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2018.01.29

「知覚過敏」今さら聞けない原因と治療の基本│「歯がしみる」日本人の4人に1人が悩む


歯がしみる原因は大きく8つあります(写真:RyanKing999/iStock)

歯がしみる原因は大きく8つあります(写真:RyanKing999/iStock)

冷たい飲み物や食べ物を口に入れると歯がしみる――。知覚過敏症は日本人の4人に1人はかかっていると言われているほど、身近な症状です。

テレビCMでも知覚過敏用の歯磨き剤はよく見掛けます。歯がしみると感じて、「虫歯かな?」と思って歯科に通院してみたら、実は知覚過敏だったというケースも少なくありません。筆者は歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中で紹介していることの1つでもあります。

ムシバラボ ※外部サイトに遷移します

原因は「冷たい飲み物や食べ物」だけではない

知覚過敏の症状で「歯がしみる」原因は「冷たい飲み物や食べ物」だけではありません。知覚過敏症状の原因には次のようなものがあります。

・冷たい食べ物や飲み物
・冷たい風
・温かい食べ物や飲み物
・歯磨き時
・酸味の強い食べ物や飲み物
・甘い食べ物や飲み物

虫歯も知覚過敏も「しみる」という同じ症状がありますが、出方には違いがあります。虫歯の場合は初期の頃には冷たいものや甘いものがしみますが、進行してくると温かいものがしみるようになり、そのうち何の刺激を与えなくても痛みが出てきます。進行するにつれ、一度しみるとしばらく痛みが続くようになってきます。

対して、知覚過敏の場合はしみる症状が出ても短時間、長くても1分以内にはたいてい消えてしまうのが特徴で、虫歯のようにだんだん痛くなっていくということや、何の刺激もないのに痛みがあるということは通常はありません。

知覚過敏の原因は主に、歯茎が下がったり歯のかむ面がすり減ったりして、歯の表面のエナメル質に覆われていない「象牙質」という歯の層が露出してしまうことによって起こります。象牙質はさまざまな神経に伝えやすいため、露出するとしみてしまいやすいのです。

知覚過敏の主な原因は8つ挙げられます。

知覚過敏の主な原因

(1) 歯周病

歯周病が進行してくると、歯茎が下がってくるため歯がしみやすくなります。

歯周病とは「歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織が、口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患のこと」(日本歯科衛生士会ホームページより)。成人だけではなく小・中学生などの若年層も多く罹患(りかん)しているとされています。

適切に歯磨きができていないと、健康な歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、それを改善しないまま深部の歯周組織まで炎症が波及すると、歯と歯肉の境目の溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。これが重症化してしまうと歯がぐらつき始め、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうことになりかねません。

しかも歯をしっかり磨いていても、気づかずに歯周病になっている人がかなり多いのです。知覚過敏も知らずに引き起こされている可能性があるといえるでしょう。

(2) 加齢による歯茎下がり

歯茎は加齢によっても少しずつ下がってきます。それに伴い知覚過敏が現れることがあります。

(3)強すぎる歯磨きのブラッシング圧

歯ブラシでのブラッシング圧が強すぎると、歯茎を傷つけ歯茎が下がりやすくなってしまいます。また、強すぎる力で磨き続けることで歯がすり減ってしまい、余計にしみるようになってきます。

(4) 歯ぎしり、食いしばり

歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯のかむ面が異常にすり減ってしまい、象牙質が露出してしみることがあります。また、歯ぎしりや食いしばりは歯の根元に力をかけてしまい、歯の根元がくさび状に欠けてしまう「くさび状欠損」を起こし、そこからしみるようになることもあります。

(5)酸性食品の取りすぎ

炭酸飲料をよく飲んだり、酸っぱいものをよく口にしたりする人は、その強い酸によって歯が溶けて象牙質が露出し、しみる症状が出る場合があります。

(6)虫歯の治療後

虫歯を削った後は歯の神経が過敏になっています。そのため、治療後はある程度の期間にしみる場合が多く見られます。

(7)ホワイトニング

歯を白くするホワイトニングの薬剤でも施術中に知覚過敏を起こすことがあります。

(8)歯の欠損

歯をぶつけたりすることが原因で歯が欠けるとその部分からしみることがよくあります。

知覚過敏の治療法

知覚過敏の治療法としては、原因別に次のような方法が挙げられます。

歯茎下がりが原因の場合

まずは歯ブラシでゴシゴシ力任せに磨かないようにしてみましょう。優しく磨くだけで改善してくることもあります。また、知覚過敏用の歯磨き粉も効果がある場合が多いので試してみると良いでしょう。なかなか改善しない場合には、歯科医院で知覚過敏用のしみ止めの薬を塗ってもらったり、材料でコーティングしてもらったりする方法もあります。

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合

自分でコントロールが不可能な歯ぎしりの場合には、歯科医院で就寝時にはめるマウスピースを作ってもらい、歯へのダメージを防ぐようにしましょう。くさび状欠損ができていてしみている場合には、樹脂の材料をその部分に詰めてもらうことでしみなくなります。

虫歯の治療、ホワイトニングが原因の場合

虫歯治療後の知覚過敏は治ることが多いので、あまり刺激しないようにして様子を見てみましょう。だんだん痛くなる場合には神経が弱っている可能性があるため、歯医者さんに相談しましょう。ホワイトニングの場合も一時的ですので様子を見ましょう。

歯が欠けてしまった場合

歯が欠けてしみている場合には、虫歯に発展するのを防ぐためにも詰め物をしてもらいましょう。

歯がしみる原因はさまざまですが、歯がしみてすぐに「知覚過敏だ」と決めつけるのはよくありません。虫歯が原因の場合もあるので、しみる症状が出てきた場合には一度、歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

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提供元:「知覚過敏」今さら聞けない原因と治療の基本│東洋経済オンライン

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