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2018.06.11

寝室の環境を見直せば「睡眠の質」が上がる|「クーラー」の使い方にも工夫が必要


睡眠の質を上げるにはどうしたらいいでしょうか(写真:bunditinay/iStock)

睡眠の質を上げるにはどうしたらいいでしょうか(写真:bunditinay/iStock)

最近、出張でとあるビジネスホテルに泊まったときのことです。そのホテルの窓にはカーテンがなく、障子風の扉がついているだけでした。見た目はとてもおしゃれだったのですが、嫌な予感がしました。

その予感は的中。なんと起床予定時刻よりも1時間半以上早く目が覚めてしまったのです。原因は部屋の明るさでした。目が覚めたときは部屋中明るい状態。昼間ならありがたいですが、睡眠には妨げになります。カーテンがないので目の上に手を置いたり、頭からふとんをかぶったりしながら二度寝しましたが、次に目覚めたときの気分はよくありませんでした。

このほかにもホテルの部屋の空気が乾燥していて、喉に違和感を感じて眠れない、隣の部屋のテレビや話し声がうるさくて眠れないという経験をしたことがある方も多いはず。そもそも環境が変わると眠れなくなるという人もいます。

このように寝室環境は睡眠に大きな影響を及ぼします。そんな寝室に求められるのは、とにかくリラックスできる安全な環境であること。お気に入りの寝具、好きな色などに囲まれ、落ち着ける空間であることはもとより、眠りに影響を及ぼす温度、湿度、光、音、香り、衛生面について考慮されていることが大切です。

夏の冷房は睡眠の前半がおすすめ

寝苦しい夏に向けて最も気になるのは温度と湿度でしょう。洋服を着た状態では、平均して温度26~28℃、湿度50%くらいが目安とされます。これはズバリ空調機、特にエアコンの使い方がカギになります。

夏、寝苦しさを感じる原因は、湿度が高いと汗がかわきにくく、深部体温が下がりにくくなるからです。そのため、睡眠の前半にエアコンが効いた状態にするのが理想的。とはいえタイマーが切れると10分程度で室温が上昇し始めるため、「切タイマー」を3時間に設定しておくと眠り続けやすくなります。

一晩中強めの冷房を入れてしまうと、深部体温が最も下がる明け方に寒さを感じて目が覚めてしまいます。朝も涼しくしておきたいときは、起床時刻の前に「入タイマー」をセットするように工夫しましょう。また直接エアコンの風が体に当たらないよう配慮してください。最近ではバルミューダをはじめとする体に負担をかけにくい、優しい風が送れる扇風機も販売されているので、そういう製品を切タイマーで活用するという手もあります。

冬は、室温が低めでも、ふとんの中の温度や湿度が保てれば眠りやすくなります。ただし、空気の乾燥には注意してください。自分が思っている以上に空気は乾燥していることがあるので、湿度計の利用をおすすめします。加湿器を使って50%を切らないように心がけると、風邪の予防にもなります。

高齢者がいるご家庭では、寝室だけでなく廊下やトイレなどの温度差をなくす配慮も必要です。急に寒い場所に出ることが心臓疾患や心筋梗塞につながる危険性があるためです。人感センサー付きの暖房器具を使うなどして、できるだけ温度差をなくしましょう。

遮光カーテンで光による早朝覚醒を防止

就寝前の光は眠りを妨げ、起床時の光は覚醒を促すように、寝室の光が眠りに及ぼす影響は絶大です。冒頭の筆者の経験でご紹介したように、日の出の早い夏季はカーテンで遮光しないと早く目が覚めてしまうので注意が必要です。光を通しやすいカーテンを使っている方は、遮光カーテンに交換することで早朝覚醒が改善するかもしれません。

就寝時は、真っ暗よりもうっすらシルエットが見える程度の暖色系の明かりがおすすめです。常夜灯が明るすぎないかチェックしてみましょう。もちろん真っ暗なほうが眠れるという方は、無理して照明を使う必要はありません。

注意したいのは家電製品やデジタル機器のランプです。暗がりで煌々と青いランプを点灯させるものもあります。どうしても邪魔に感じるときは、マスキングテープなどを使って操作に支障が出ない程度に光を抑えてみましょう。

寝室の音は、40デシベル以下(高級車の中や図書館の中、静かな住宅地くらい)が望ましいとされています。これを超えると眠りにくくなったり、途中で目が覚めやすくなり、60デシベルを超えると軽度の睡眠障害が起こるとされているので侮れません。

外から聞こえてくる音を完全にシャットアウトするのは難しいかもしれませんが、厚手のカーテンをすることで、多少軽減できることもあります。

音量によっては、代わりにリラックスできる音や音楽を流すことでカバーするという手もありますが、自力では対処できない騒音の場合は、寝る場所を変える選択を迫られるかもしれません。

発生源が同居人のいびきや、ライフスタイルの違いによる生活音の場合は、耳栓をする、いびきを軽減するデバイスを使ってみる、寝室を分けるなどの方法を検討する必要がありそうです。

もし寝室や寝具の臭いがなんとなく気になっているという方は、発生源をできるだけ絶つ努力を。部屋をこまめに換気する、寝具のカバーをこまめに洗う、寝具を干す、カビなどを除去するなど、発生源に応じた対策をしましょう。特に人の汗や皮膚などがつきやすい寝具は、臭いの発生源になりやすいものです。シーツやふとんカバーを毎日交換、洗濯するのは難しいときは、消臭剤を使うという手もあります。

特に気になる臭いがない状態で、眠りを促進したいときは香りの活用がおすすめです。ラベンダー、カモミール、セドロール(杉や檜の成分)には鎮静作用があるとされています。逆にジャスミンやペパーミントには覚醒作用があるとされますので、目的に応じて使い分けましょう。就寝時にはできるだけ安全な方法で香りを楽しみたいものです。

ふとんを清潔に保つ

このほか、花粉などを寝室に持ち込まない、ダニを除去するなどしてアレルギーの元になるものを取り除いておくことも快眠には大切。

夏、汗をたっぷり吸い込んだままのふとんを放置すると、ふとんそのものが湿気をおびて、高音多湿を好むヒョウヒダニやチリダニが繁殖しやすい環境になります。これらのダニは死骸やフンがアレルギーのもとになります。また、ヒョウヒダニやコナダニが増えると、それを餌とするツメダニが増加します。ツメダニは人を刺すので、不快なかゆみのもとになり、睡眠を阻害する要因になりえます。まずはヒョウヒダニやコナダニの発生から防ぎたいものです。

特に気温が上がり、雨による湿気も増える雨季は注意が必要です。定期的にふとん乾燥機をかけ、ふとんクリーナーでしっかり吸引してください。

寝室は、寝具ともどもある程度自分でコントロールできるところがポイント。思い当たる問題点があったら、早速改善に取り組んで快眠できる環境に近づけてみましょう。

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提供元:寝室の環境を見直せば「睡眠の質」が上がる|「クーラー」の使い方にも工夫が必要|東洋経済オンライン

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