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2018.03.05

40~50代が選択する「卒婚」を知ってますか│人生100年時代に相応しい新しい結婚の形


夫婦だからといって同じことが好きとは限りません(写真:Lapindesign/iStock)

夫婦だからといって同じことが好きとは限りません(写真:Lapindesign/iStock)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

結婚のカタチ自体も変化している

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結婚自体をしないという人も増えている中、結婚のカタチ自体も変化しています。子育てが一段落した後や定年を意識しはじめる頃、山あり谷あり忍耐も必要としてきた時期を超え、夫婦それぞれが自由な生活を手に入れたいと思うのは自然なことかもしれません。夫婦だからといって同じことが好きとは限りませんし、食べたいもの、見たいものが違って当たり前です。離婚とは違う、卒婚というカタチについて今回はお伝えしたいと思います。

卒婚とは、婚姻関係を維持したままお互いが必要以上に干渉せずに自立した生活を行うことです。最近、身近に増えてきており、多くは別居で、必要なときや盆暮れ、家族の誕生日くらいに会うようです。別居して経済的にも自立するパターンが主流ですが、同居したまま、それぞれ自分のことは自分でするのが基本、生活リズムは別々というスタイルもあるかと思います。

同居しているなら「家庭内別居」と同じじゃないかと思われるかもしれませんが、何となく不和で冷戦状態なのと、お互いが納得して前向きな選択をしているのとではまったく違います。

そもそも憎み合っているくらいなら離婚の選択肢のほうがいい場合もありますが、そこまで関係性は悪くはないけれど、子どもも手を離れてきたし、この先はお互い好きなことをして暮らしたい、という思いに至るのは不思議ではありません。

また、長年の関係性の中で払拭できなかった小さなズレに対し、これ以上我慢を重ねたくない、相手のこだわりに合わせていくのに疲れたなど、ささいな苦痛も毎日だと限界がきますので、それらから解放されたいという思いもあるようです。人生後半に入り、これ以上、自分を偽ったり、我慢して生きたくないという場合に、効果的な関係性とも言えます。

それぞれに自立していることが必要

メディアでは、50歳代から60歳代に多いような論調が多くみられますが、私が実際にかかわる相談者のなかで卒婚を実行されている方は、40代後半から50歳代にかけての方が多い傾向です。

あまり年齢が高くなると片方が病気がちになってしまったりして、病人を突き放すような罪悪感を持ってしまったり、定年が目の前に迫っている不安からか、どちらかの相手への依存が増してきてしまい、離れたくても離れられない理由が出てくる可能性が高くなります。さらに、40~50歳代なら、まだお互いに働けるという部分も大きいように思います。

うまくいく卒婚の決め手は、経済的、精神的それぞれに自立していることです。まずは、経済的な面ですが、特に女性の場合は子育てをして仕事から離れている時期が長いと復職が難しい場合も多く、共働きといえども、短期的なパート、契約の仕事を選びがちです。

自由度が高く、手軽に始められるという利点もありますが、経済的に家計の補助になっても、自立できるレベルにまで引き上げることは現実的になかなか難しい部分もあります。また、それ以上、稼ぐ能力があったしても扶養控除を考えて、あえて抑えている場合も多いでしょう。そうすると、自立ということを考えたときに大きな足かせとなります。ですから、仕事に復帰する際、とりあえず目の前にあるものを、ではなく以下を考慮して選ぶ必要があります。

・将来的にも続けられるものか
・自分に合っているか
・資格などを取得することによってスキルアップできるか
・今後、収入が上がる可能性はあるか
・本格的に仕事に就くときにその経験が生かせるか

たとえ週1の仕事でも将来を見据えることが大切です。そして、少しずつでよいのでスキルアップをするという意識を持ちましょう。子どもがまだ小さい、もしくはフルタイムでないと保育園に預けられないから仕事ができないと思われる方もいらっしゃると思いますが、ネット社会のよさを利用し、在宅でできる仕事や自由度が高い仕事などを見つけるとよいと思います。

それまでの経験を生かせたり、これから勉強できる仕事を探すのもよいでしょう。そのときの家庭の状況に合わせた柔軟な働き方を模索していくことも必要ですが、同時に将来につながることを意識しましょう。

私は私、あなたはあなた

次に、精神的な自立ですが、相手への依存が高かったり、「べき」思考の人は難しいかもしれません。相手への要求が高いと、離れていても何かと要求したくなる気持ちが払拭できないでしょうし、「夫婦とはこうあるべき」「夫(妻)とはこうあるべき」という思考が強いと、そうでないことにストレスを感じ、新しいカタチを受け入れることすら難しいでしょう。変化に柔軟に対応できる思考を持つことが必要です。

私は私、あなたはあなたという、お互いを真の意味で尊重できる精神的な自立が卒婚成功のコツかと思います。お互いに適度な距離ができることで、ゆとりができ、相手のよいところを認められるようになり、より夫婦の絆が深まるケースも多くみられます。

特に男性の場合は、経済的よりも精神的な自立が必要になります。

家庭と仕事場だけを往復するような生活だと、心の拠り所がなく、定年後に家族のお荷物になってしまう可能性も否めません。趣味や勉強などを通じて、ほかのコミュニティを持つことが必要です。

夫も妻も共に経済的、精神的に自立できる準備を始めるのに早すぎるということはありません。お互いに寄りかかりすぎない関係性が、結婚生活を快適に過ごすことにつながり、「卒婚」をあえて視野に入れずとも仲良く生活していくことが可能にもなります。

「子育て中だから嫌でも我慢している」「子どものこと以外は、夫(妻)と2人で話すことがない」、また子どもがいなくても「このままこの人とずっと一緒にいると思うと憂鬱」などと思っている方は、いずれにしても準備をぬかりなく。どちらに転んでもあなたを助けてくれる力になると思います。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

結婚とは「一瞬が永遠に続く」という妄想だ

「夫婦は一生添うべし」が当然ではない理由

50代は資産形成をする「ラストチャンス」だ

提供元:40~50代が選択する「卒婚」を知ってますか│東洋経済オンライン

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