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2018.01.30

年間300日を海外で過ごすプロスノーボーダー広野あさみの「眠りの秘密」とは?


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いま注目の実力派プロスノーボーダー、広野あさみさん。2011年にスノーボードクロスのプロ資格を取得後、2015年の国際スキー連盟(FIS)スノーボードワールドカップをはじめとするいくつもの世界レベルの大会に出場し、好成績を残しています。現在は世界各地を転戦しながら、一年のうち約300日海外で過ごしているのだそう。そんな広野さんに、海外での睡眠事情や、世界を制するために行っている睡眠習慣を伺いました。

目次
1.楽しむことが一番大切! スノーボードは褒められて伸びる私にぴったり
2.トラブルだって楽しい! 海外転戦時の睡眠事情
3.休日も好きなことを好きなだけ! たっぷり眠ってストレス解消
4.プレッシャーに弱かった自分が「瞑想・呼吸」で変わった

楽しむことが一番大切! スノーボードは褒められて伸びる私にぴったり

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――広野さんがスノーボードを本格的に始めたのは高校生のときだそうですが、きっかけは何だったんでしょうか?

「高校の修学旅行でスノーボードの授業があったんです。そのとき、インストラクターの方に『ターンがすごくうまい! センスがあるね!』と褒められたのがうれしくて。『本気でやったら、もっとうまくなれるかもしれない!』と思って練習を始めたんです」(広野さん)

――褒められたことがきっかけだったんですね。初めてのスノーボードで褒められたということは、ほかのスポーツの才能もありそうですが…。

「子どものころから剣道や水泳、ソフトテニスと、いろいろなスポーツをやっていたんですが、どれもスノーボードほど上達しませんでした。コーチが厳しすぎたり、頑張っても褒めてくれなかったりで、楽しんで続けられなかったんです。昔から『褒められて伸びるタイプ』だったんだと思います(笑)。心から楽しんで『やりたい!』と思わなきゃダメっていうか…」(広野さん)

――才能だけでなく、モチベーションも大切ということですね。スノーボードではいまやオリンピック強化選手に選ばれるほどの実力者ですが、広野さんにとって、スノーボードの楽しさとはなんでしょうか?

「一緒に滑る仲間といろんな景色や滑る楽しさを共有できること! それが一番の楽しみですね。 実は、スノーボードは個人競技に見えて、団体競技的な一面もあります。だから、雪山を滑りながら、仲間と同じ景色を味わう時間は格別なんです」(広野さん)

提供:広野あさみさん

提供:広野あさみさん

――楽しむことを大切にする広野さんらしいお答えですね。スノーボードでのパフォーマンスを維持するために、気をつけていることはありますか?

「やはり身体のメンテナンスは大切ですね。毎日規則正しい生活を送って、最低でも1日6時間は眠るように気をつけています。睡眠不足だと身体の重心がブレて、ジャンプのときに恐怖心が出るので、うまく飛べなくなってしまうんです」(広野さん)

提供:広野あさみさん

提供:広野あさみさん

――どんなスケジュールを意識されているのでしょうか?

「朝はだいたい7時に起きて、9時から14時くらいまではスノーボードの練習をしています。そのあとは身体づくりのため、ジョギングやストレッチなどに費やします。帰宅したら夕食のあとにお風呂に入って、ベッドに入るのは23時くらいですね」(広野さん)

――毎日の習慣などはありますか?

「朝食は抜かないようにしています。栄養バランスを考えて、メニューは毎日ほぼ同じ。卵2個とヨーグルト、グラノーラからたんぱく質と脂質を、バナナとほうれん草の豆乳スムージーからはビタミンと食物繊維をとっています。あとは、翌日に疲れを持ち越さないよう、毎晩必ずストレッチをしてから眠るのが習慣になっていますね」(広野さん)

――健康的な生活ですね! アスリートらしいストイックな印象を受けます。

「でも、こだわりすぎるとストレスになるので、そこまで厳密になりすぎてはいません。ときには甘いものを食べるし、10代のころは友人と夜通しカラオケではしゃいだこともありました。いまは音楽が大好きで、テンションを上げるためにジョギングや練習中に好きな曲を聴いています」(広野さん)

――ストイックな中でも、楽しむ余裕を持つようにしているのが素敵ですね。

「スノーボードの中でも私がやっているスロープスタイルやクロスは、フィギュアスケートのように、審査員の心を動かした人が勝つ競技だと思っています。だから、選手自身が楽しむことが一番大切なんです。海外の選手でも、うまい人はみんな、心から競技を楽しんでいます。いまの憧れは、アメリカのジェイミー・アンダーソン選手。大会で何度かお会いしたことがあるんですが、同い年なのにとても魅力的で、楽しそうなライディングをするんです」(広野さん)

楽しんで競技に向き合うことを何よりも大切にされている広野さん。いまはアメリカだけでなく、世界各国へ転戦に赴いています。

トラブルだって楽しい! 海外転戦時の睡眠事情

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――現在は1年のほとんどを海外で過ごされているそうですね。

「オリンピックを目指すようになってからは、世界のトップ選手がよく行く国で滑るようにしています。2017年の今シーズンは、1年間で13カ国に行きました」(広野さん)

――13カ国も! どこが一番印象的でしたか?

