2018.06.18
胎児期の味覚体験が子供の食べ物の好みを決めていた!?
「人参が嫌い」「ピーマンは食べたくない」……。
小さなお子さんを持つ親御さんにとって、子供の偏食は頭の痛い問題ですよね。身体を作る時期だからこそバランス良く栄養を摂って欲しい。けれど、無理やり食べさせれば苦手意識を強くしてしまう可能性も…。だからこそ、あの手この手と策を練り、奮闘を繰り返しているというお話は、子育ての現場でもよく取り交わされるトピックの1つではないでしょうか。
実は、フロリダ大学の味覚研究チームをはじめ、いくつかの研究報告によると、胎児期の味覚経験が子供の味覚形成に、大きな影響を及ぼしているという研究データがあるそうです。簡単に言うと、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる頃、お母さんが食べていた食事が、子供の味覚に影響するということです。
因果関係を理解するために、まずは胎児の成長過程に目を向けてみましょう。
胎児の味蕾が形成され始めるのは、妊娠8週前後。妊娠12週前後には味蕾は成人並に発達することがわかっているそうです。さらに妊娠20週頃には、舌や口腔内の感覚が形成され、そのころには甘味と苦味を感じられるようになるそうです。
米・モーネルケミカルセンターでは、生後の赤ちゃんの味覚に影響することを確認するため下記のようなグループを作り調査しました。
グループ(1)……妊娠中300mlのにんじんジュースを一週間のうち4日間飲む
グループ(2)……妊娠中300mlの水を一週間のうち4日間飲む(にんじんジュースを飲まない)
グループ(3)……授乳開始から2ヶ月間、にんじんジュースを毎日飲む
この後、離乳食を開始した乳児ににんじんジュースを与えたところ、グループ1のお母さんから産まれた乳児が、最もにんじんジュースを好んで食したという結果が出たそうです。
これには、食物新奇恐怖症(ネオフォビア)という現象が影響していると言われています。この現象は、もちろん大人にもあるもので、体験したことのない味に対し危険を感じるというものです。大人は、今までの経験や知識でカバーし、新しい味わいを楽しむこともできますが、子供の場合、慣れるまでに時間が掛かってしまう場合が多いと言われています。
胎児期の味覚体験が、生まれた後の食べ物の好みに影響を与えるなんて、興味深い研究結果ですよね。
記事提供:サンスター 健康道場
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