副業が始められる時代」に
姫野:
ケイさんこんにちは! そういえば先週、会社で「新しい残業と副業のルール」について説明会があったんです。
ケイ:
たしかに、一昔前とは「働き方」が本当に変わってきたよね。
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姫野:
「残業NG」「副業OK」「リモートワーク推奨」など、これまでとは逆の考え方が主流になりつつあります。私たちはどう受け止めればいいんでしょう。
ケイ:
国の働き方改革もあって、柔軟な働き方をする人が増えている。以前は副業禁止の会社がほとんどだったと思うけど、これからは「副業が当たり前の世の中」になっていくだろう。僕の友人にも趣味のお酒が高じて週末にバーテンダーをしている人や、生け花の教室をしている人がいるよ。
姫野:
へえー。会社べったりじゃなくて、人生楽しそう。とはいえ、そもそも「副業」って、いいことなんでしょうか?
ケイ:
副業は、「目的」があって「時間と責任」をコントロールできれば、誰にとってもいいことだと思うよ。本業で触れ合わない人との交流を持つことで視野が広がるし、本業では積めない経験を効率よく得ることもできるだろう。もちろんお金ももらえるわけだしね。
姫野:
でも、今の私は「本業」で覚えることがいっぱいで時間もとれないし……。副業に手を出すのは難しそう。
ケイ:
姫野さんは副業を「就業時間後や休みの日に時間給で働く」ことだと考えているようだけど、そんなことはない。「副業」を「大きな視点」で捉えてみよう。それは、いつも学んでいる「投資」と同じことだよ。
「自分を成長させる副業」で将来を豊かに
姫野:
「副業」と「投資」が同じ? あっ、それって、いつもケイさんが言っている「投資→成長→豊かさ」のサイクルのことですか?
ケイ:
うん。副業というのは、「目の前のお金や貯金を増やすため」じゃなくて、「自分の人的資産を長期で大きく増やす、新しい手段」として使うべきだと思う。この、「資産を長期で増やしていく」視点は、投資で大切なこととまったく同じだよね。
姫野:
ふむふむ。投資の視点で考えると、副業ってどんな種類があって、何がおすすめですか?
ケイ:
オーケー。自分の真の資産ポートフォリオは2つの資産からできているので、副業も「(1)人的資産系の副業」と「(2)金融資産系の副業」に分けられる。
姫野:
なるほど、副業にも2タイプあるわけですね。
ケイ:
そう。まず、「(1)人的資産系の副業」を考えてみると、どういう副業が「コスパのいい副業」だろうか?
姫野:
はい。えーと、単に土日にどこかのお店でアルバイトするような副業は、「人的資産を増やす」っていう意味ではコスパはよくないですかね。すごく時間がとられますし。
ケイ:
そうだね。基本的には、「単に自分の時間を切り売りして、目先のお金を稼ぐだけの副業」はおすすめしない。「本当にコスパのいい副業」は、「今の仕事で積めない経験で自分を成長させ、将来の自分をより豊かにしていくこと」だ。
ケイ:
これは、何かを勉強したり資格をとったりすることと同じで、「自分が使った時間で、自分自身の『人的資産』をきちんと増やせるのか?」という視点が大事になる。
姫野:
つまり、副業にも「自己投資の視点」が重要ということですね。
ケイ:
そのとおり。副業が「本業にプラスの効果」があったり、もしくは「将来の本業へのスタートになったりするのか?」ということが大事なんだ。
副業を「自分の人的資産を増やす視点」で考える
姫野:
なるほど。いつもケイさんが言っている投資のサイクル「投資→成長→豊かさ」に副業が乗れば、それは「いい副業」になりうるってことかぁ。
ケイ:
そうだね。さらに、外国では「起業の前に副業でその基盤を作っておく人」も多い。副業を自分の資産である「人的資産」を増やす手段として捉えているということだ。「時給をもらって貯金を増やす手段」ではなくてね。
姫野:
私だと、どういう副業が早速できますかね?
ケイ:
例えば、姫野さんは英語の勉強を頑張っているんだから、日本に来た観光客をガイドする副業とか、日本語を教えてもらいたい英語圏の人に日本語を教える副業なんかが考えられるかな。
姫野:
そうしたら、反対に、英語をタダで教えてもらえそうですしね。
ケイ:
まあ今は、コロナ禍で少し工夫が必要だろうけど、工夫がいるのはいつの時代も同じだ。もしお金がまったくもらえなかったとしても、ひょっとしたら「とてもコスパのいい副業」かもしれないよ。
姫野:
そっか! 今までは、そういう「ちょっとした副業」ですら禁止されていたんですもんね。「副業解禁」って、自分の人的資産が増やせる選択肢が広がるってことか!
ケイ:
そうだね。大事なのは「目の前のお金」じゃなくて、「本当の資産」を増やしていくことが重要なんだ。
姫野:
もう1つの「(2)金融資産系の副業」は、いわゆる株や投資信託とかの「金融投資」ですかね? これは、今までも会社で禁止されていたわけじゃないですけど、ちゃんと腹落ちしてしっかり取り組んでいる人は多くない気がします。
ケイ:
そうだね。例えば、株式投資をするっていうのは、「投資した会社の事業のオーナーになって、その会社の経営者と同じ立場に立つ」ことだ。事業を持つことになるわけだから、立派な副業だ。
姫野:
しかも、この副業は、自分の時間がたくさんとられることはないから、ほかの副業よりも始めやすそうです。何をしていくのがいいですかね?
ケイ:
まず、おすすめできるのは「世界のトップ企業の経営者に、コツコツお金を預けていく」こと。「世界企業のオーナーに少しずつなっていこう」ということだ。そして、世界の幅広い経営者と「同じ立場」になれる便利な道具は、投資信託だ。
姫野:
少額のお金から、ごく少ない手数料で、世界の一流企業の幅広いオーナーになれるって、ものすごいことですよね。ちょっと前の時代まで、こんなことできなかったわけで、今の時代に生まれてラッキーだと思います!
ケイ:
反対におすすめしない副業は、「短期売買のFXや個別株投資をやって一攫千金を狙う」こと。それは「副業」じゃなくて、「遊びやギャンブル」だからね。
姫野:
はい。投資とギャンブルの違い、いつも肝に銘じています。みんなで「同じ船」に乗って「社会を豊かにしよう」とするのが投資、反対に、「他人のお金を奪おうとするゲーム」がギャンブルでした。
「投資の本質」を知れば副業も「新しい視点」で見える
ケイ:
そして、金融投資という副業は、「自分自身の『人的資産の分散』のために使う」という基本もよく覚えておこう。
姫野:
分散投資で、自分の働いている会社や関連する業界、住んでいる国とは、「あえて離れた」金融資産を買っていくことですね。
ケイ:
そのとおり。つまり、自分の「本業」や「人的資産系の副業」では手が届いていないモノを、「金融資産」で補っていくんだ。
姫野:
なるほど! 「人的資産系」と「金融資産系」の2つの副業を上手にできれば、自分の資産も増えるし、バランスのいい人生が送れそう!
ケイ:
「自分自身を成長させる副業」と「自分では手の届きにくいことを補う副業」の両方とも大事、ということだね。
姫野:
ありがとうございます! 「投資の本質」を知れば、副業も「新しい視点」で見えるわけですね。早速、取り組んでみます!
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提供元:投資のプロが新入社員に薦める「最高の副業」|東洋経済オンライン