「ロシアですね。コースがすごく印象的で、コース上に超巨大なマトリョーシカがあって、その上を飛んだんです。国によってコースの特徴が違うので、チームのみんなと『次の国ではどんなところを滑るんだろうね』と予想し合って楽しんでいます」(広野さん)

――それは楽しそうですね。でも、たくさんの国を回っていると、なかなか落ち着いて眠れない…なんてことはありませんか?

「確かに、最初は睡眠環境がころころ変わるのに慣れなくて、なかなか眠れませんでした。でも、『海外なんだから環境が違うのは当たり前!』と割り切ったら、どこでも眠れるようになったんです。とはいえ、実家のベッドでの熟睡感とは比べものになりませんが(笑)」(広野さん)

――海外遠征時の睡眠で、特別に気にしていることはありますか?

「日本から寝具を一式持って行く選手も多いんですが、私は特別に何かを持って行くことはありません。部屋の乾燥が気になるので、枕元に濡れタオルを置いたり、加湿器を使ったりするくらいかな。アロマオイルを垂らして香りを楽しむタイプの加湿器はとくに愛用していますね」(広野さん)

――お気に入りの香りはなんですか?

「リラックス効果があると聞いたので、ラベンダーやティーツリーをよく使います。ティーツリーの香りは海外ではポピュラーみたいで、練習のとき、香水みたいに身体につけている女性選手もいるんです。結構ツンとする香りなので、そばにいた男性が『なんだこの匂いは!』とびっくりしてしまうみたいですけど(笑)」(広野さん)

――環境が変わっても、楽しく過ごしているのが伝わってきますね。海外での生活で、印象的だった出来事はありますか?

「宿泊費の節約のためにドミトリータイプの宿によく泊まるんですけど、ドミトリーだとどんな人が相部屋になるかわからないんです。以前、インド人男性と同じ部屋になったとき、いびきがうるさくて、全然眠れないことがありました。なぜか『ぺー、ぺー』って、変ないびきをかくのが気になって気になってしまって…。気にはなってしまったんですが、なんだかすこし愛らしくてこっそり『ぺーぺーおじさん』ってあだ名をつけちゃいました(笑)」(広野さん)

「こんなトラブルも海外遠征の面白いところですよね」と、広野さん。大好きなスノーボードに打ち込むときはもちろん、オフの日でも、楽しいことに貪欲な姿勢は変わらないようです。

休日も好きなことを好きなだけ! たっぷり眠ってストレス解消

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――お休みの日は、どうやって過ごされていますか?

「ライブに行ったり、友人とカラオケに行ったり。きれいな景色を見に行くことや、もちろん家でゴロゴロするのも…。好きなことを好きなだけしています。基本的に外に遊びに行くのが好きなんです。本当に疲れているときは、一気に10時間くらい眠ってしまうこともありますけど、気にしない(笑)」(広野さん)

――思い切り好きなことをして、ストレスを解消されているんですね。

「普段からストレスをためないように、いつも好きなことをしていますね。厳しい食事制限もしません。『スノーボードの次に大切』と言ってもいいくらい、眠ることと食べることが大好きなんです」(広野さん)

――食べるのが好きということですが、一番好きな食べ物は何ですか?

「たくさんあるけど、とくに甘いものが好きですね。チョコレートケーキには目がありません! 実を言うと、一時期『添加物をとりすぎると身体がゆがむ』と聞いて、とてもストイックに食事制限をしていたことがあったんです。でも、食材を選ぶ時点ですごくストレスになってしまって…。それ以来、『バランスがとれていて、食べ過ぎなければOK』と自分の中でボーダーラインを決めて、極力好きなときに好きなものを食べるようにしています」(広野さん)

――ご自身で料理はされますか?

「海外には日本から調味料を持って行き、できるだけ自炊をしています。得意料理は親子丼です。簡単にできておいしいし、たんぱく質がしっかりとれるので“いいことずくめ”ですしね。あとは、オーブン料理が主流の国に行くケースが多いので、オーブンでグリルした野菜もよく食べています。すごくありがたいことに、無農薬野菜のスポンサーさんがついてくれているので、新鮮でおいしい野菜を送っていただけるんです」(広野さん)

我慢は最小限にとどめて、好きなことを好きなだけするのが、広野さん流のストレスフリーな過ごし方。しかし、そんな広野さんにも、プレッシャーで伸び悩んだ時期があったのだそうです。

プレッシャーに弱かった自分が「瞑想・呼吸」で変わった

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――お話を聞いていると、とても明るくポジティブなお人柄を感じますね!

「とはいえ、実はプレッシャーやストレスに弱いタイプなんです。そういえば、2年くらい前、ナショナルチームに入れたものの、プレッシャーからスノーボードを楽しめなくなってしまったこともありました。私はストレスが身体に出やすいタイプらしく、当時のコンディションは最悪だったと思います。ネガティブな気持ちになりがちで、技術も全く伸びず、過食気味でいまより太っていたし、便秘がちでした」(広野さん)

――そうだったんですね。ストレスで眠れないこともありましたか?

「寝付きはとても悪かったですね。やっと眠れたと思っても、見る夢は大会で失敗したり、ジャンプ中に落下したりする悪夢ばかり。眠りの質はかなり悪かったと思います」(広野さん)

――それは競技にも影響してしまいそうですね。どうやって抜け出したんですか?

「瞑想と呼吸法を取り入れたことがきっかけだと思います。ヨガの深い呼吸を取り入れた瞑想をすることで、気持ちを安定させられるようになりました」(広野さん)

――瞑想と呼吸法を始めたきっかけは何だったんでしょうか?

「周りの人からの影響が大きかったかな。実は、私のコーチがとてもよく瞑想をしています。しかも、何時間でもあぐらをかいて『無』になっていられるほど、超ストイックな方なんです(笑)。先ほどお話した憧れのアンダーソン選手も呼吸と瞑想でのメンタルケアを大切にされているらしく、まねをして私も始めてみました」(広野さん)

――その後、睡眠の悩みは解消されましたか?

「いまでは毎日ストンと眠れています。私の理想の睡眠は『その日に感じたストレスを解消してからベッドに入って、一度寝たら朝まで起きないこと』なんですけど、少しずつ理想に近づいてきている感じがします」(広野さん)

――それは素晴らしいですね!いまの調子はいかがですか?

「すごくいいですね。瞑想で身につけた呼吸法を生かして、アクシデントが起きたときもスムーズに心を落ち着けられるようになってきました。最近、いいコンディションを保つために、ネガティブな言葉は極力使わずに、前向きな言葉だけを使うように意識しています。そうするとストレスが解消されるし、よいことも起こるようになりました。最近では、大好きなアーティスト『三浦大知』さんのライブチケットが偶然手に入ったんですよ(笑)!」(広野さん)

――三浦大知さんがお好きだって公言されてますよね(笑)。こうして前向きになることで、よいことを引き寄せるようになったのかもしれないですね。

「以前と比べると、とてもリラックスして競技にも臨めるようになりました。大きなスランプを乗り越えると、一皮むけるのかもしれません。しかし、プロボーダーとしては、まだまだ克服すべき課題があります。技術だけでなく、メンタルもしっかりと整えていかなければなりません。私は、多くの人を感動させられるような、影響力のある選手になりたいと考えています。そのためにも、まずはポジティブで魅力的な人間になっていきたいですね」(広野さん)

提供:広野あさみさん

提供:広野あさみさん

呼吸法や瞑想を日常に取り入れることで、感情を上手にコントロールできるようになったという広野さん。ストレスをしっかり解消して、毎日コツコツと継続することが大切なようですね。

【眠りの黄金法則】

-瞑想と呼吸法で上手にメンタルケア
-寝る前は必ずストレッチ! 疲れた身体と心をリラックス
-海外では「郷に入っては郷に従う」。乾燥だけは要注意!

【ウィークデーの平均睡眠時間】

-規則正しく6時間睡眠

【睡眠タイプ】

-メンタルを中心とした丁寧なケアで、良質な睡眠を目指すタイプ

広野あさみさんのフミナー度は『45%』、今一歩よい眠りがとれていないようです。

広野あさみさん

プロスノーボーダー。2011年にスノーボードクロスにてプロ資格を取得。現在はビックエアー・スロープスタイルの強化選手として、2018年の平昌オリンピック出場を目指して海外転戦を続けている。ガールズムービーチーム「TOMBOY」や地元富山でのスノーボードレッスンなど、スノーボードの楽しさを多くの人に広める活動にも精力的に取り組んでいる。

ツイッターアカウント:@asamihirono ※外部サイトに遷移します

※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。

提供元:年間300日を海外で過ごすプロスノーボーダー広野あさみの「眠りの秘密」とは?│フミナーズ

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